JRA「次走」天皇賞・春(G1)もカレンブーケドールは“指定席”!? ハルウララの父など驚異的な“2着力”を誇る「歴代最強のシルバーコレクター」とは
先週の中山競馬場で開催された日経賞(G2)は、ウインマリリンが優勝。一方で、単勝2.3倍の1番人気に支持されたカレンブーケドール(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)は、“また”2着となり、これでJRA重賞競走では、なんと6回目の2着。新馬戦の2着も含めると、通算7回目の2着が記録された。
同馬はレース2周目の3コーナーで内側に斜行。テン乗りだった松山弘平騎手は、騎乗停止処分を受けたが、レース後のコメントでは「早めにかぶされてしまいましたが、最後は差を詰めたように力のある馬です」と、その実力を認めている。
そんな実力を持ちながら「現役最強のシルバーコレクター」と名付けたいほど2着が続くカレンブーケドール。一昨年のジャパンC(G1)では、当時3歳牝馬ながら、並み居る強豪古馬勢を相手に2着入線を果たすなど、その実力は折り紙付き。だからこそ、あと一歩のところで重賞タイトルを逃している同馬の「2着力」は褒めるべきか、残念なのか、評価の分かれるところだろう。
そんな「最強の2着馬」といえば、サウンズオブアースの名を思い出す競馬ファンも多いはず。
2018年に現役を引退するまでの同馬の戦績は、通算2勝ながら2着はなんと8回。挙げた2勝は未勝利戦と、はなみずき賞(現1勝クラス)だけにもかかわらず、菊花賞(G1)や有馬記念(G1)、ジャパンCを含む重賞2着を7回も記録した。あとわずかの差で重賞を制することなく引退した同馬のシルバーコレクターぶりも、なかなかのモノだった。
さらに重賞制覇した馬も含めると、その「2着力」を誇る馬たちも個性派揃い。
1985年から88年に活躍したニッポーテイオーの生涯成績は、21戦して8勝2着8回。新馬戦では2着に2.2秒もの差をつける大差勝ちを収めるも、その気性難が災いして、クラシック路線から早々と撤退した。
ところがマイルから中距離路線へ活路を求めた後、その素質が開花。1986年のニュージーランドT(G3)から、引退レースとなった88年6月の宝塚記念(G1)まで出走した15戦はすべて重賞。G3からG1レースを文字どおり駆け抜けて、7勝(2着7回、3着1回)と素晴らしい成績を残した。
同馬の「2着力」の特徴は、1着と2着を交互に繰り返した点。快進撃がはじまったニュージーランドTは1着も、続くラジオたんぱ賞(G3)は2着。この2走を含めて、1987年5月の安田記念(G1)までの8戦は、すべて1着と2着を繰り返した。当時の2着時のタイム差は0.0〜0.4以内と「勝負弱い」といえばそこまでだが、実にわずかな差で勝利を逃している。
種牡馬としても活躍馬を輩出したニッポーテイオーは、あのハルウララの父でもある。通算成績113戦0勝(2着5回、3着7回)のハルウララは、残念ながら父の「勝負弱さ」を引き継いでしまったのかもしれない。
障害馬の「最強の2着馬」は、アップトゥデイトで間違いないだろう。こちらは平地のレースを含めて37戦で10勝を挙げるも、2着は勝利数を超える11回を誇っている。
2012年の2歳時にデビューした同馬は新馬戦を勝利するなど、その活躍が期待された。ところが明け3歳から苦戦が続き、14年9月に障害転向。翌15年4月の中山グランドジャンプ(J・G1)と、冬の中山大障害(J・G1)を制覇。2015年JRA賞最優秀障害馬に選ばれるまで成長した。
しかし、アップトゥデイトの「2着力」を考察すると、なんといっても活躍した時代に最強のライバルが存在していたのが痛かった。
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