GJ > 競馬ニュース > 有馬記念「影の主役」
NEW

有馬記念の勝敗を決した「影の主役」とは。日本競馬に馴染みのない文化「組織力」に潰されたキタサンブラックにファンからは賛否両論

arimakinen2016.jpg競馬つらつら」より

「組織力にやられた……」

 有馬記念のレース後、最後の最後に先頭を譲った武豊騎手は悔しそうに、そうつぶやいたという。

 25日に中山競馬場で開催されたグランプリ・有馬記念(G1)。レースを制したのは1番人気の3歳馬サトノダイヤモンドであり、武豊騎乗の2番人気キタサンブラックはクビ差2着の惜敗を喫した。

 タイム差は0.1もなく、本当に紙一重の勝負。だが、両雄の明暗を分けたのは馬”個々の力”ではなかったようだ。

「2番手からは想定通り。最後もいいタイミングで差し返せたかと思ったのですが。3コーナーでサトノノブレスにつつかれたのが痛かった」(ラジオNIKKEIより)

 レース後にそう話したのは、キタサンブラックに騎乗していた武豊騎手だ。レースは逃げ宣言をしていたマルターズアポジーが飛ばす展開で、キタサンブラックは2番手をキープしていた。

 1000通過は61秒と、同日同条件で行なわれたグッドラックHC(1000万下)の60.5秒よりもさらに遅いペース。ここまでは武豊騎手にとって、理想的な流れだったといえるだろう。

 だが、そこからレースの流れは一変する。向正面で残り1000m辺りから、サトノノブレスが早めの進出を開始。キタサンブラックに並び掛けようとしたところで、レースは一気にペースアップした。

 一見、先頭を走っていたマルターズアポジーがまだ頑張っていたので、隊列自体に大きな変化は見られない。だが、その区間のラップタイムに目をやれば”水面下”での変化は明らかに見て取れる。

arimarappu.jpg

 注目すべきは、残り1200m「12.9秒」から残り1000m「11.8m」への急激な加速だ。ここでサトノノブレスが動きを見せて、キタサンブラックを刺激。加速したキタサンブラックに、先頭を走るマルターズアポジーが反応して一気にペースが上がった。

 600m~400mの間に一度「12.1秒」に落ちているが、これは息が入ったのではなく、ペースメーカーを務めていたマルターズアポジーが力尽きたためだ。この200m間で先頭がキタサンブラックに入れ替わっている。

 だが、結果的にキタサンブラックはこの早すぎたペースアップが堪えて、最後の最後でサトノダイヤモンドに差し切りを許した。武豊騎手が「サトノノブレスにつつかれたのが痛かった」と話したのは、つまりそういうことだ。

有馬記念の勝敗を決した「影の主役」とは。日本競馬に馴染みのない文化「組織力」に潰されたキタサンブラックにファンからは賛否両論のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

17:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
  2. クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
  3. 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
  4. 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
  5. C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
  6. エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
  7. 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
  8. 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
  9. 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
  10. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛