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JRA古川奈穂ら新人騎手だけじゃない!? すでに全厩舎が勝利達成した“即戦力”揃いの新規開業厩舎を徹底分析!!

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 3月のデビューから、すでに全員が記念すべき初勝利を挙げている古川奈穂ら今年の新人ジョッキーたち。一方で、同じく3月から新たに厩舎を構えた新人調教師たちも、全員が待望の初勝利を挙げた。

 先週1日の阪神4Rでは茶木太樹厩舎が、翌2日の東京6Rでは辻哲英厩舎がそれぞれ初勝利を記録。これで今年3月に新規開業したすべての厩舎が、勝利を挙げたことになる。

 数多くの厩舎が開業した年は、その年の夏頃まで、ひとつくらいは未勝利の厩舎が残ることがよくあるトレーナー界。開業からわずか2ヶ月余りで、デビュー間もない9つの厩舎すべてが勝ち星を挙げたのは、異例の出来事だ。

まずは今年3月デビュー厩舎を以下に記そう。
美浦:鈴木慎太郎厩舎
美浦:辻哲英厩舎
栗東:四位洋文厩舎
栗東:小林真也厩舎
栗東:杉山佳明厩舎
栗東:田中克典厩舎
栗東:茶木太樹厩舎
栗東:辻野泰之厩舎
栗東:畑端省吾厩舎

 ちなみに小林・畑端の両調教師は、今年1月1日付けで調教師免許を取得。同時に免許取得した蛯名正義調教師率いる自身の厩舎は、現時点では開業していない。

 東2、西7の計9つの新規開業厩舎のなかで、最も早く勝利を挙げたのが辻野厩舎と四位厩舎。ともにデビュー週の3月7日(日)に記念すべき初白星を記録している。

 特に角居勝彦厩舎を引き継ぐ形となった辻野厩舎は7日現在、新規開業厩舎のなかでトップの6勝をマーク。出走回数は30レースで6勝、2・3着ともに2回。勝率20%、連対率26.7%、複勝率33.3%は、開業2年目以降の厩舎と比べても、遜色ない成績を残している。

 かつての名騎手・四位洋文調教師率いる四位厩舎は、意外にも2勝目が遠い。7日現在で出走回数41回も1勝止まり。2着4回、3着3回と、惜しいところで勝利を逃している。

 現役時代のコネクションをフル活用しているのか、新規開業厩舎には珍しくリーディング上位の騎手を起用する同厩舎。ただ、福永祐一騎手は7度、池添謙一騎手は4度騎乗するが、勝利には届いていない。

 9日(日)の新潟12Rの三条Sに出走するバラーディストには、和田竜二騎手を起用。待望の厩舎2勝目なるか注目したい。

 エージェントの“営業力”も影響しているだろうが、こうした新規開業厩舎の騎手起用も興味深い。

 9つの新規開業厩舎で、最多の騎乗依頼を受けているのが西村淳也騎手。16回の騎乗で、田中克厩舎と小林厩舎に勝利をプレゼント。次いで鮫島克駿騎手の13回、さらに団野大成騎手の12回と続く。

 実績の乏しい新規開業厩舎ゆえに、いわゆる大物ジョッキーの騎乗よりも、若手騎手の騎乗が増えるのは仕方のないこと。しかし、その騎乗技術に目をつけて“乗れる”騎手へと積極的に依頼しているのでは……と推理できる。

 そんな新規開業厩舎には“馬券的妙味”がある。総じて言えば出走する「馬質」から、それほど人気にならないのが理由だ。

 美浦・鈴木慎厩舎が挙げた2勝は、ともに7番人気の馬。同厩舎の単勝回収値は154円で、単勝平均配当2,550円は新規開業厩舎のなかで堂々のトップ。3着も2回記録しているが、ともに7番人気以下だった。

 今週は8日(土)に3鞍出走予定。3頭とも、それほど人気にはならないことが予想されるが、一発を秘めた厩舎だけに不気味だ。

 栗東では小林厩舎に注目。こちらも単勝回収値は142円、単勝平均配当は1,070円と高アベレージを残している。

 辻野厩舎に次ぐ4勝を挙げており、その勝利はすべてダート。特に今週8日(土)、中京8Rの1勝クラスには、同厩舎のエース格・モントカイザーが出走するが、得意のダート戦だけに注目したい。

 冒頭でふれた通り、わずかデビュー2ヶ月ですべての厩舎が勝利した今年の新規開業厩舎。いわば今年の新規開業厩舎は、“即戦力”揃いであり、今後のJRAトレーナー界の勢力図を塗り替える可能性を秘めているともいえる。

 8日(土)は23頭、9日(日)は14頭がスタンバイしている新規開業厩舎の出走馬に注目して、今週の競馬も楽しみたい。(文=鈴木TKO)


<著者プロフィール>

野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

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