JRA ソダシ吉田隼人騎手の3年前の“決心”とは!? オークス(G1)大本命で “ローカル大将”から名実ともにトップジョッキーへ!
18年の騎乗数604鞍の東西割合をみると、関東馬442鞍に対して関西馬162鞍というデータが残っていた。
ところが19年は騎乗数637鞍のうち関東馬155鞍、関西馬482と一気に逆転。さらに20年は743鞍と100鞍以上の騎乗数アップも目立つが、その割合は関東馬183鞍、関西馬559鞍と、完全に関西圏の信頼を勝ち得たことも伝わってくる。
そして好調を維持する今年。今月16日まで345鞍に騎乗して、関東馬はわずか53鞍に対して関西馬は292鞍。すでに18年の41勝と並ぶ勝ち星をマークしている。
勝ち星だけみれば、たしかに吉田隼騎手はローカル場所での勝利数も多いが、それ以外で挙げた勝利数も年々増加している。
主要4競馬場で挙げた勝利数を合計すると、18年は12勝。この頃は東京と中山で5勝ずつマークするなど、関東圏での活躍が目立っていた。
19年は8勝止まりも、京都2勝、阪神6勝と関西圏で勝利。ここで地盤を固めていたといってもよいだろう。
そして昨年、中央場所で記録した勝利数はなんと20勝。東京3勝、中山1勝に対して、京都4勝、阪神は12勝と、もはや“ローカル大将”とは呼ばせない成績を収めているのだ。
安易にローカル場所での勝利数を評価するよりも、吉田隼騎手が自らの“決心”で美浦から離れ、栗東でイチから信頼と実績を積み重ねた結果、関西騎手よりも多くの騎乗依頼を勝ち取るまでに成長した経緯は、もっと評価されて良いはずだ。
ご存知の通り、ソダシは栗東・須貝尚介厩舎の管理馬。こうした巡り合わせも、3年前の“決心”と、積み重ねた努力の賜物といえるだろう。
兄の吉田豊騎手が手綱を取り、あのメジロドーベルでオークス制覇を果たしたのは1997年。当時は中学2年生だった吉田隼騎手も、現在は37歳になった。
白馬に跨る王子様から王様へ。
奇跡の白毛馬ソダシに跨り、オークスで2冠を達成したその瞬間、プリンスからキングへと王位継承が認められ、吉田隼騎手は名実ともに、トップジョッキーの仲間入りを果たすはずだ。
(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。
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