JRA「完全飽和」ディープインパクト後継VS「背水の陣」キタサンブラック!? 今年の新種牡馬の評価と意外な期待値を公開!
■期待値
以上、今年の新種牡馬をまとめてみたが、この中から特に期待値の高い馬を独自の計算式で算出してみた。その方法は、当時の種付け料と種付け頭数の合計だ。もちろんシンジケートによる種付けもあるが、それを踏まえ、種付け頭数50頭以上の12頭の種牡馬の期待値を算出してみた。
計算式=種付け頭数×種付け料
1位 キタサンブラック 500万円(130頭)=65,000pt
2位 ドレフォン 300万円(207頭)=62,100pt
3位 ザファクター 200万円(166頭)=33,200pt
4位 イスラボニータ 150万円(170頭)=25,500pt
5位 アメリカンペイトリオット 150万円(154頭)=23,100pt
6位 シルバーステート 120万円(191頭)=22,920pt
7位 ビッグアーサー 100万円(164頭)=16,400pt
8位 コパノリッキー 80万円(194頭)=15,520pt
9位 サトノアラジン 100万円(118頭)=11,800pt
10位 ディーマジェスティ 100万円( 78頭)=7,800pt
11位 ロゴタイプ 80万円( 97頭)=7,760pt
12位 ラニ 50万円(118頭)=5,900pt
1位はキタサンブラックとなった。種付け頭数はドレフォンの方が多いが、種付け料はキタサンブラックの方が200万円高いので期待値は逆転する。
どの繁殖牝馬にどの種牡馬を種付けするかは、生産者や馬主の意向が大きく反映されるが、500万円を払ってでもキタサンブラックを選ぶか。300万円という手頃な価格でドレフォンを選ぶか、そのあたりの思惑も反映されていそうだ。面白いのは種付け頭数2位の194頭を付けたコパノリッキーと3位191頭のシルバーステート。ともに80万円と120万円という価格が種付け頭数を伸ばした要因ともいえ、結果的に期待値は8位と6位に下げている。
来年の日本ダービーまで約1年。この新種牡馬産駒がディープインパクトやロードカナロア、そしてエピファネイアなどのトップサイヤーとどんな争いを繰り広げるのか、非常に楽しみだ。(文=仙谷コウタ)
<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
JRA全G1制覇へ武豊「期待の大物」は米国年度代表馬の初年度産駒!? 松永幹夫調教師「すごく将来性を感じる」受け継がれた快速「ビリーヴの系譜」
JRA グランアレグリア、サリオス、サートゥルナーリア「早すぎデビュー」も今は昔……? 厩舎の「思惑」が渦巻く6月初旬の新馬戦に、出世間違いなしの“将来のスターホース”も出走!?
JRA岩田望来にのしかかる「武豊の代打」という重圧!? エプソムC(G3)アドマイヤビルゴ友道厩舎と急接近、同期のライバル追撃へ絶対に手に入れたい勲章
「16馬身差」圧勝スノーフォールが示した凱旋門賞攻略のカギ!? 英オークス(G1)ディープインパクト産駒では勝てないといわれた鬼門の克服は「氏より育ち」に光明?
JRA 川田将雅に「騎乗馬選択」の自由なし!? 帝王賞(G1)クリンチャーとの無敗コンビ解消の裏に、浮かび上がるのは主戦騎手の呪縛か