
JRA中堅厩舎に「77日」ぶり勝利を呼んだのは調教禁止処分効果!? ステルヴィオはじめとした実績馬や有力新馬たちの気になる行方
今年1月に公となった、木村哲也調教師による一連のパワハラ裁判。当時、所属騎手であった大塚海渡騎手に対し、暴行を加えたとして略式起訴された件で7月27日に一部の刑が確定。これにより、木村調教師が土浦簡易裁判所から罰金刑の略式命令を受けたことが分かった。
今回はあくまでも、一部の暴行行為についての判決。今後も裁判は続くことが予想されるなか、翌28日にはJRAから「木村調教師による馬の調教を停止する」という重罰が下された。
それと同時にJRAは、木村厩舎の管理馬は同じ美浦の岩戸孝樹厩舎へ転厩することも発表。67頭もの馬が転厩する異常事態について、木村哲也厩舎の公式ツイッターも「全管理馬が岩戸厩舎へ転厩することになりました」と発言。ツイートも暫く休む旨を伝えている。
こうした状況下で行われた7月31日の土曜競馬。朝一番でスタートした函館1Rの2歳未勝利戦では、コラリンが勝利。同馬こそ木村厩舎からの転厩馬であり、実は岩戸厩舎にとってこの勝利は、5月15日の東京2R未勝利戦をロンコーネで勝利して以来、なんと53戦ぶりの白星となった。
さらに同日午後のレース。函館8Rの八甲田山特別で10番人気ながら3着に入ったヴァリアーモも、木村厩舎からの転厩馬。岩戸厩舎の馬が1日に馬券圏内の1〜3着に2度も絡むケースは、前出の5月15日以来、実に77日ぶりの出来事だった。
そもそも岩戸厩舎を切り盛りする、岩戸孝樹調教師とはどんな人物か。
1985年に騎手デビューした岩戸調教師。騎手としてのJRA通算成績は、1909回の騎乗で83勝。同期には、今も現役として活躍する柴田善臣騎手がいる。
重賞勝利などの輝かしい成績を収めることなく、静かにムチを置いた2000年。16年間の現役生活を終えた後は、同年2月に調教師免許を取得。開業した岩戸厩舎は今年で20年目を迎える、関東では本間忍厩舎と同じキャリアを誇る中堅厩舎だ。
同厩舎の重賞初制覇は、フサイチアソートで勝利した2007年の東京スポーツ杯2歳S(G3)。翌08年の京王杯2歳S(G2)をゲットフルマークスで勝利した後の平地重賞勝ち馬はおらず、近年では2020年6月の東京ジャンプS(G3)をラヴアンドポップで制している程度。
前述の通り、今年5月15日から約2ヶ月半も未勝利が続くなど、どちらかといえば地味な岩戸厩舎に、突然やってきた木村厩舎からの転厩馬。まさに“寝耳に水”の事態であり、転厩馬67頭のなかには、まだまだ実力馬が数多くいる。
PICK UP
Ranking
5:30更新JRA「謎の主取り」ディープインパクト産駒「大盛況」も唯一の敗者……セレクトセール「平均2億円」ディープ特需に埋もれた“13番目の男”とは
JRA“6億円馬”ディナシー「セレクトセール最高落札馬は走らない」負の格言代表的存在が繁殖牝馬セールへ
アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- キタサンブラック産駒を超高価格で落札「謎の購買者」が2年連続で話題に? 昨年の落札馬は「有名オーナー」の名義に
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「庭先取引」の問題点を一変させたセレクトセール!億超え馬を落札する名物オーナーたちも登場…オープンでフェアな取引に多大な貢献【競馬クロニクル 第63回】
- JRA「6億円」の衝撃から3年、まさかの「名義変更」から2カ月。アドマイヤが“北の大地”で存在感を示す!
- JRAも「G1同日開催」を増やすべき? 香港春競馬「大変革」に日本競馬の進化を求める声も……
関連記事
C.ルメール「働き方改革」でJRA全10場重賞制覇に王手! 武豊ら過去6人が達成した「偉業、シーズンオフなしの日本競馬界の働き方に一石を投じるか?
かつての「最強世代」筆頭候補が転落一途の波乱万丈!? 低迷続いた「21連敗」から3年ぶりの美酒、憧れ舞台ダービーと同じ距離でスランプに終止符!
JRA C.ルメール完璧エスコートで「夏休みバッシング」封印!? 人馬揃って“休み明け”コンビが秋G1に名乗り、「ルメさんにやられた」マジックキャッスル惜敗に国枝師も脱帽
有馬記念後のホープフルS「1年で復活」に大ブーイング!? ファンの声が届いたわけではなかった昨年の特殊事情と、JRAが避けたい「約62億円」の損失
凱旋門賞(G1)にまたも「新星」出現! 世界女王スノーフォール&ラブと激突か……「去年よりも強くなっている」未完の大器が4連勝でいよいよ本格化