競馬のバイブルここにあり!鈴木和幸氏が競馬記者歴45年の知識を開放する。鈴木和幸の競馬解説~調教編~
(3)調教コースの見方
調教欄には調教時計を出したトレセン名、あるいは競馬場名とそのコースが掲載される。ふだん競走馬は美浦トレセンか栗東トレセンのいずれかにいるが、口一力ル開催の場合は競馬場内の仮厩舎に滞在し、その競馬場のコースで調教される。調教時計や脚色から馬の調子を判断するために、各調教コースの特徴を知っておこう。
~調教コースの種類を知る~
■さまざまな調教コース
トレセンには複数の調教コースがあり馬の状態や目標とするレースによって使い分けられている。美浦・栗東ともに坂路、ウッドチップ、ニューポリトラックの人気が高く、ダートの使用頻度は減少傾向にある。また両トレセンともに調教用のプールが設けられている。
■坂路コース
上り勾配がついた調教馬場。1985年、栗東トレセンに最初に導入された。導入後、栗東で調教された馬(関西馬)が美浦で調教された馬(関東馬)の年間勝利数を上回るようになり、現在までつづく西高東低の最大の原因と目される。現在は美浦トレセンにも導入され、活用されている。
■ダートコース
時計はかかるが、芝に比べるとはるかに路盤が柔らかい。そのため、脚部への負担をやわらげたい場合やパワーアップのために選択することが多い。
■芝コース
路盤が硬く、脚部への負担が大きいと考えられるため、使用頻度はあまり高くない。芝の新馬戦や初めて芝のレースに出走する馬の場合に、実戦を想定した調教で使われる。芝コースで行われる調教を本馬場調教という。
■ウッドチップコース(CW)
ダートコースの上に細かく砕いた木片(ウッドチップ)を敷きつめたコース。木片がクッションとなって、ダートよリもさらに脚への負担を軽減することができる。特にダートの場合、重馬場になるとしまって硬くなり、時計が速くなる。その分だけ馬の脚にかかる負担が増してしまう。しかし、ウッドチップコースは雨が降っても砂ほどしまらず、水を含んでも柔らかさを保つことができる。競馬新聞ではWCと省略されることが多い。
■ニューポリトラックコース
美浦南のCコース、栗東Cコースは内側が芝で、外側がニューポリトラックコースとなっている。路面に透水シートを敷き、その上に電線被覆材、ポリエステル不織布、ポリウレタン繊維、硅砂、ワックスなどを混合した排水性の高い素材を敷き詰めたコースとなっている。なお、美浦と栗東では多少構造が異なる。降雨による馬場の悪化や走行時のキックバックが少ない。クッション性、グリップ力が高いため、走りやすく滑りにくい。オールウェザー、全天候馬場ともいわれる。
■プール
脚部に負担をかけずに全身運動を行うことができる。馬体を絞り、心肺機能を高める効果が期待できるので、特に脚部不安のある馬には好都合だ。リフレッシュ目的で使用する場合もある。馬場で時計を出す日はプール調教を行わないのが普通だ。
以上、まずは競馬の中でもわかりにくい「調教」の基礎について触れた。次回以降はより実戦的な調教を予想にどう応用していくか解説していきたい。
なお鈴木和幸氏の予想はこちらのサイトで見ることができるのでぜひ参考にしてもらいたい。また今回このサイトに無料登録すると抽選で鈴木氏の直筆サイン入り著書「競馬の教科書」をプレゼントされるキャンペーンもあるとのこと。ぜひチェックしていただきたい。
●競馬評論家・鈴木和幸
競馬記者歴45年、競馬評論家。ダービーニュース時代には、TBSのテレビ番組「銀座ナイトナイト」にダービー仮面として出演。メインレース予想7週連続的中の記録を作った。日刊現代では、本紙予想を20余年にわたって担当。58年にその日の全レースを的中させるパーフェクト予想を本誌予想として初めて達成。日刊・夕刊紙の本紙予想では初の快挙。
著書に「競馬ハンドブック」「競馬・勝つ考え方」「競馬新聞の見方がわかる本」「まるごとわかる 競馬の事典」「勝ち馬がわかる競馬の教科書」(共に池田書店刊)「競馬◎はこう打つ」(日本文芸社刊)「距離別・コース別・競馬場別 勝ち馬徹底研究」(ぱる出版刊)「図解競馬の参考書」(宝島)など多数。「勝ち馬がわかる競馬の教科書」は競馬書籍としては快挙とも呼べる、約7万部を発行している。
※この記事はPR記事です。
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