JRA【キーンランドC(G3)展望】「ご満悦」武豊と「真面目過ぎる」メイケイエールが試金石! 負けなし1200m戦でレイハリアと一騎打ちか
29日、札幌競馬場ではキーンランドC(G3)が行われる。最大の注目は約1年ぶりのスプリント戦に臨むメイケイエール(牝3歳、栗東・武英智厩舎)だろう。
記憶に新しい前走の桜花賞(G1)。代打・横山典弘騎手を背に、スタートで出遅れ後方からの競馬を強いられた。そして陣営が懸念した掛かり癖がやはり露呈してしまう。
向正面で馬群を縫うように先行集団に詰め寄っていき、途中ソングラインに致命的な不利を与えるなど大迷惑をかけたメイケイエール。3角で先頭に立つと、直線を向いたときにはすでに余力はなく、最下位18着に惨敗した。
その桜花賞でハミ受け不良とみなされたメイケイエールは、平地調教再審査を課されたが、今月19日に武豊騎手を背に無事合格。キーンランドC出走にゴーサインが出た。
久々に同馬に跨がった武騎手は「落ち着いていた。動きもいいし、さすがというフットワークだった」とご満悦。掛かり癖がありながら重賞を3勝したポテンシャルの持ち主が、初の古馬相手にどんな競馬を見せてくれるか。
「そのレースぶりから、気性難と言われているメイケイエールですが、武英調教師は常々『気性は本当にいい』と話しています。この馬が行きたがるのはレースだけで『(レースで)前にいる馬を全部抜かすのが、自分の仕事だと思っているようで……』と話している通り、やんちゃというよりは真面目過ぎるのが実情のようです」(競馬誌ライター)
これまで2戦2勝と負けがない1200m戦、ペースが上がれば必然と折り合いも付きやすくなるだろう。それでも鞍上の武騎手は、逃げるか追い込むかの極端な競馬を示唆している。その手綱捌きに注目が集まりそうだ。
メイケイエールと同じ3歳牝馬のレイハリア(牝3歳、美浦・田島俊明厩舎)は3連勝と波に乗る。
未勝利戦を勝ち上がったのは、今年の3月14日。メイケイエールがチューリップ賞(G2)を同着1着で制した翌週のことだった。その後、雪うさぎ賞(1勝クラス)を勝つと、葵S(重賞)は13番人気ながら、最後の直線でヨカヨカをハナ差しのいで金星を挙げた。
前半33秒2のハイペースで、先行した馬が軒並み掲示板を外すなか、2番手追走から粘り込んだことは評価すべきだろう。こちらも古馬とは初対戦となるが、斤量差を生かして大仕事をやってのける可能性は十分ありそうだ。
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