JRA馬主との「確執」は起こるべくして起きた!? “音信不通”の調教師に撤退を決断、影を落としたパワハラカフェイン疑惑の余波

関係者の間でも紛らわしいと話題になっているのが、調教停止による暫定的な転厩馬の扱い。前回も触れた調教停止期間中の転厩馬の問題だ。
手塚貴久厩舎は、昨年11月に管理馬から禁止薬物が検出された件で調教停止処分を受けた大竹正博厩舎の管理馬を一時的に預かっていた。岩戸孝樹厩舎は10月31日まで、パワハラ疑惑で罰金刑の略式命令を受けた木村哲也調教師の管理馬を預かる。
その間、同じ厩舎でも手塚と手塚(大竹)、岩戸と岩戸(木村)のように、いずれは所属の厩舎に戻る馬が混在する。そのため、賞金や次走についての所在が分かりにくくなっていた。
手塚(大竹)組は、先月23日までの調教停止期間を終えて大竹厩舎に復帰。これでひとまずは元通りだったのだが、そんな状況下でやはり事件は起きていた。
「JRAから厩舎スタッフへの連絡や指示は当然ながら一切の禁止、そして馬主への報告なども行なってはいけないというお達し。そのため、馬主からの連絡や電話などにも全く応じず、“音信不通”の状態となった大竹師でしたが、ある馬主がこれに納得がいかず、撤退を決定しました。
今のところ同馬主の父の方はそのまま預けていますが、今後はどうなるか分かりませんね。これからは今まで通りの業務が可能ですが、他の馬主へ何らかの悪影響が波及する可能性はあるかもしれません」(競馬記者)
JRAの指示に従った大竹師だが、今回の一件で両者の関係に影を落とす結果となってしまった。
また、木村厩舎の管理馬は岩戸(木村)として毎週のように活躍しているが、ここでも大きくないとはいえ、問題が起きていたようだ。
「騎手は騎乗依頼を受けたり、勝った時には厩舎スタッフや調教師宛に缶コーヒーやジュースを送るのが慣例なのですが、どうやら岩戸厩舎の方にたくさん届いているようなんです。
岩戸厩舎としての出走とはいえ、実際のところは調教から出走に至るまで全て木村厩舎のスタッフが行なっている訳です。スタッフを労う意味なら木村厩舎に送るべきですが、この件に疎い人などは岩戸厩舎に送ったみたいですね」(同)
関係者の噂によると、中には岩戸師に連絡して「騎乗依頼ありがとうございます。どんな馬でどういう競馬をすればいいですか?」なんて聞く騎手もいたそう。
岩戸師も困惑しながらも事情を説明したようだが、9月に入り秋競馬も本格的に始まるシーズン。有力馬を多く抱える岩戸(木村)組は、今後も至るところで混乱を巻き起こすかもしれない。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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