JRA「ダービーを狙える」と惚れ込んだ福永祐一に先見の明! ドゥラメンテ逝去の裏で新たな光明、“幻の最強馬”が証明したポテンシャルの高さ
先月31日夜、2015年の皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)を制し、同年のJRA賞最優秀3歳牡馬に輝いたドゥラメンテがこの世を去ったことは、競馬界にとって大きな損失だった。
現役引退後は北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送っていたドゥラメンテだ。死因は急性大腸炎ということだが、9歳という若さで生涯を終えてしまったのは、あまりにも惜しいと言わざるを得ない。
種牡馬デビュー初年となった昨年はこのドゥラメンテとモーリスが、次代を担う最右翼として高い評価を受けていた。期待が大き過ぎるが故に、物足りない印象もあったものの、2年目の今年は2頭とも順調に勝ち星を伸ばしている。
一時代を築いたディープインパクト、キングカメハメハといった双璧を失った中、今年も繰り広げられている混沌の2歳リーディング争い。先週の開催を終えた現在、トップ3に入っているのは9勝のロードカナロア、8勝で並ぶドゥラメンテ、シルバーステートの3頭だ。
中でも特筆すべきはシルバーステートの活躍だろう。ロードカナロア、ドゥラメンテは社台スタリオンステーションに対し、こちらは優駿スタリオンステーション。最大勢力を誇るライバルに繁殖牝馬の質で見劣りながらも互角以上に健闘を見せた。
シルバーステートの説明に欠かせないのは、やはり現役時代に同馬の手綱を取った福永祐一騎手である。デビュー前の追い切りに騎乗した際、「ダービーを狙える馬が出てきた」というコメントするほどの衝撃を受けたというエピソードは、競馬ファンなら一度は耳にしたことがあるかもしれない。
デビュー戦こそ後にヴィクトリアマイル(G1)を勝つアドマイヤリードの2着に敗れたシルバーステートだが、2戦目の未勝利から破竹の4連勝。3歳時には故障による休養もあった中、本格化の予兆を感じさせた4歳時には他馬を寄せ付けない圧倒的な走りを披露する。
しかし、秋の始動戦に定めた毎日王冠(G2)を前に、屈腱炎の発症が判明。当初は現役続行も視野に入っていたが、復帰が長引くことを考慮した結果、現役を引退。種牡馬入りの運びとなった。
その一方で、過去にも競走馬としての実績は乏しくとも血統的な背景から種牡馬入りする例はあったものの、「G1級」の素質の片鱗こそ見せていたシルバーステートもまた、種牡馬としては未知数でもあった。
だが、6月13日の中京でメリトクラシーが産駒として初勝利を挙げると、以降も順調に勝ち星を増やし、タミオスターが勝利した先週の新潟未勝利で8勝目。この中には武豊騎手が素質を高く評価したロンも出た。
そこで改めて驚かされるのは福永騎手の“先見の明”である。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
JRA 福永祐一「ええ素材や」G1・7勝馬の娘が小倉競馬「最速」の上がりタイムで快勝。秋華賞(G1)最大の惑星はクロノジェネシスとも共通点?
JRA武豊でも、川田将雅でも、福永祐一でもダメ……大塚亮一オーナー「3.6億円馬」ザレストノーウェア「最後の未勝利戦」でも見せ場なし
JRA 福永祐一「まだ本当の脚ではない」チーム・シャフリヤールが新馬戦快勝! 米G1でゼニヤッタの2着「名牝」ファミリーから、ついに「本物」が登場か
JRA川田将雅へ「金言」も福永祐一に壮大なブーメラン!?「安易に逃げてはいけない」痛恨の“黒歴史”に刻まれた、もう1つの「選択ミス」
JRA福永祐一「ルメール&川田将雅」襲来で“記録”霧散……年始から34週継続も、浮き彫りになったノーザンファーム「3番手グループ」という現実