JRA武豊超えが“確実視”されるアノ騎手の複勝率は驚異の8割超え!「ミッキーアイルは悪くない」コンビが生み出す次の物語に期待!!
今週末の競馬は、18・19・20日の3日間開催を予定。19日には3歳牝馬クラシック最後の関門・秋華賞(G1)への出走権を懸けたローズS(G2)が行われる。
同重賞は16日に抽選が行われ、フルゲート18頭の出走馬が確定。注目したいのが抽選を突破したレアシャンパーニュ(牝3歳、栗東・音無秀孝厩舎)で、今回は厩舎所属の松若風馬騎手から、浜中俊騎手への乗り替わりで挑む一戦となる。
実は浜中騎手と音無厩舎の今年1月からのコンビ成績は、なんと8割以上も馬券に絡んでいる。過去11戦で1着2回、2着4回、3着3回と、4着以下はわずか2回だけ。勝率18.2%、連対率54.5%のほか、複勝率は驚異の81.8%を記録している。
過去11戦のうち8戦は、同厩舎の管理馬ピノクルと浜中騎手でマークした成績だが、ほかにも2月27日の帆柱山特別では、9番人気ジョニーズララバイで3着と好走。6月12日の清洲Sを1番人気イメルで制して3勝クラスを突破するなどコンビの相性は抜群。
抽選突破してローズSに出走が決定したレアシャンパーニュにも、当然ながら馬券に絡む……つまりは優先出走権を確保する活躍が期待される。
同馬を管理する音無調教師は、先週12日の中京10Rをエンプティチェアで勝利してJRA通算900勝のメモリアル勝利を達成したばかり。現役調教師では藤沢和雄師、国枝栄師に次ぐ3位の勝利数を誇る“名伯楽”は、この3日間開催でも昨年の菊花賞(G1)2着馬アリストテレスの半弟ソクラテスや、G1を2勝したインディチャンプの半妹ラキエータをターフに送り出す。
一方でデビュー15年目の浜中俊騎手は、先週の開催を終えてJRA通算9982戦1079勝を記録。1万回騎乗まで残り18鞍とわずかで、3日間ともに中京で騎乗予定の同騎手は計10鞍に騎乗予定。今週末の1万回騎乗達成はならないが、落馬などのアクシデントがなければ、次開催にも1万回騎乗達成が濃厚だろう。
今年9月までの浜中騎手の年齢は「32歳8ヶ月」で、9月中に1万回騎乗を達成すれば、年少達成ランキングで現在3位の武豊騎手の「32歳11ヶ月」を超えることになる。今月中にも武豊騎手を抜き去ることは、ほぼ確実といえる状況だ。
音無師と浜中騎手のコンビといえば、ミッキーアイルを連想するファンも多いだろう。
同馬は2016年のマイルCS(G1)で優勝も、最後の直線で斜行。レース後、手綱を握った浜中騎手はG1制覇にもかかわらず顔面蒼白だった。また同馬を送り出した音無師は「迷惑をかけて申し訳ないです」と頭を下げるなど、審議となるも着順の変更はなく、後味の悪いG1レースとなってしまった。
しかし2人に共通した思いは「ミッキーアイルは何一つ悪くない」という点。複雑な思いが交錯した当時から現在まで、2人の間には他人には到底知り得ないような、特別な感情も芽生えているはずだ。
現役3位の勝利数を誇る名トレーナーと、様々な経験を積んで1万回騎乗にたどり着くジョッキーのコンビ。果たして今回のローズSでは、競馬ファンにどんなドラマを見せてくれるだろうか。通算900勝や1万回にも及ぶ騎乗のなかで、数々の栄光や挫折を経験したコンビが生み出す新たな“物語”に期待したい。
(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。
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