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セントライト記念&ローズSもノーザンファーム祭り? オーソクレース、アールドヴィーヴルら全出走馬診断で見つけた意外な穴馬とは


■セントライト記念

オーソクレース
父:エピファネイア
母:マリアライト
母父:ディープインパクト
馬主:キャロットファーム
厩舎:久保田貴士
騎手:C.ルメール

 募集額8000万円の高額馬。父と母はキャロットファームが所有していたG1馬で期待は当然大きい。問題は昨年暮れのホープフルS(G1)以来というローテーション。実績が示すように素質はありのものだが、2週連続で追い切りは相手馬に遅れている。賞金的には菊花賞の出走は問題なさそうなので、休み明けを考えれば軽視していい存在。


グラティアス
父:ハーツクライ
母:マラコスタムブラダ
母父:Lizard Island
馬主:スリーエイチレーシング
厩舎:加藤征弘
騎手:松山弘平

 2019年のセレクトセールにて2億3000万円で落札された馬。デビューから2連勝で京成杯(G3)を制したが、皐月賞6着、日本ダービー8着とG1では足りず。賞金的に菊花賞の出走は大丈夫なので、ここで目一杯の仕上げは考えにくい。姉レシステンシアは先週のセントウルSを快勝と追い風はあるが。


ルペルカーリア
父:モーリス
母:シーザリオ
母父:スペシャルウィーク
馬主:キャロットファーム
厩舎:友道康夫
騎手:福永祐一

 キャロットファームで募集額1億2000万円。兄がエピファネイア、サートゥルナーリアならば当然の評価か。京都新聞杯(G2)で2着となったが、日本ダービーを回避してここにかけてきた。福永騎手は「硬い馬場が得意な血統ではない」と語っており、パンパンの良馬場よりは雨で多少柔らかくなった方がいい。賞金的に3着以内で権利を取りたいが、目標にされる展開もマイナスか。


レッドヴェロシティ
父:ワールドエース
母:トップモーション
母父:シンボリクリスエス
馬主:東京ホースレーシング
厩舎:岩戸孝樹
騎手:M.デムーロ

 2018年のセレクトセールにて2700万円で落札され、クラブでは3600万円で募集された珍しいワールドエース産駒。青葉賞(G2)3着の実績はあるが、今回の方がはるかに強力メンバー。とはいえ今回のノーザンファーム生産馬で唯一菊花賞の出走が賞金的に厳しい馬。ゆえに勝負気配は高く穴に一考。


ヴィクティファルス
父:ハーツクライ
母:ヴィルジニア
母父:Galileo
馬主:G1レーシング
厩舎:池添学
騎手:池添謙一

 3600万円で募集されたクラブ馬でスプリングS(G2)の勝ち馬。ただしそのスプリングSで負かした相手で、その後オープンを勝利した馬はゼロ。相手に恵まれた感も。開幕2週目の馬場を考えると、外を回る乗り方だと届かなそう。得意の中山でも割引が必要だ。


1番手 ルペルカーリア
2番手 レッドヴェロシティ
3番手 オーソクレース
4番手 グラティアス
5番手 ヴィクティファルス

 オーソクレース、ヴィクティファルス、グラティアスの3頭は菊花賞の出走が賞金的にクリアできており、休み明けを考えると本番に向けた叩きの意味合いが大きい。一方でルペルカーリアとレッドヴェロシティは、ここで権利を取らなければ菊花賞の出走は抽選対象になる可能性が高い。特にルペルカーリアは募集額1億2000万円で、とりあえず菊花賞に出走すれば面目躍如といったところ。そういった思惑も加味すれば、同馬を1番手に評価したくなる。レッドヴェロシティは2勝目が今回と同じ中山芝2200m。得意条件でミルコが騎乗となれば、面白い存在となるはずだ。

(文=仙谷コウタ)

<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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