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ムーヴザワールドが共同通信杯(G3)から始動で混迷の牡馬3歳界に覇を唱えるか! タッチングスピーチ全弟の不安点は鞍上のスイッチ?

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mu-vuzawa-rudo.jpgムーヴザワールド(JBISサーチ公式サイトより)

 先週のきさらぎ賞では、単勝1.4倍の断然人気の推されたサトノアーサーが敗北。以前から現3歳牡馬路線は不作と言われてきたが、2月を過ぎた現時点でもクラシック当確級と言えるほどの素質馬は出てきていない。最も信頼できそうなホープフルS優勝馬レイデオロも、トライアルを経由せず「皐月賞直行」という異例のローテが発表されており、依然として確たる主役不在の混戦模様を呈している。

 混迷極まる情勢のなか、今週末に開催されるのは、現代クラシック路線において年々存在感を増している共同通信杯(G3)だ。2012年にゴールドシップがここを制して以来、2014年イスラボニータ、2015年ドゥラメンテ、2016年ディーマジェスティと、5年で4頭の皐月賞馬を送り出すなど、近年はトライアルの弥生賞・スプリングS以上に直結度が高い。

 今年も、東京新聞杯で1番人気に推されたエアスピネルの全弟エアウィンザーをはじめ、スワーヴリチャード、タイセイスターリーなど、関西の有力馬がここにスタンバイ。そんななか、2015年のローズS優勝馬タッチングスピーチの全弟であるムーヴザワールド(牡3 栗東・石坂正厩舎)も、満を持して出走してきた。同馬の可能性を探るために、前走・東スポ杯2歳Sの内容を振り返ろう。

 1戦1勝のキャリアながら、血統背景や前述のエアウィンザーを下した新馬戦の内容から、1番人気の評価を受けた前走。レースは序盤から好スタートを切ったトラストとマイネルエパティカが軽快に飛ばし、2頭が3番手以下を大きく突き放す縦長の隊列。ムーヴザワールド自身は1枠1番からスタートすると、馬群後ろ寄りのポジションでじっくり脚を溜める競馬に徹した。

 3~4コーナーで徐々に馬群が凝縮し、直線を向いたところで後続各馬が一斉にスパート。トラストが馬場の5分どころで懸命な粘りを見せるなか、まずスワーヴリチャードが見せ場を作る。早め先頭に立ったところで、そのまま押し切るかと見られたが、少しスパートを遅らせたブレスジャーニーとムーヴザワールドが猛追を仕掛けた。

 最後は3頭による追い比べとなり、結果的にブレスジャーニーが1着。ムーヴザワールドとスワーヴリチャードはきわどい勝負になったが、最終的に2着スワーヴ、3着ムーヴの順番で決着している。

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