競馬のバイブルここにあり!鈴木和幸氏が競馬記者歴45年の知識を開放する。鈴木和幸の競馬解説~調教編その2~
(5)調教パターンを見抜く
調教欄を見るときは、馬券に絡んだときの調教パターンが参考になる。もちろん、調教は馬の体調に合わせて行われ、目標とするレースによっても変わってくる。だが、好走したときとなにが同じで、なにが変わったのかに気付くだけでもその馬の特徴や調子を見抜<ヒントになる。
~いつ追い切ったかを確認する~
■追い切り
レースに向けて時計をとって行う調教のこと。レースに備えて馬の状態を最高に持っていくための仕上げの調教を”最終追い切り”といい、 “レースの直前の水曜日または木曜日の朝に行うのが普通”。
■日にち
調教時計を出した日付。その数によってレースとレースの間に何本の時計を出したかがわかる。また、”近走成績欄の前走の日付と合わせれば、前回のレースからどのくらいの間隔をあけて、最初の調教時計を出したかがわかる”。前走の最終追い切りの日付が示されていない新聞もあるが、その場合はレース直前の水曜か木曜と考えられる。
■金曜追い
なんらかの理由で水曜か木曜に最終追い切りができなかったり、満足のいく追い切りができなかった馬が、金曜日にもう一度追い切りを 行うこと。追い切り後の微調整として行われることもある。
■朝追い
最終追い切りをすませた後、さらに金曜日か土曜日の朝に軽く流す程度の追い切りを行うこと。
■日曜追い
翌週のレースに出走する馬が日曜日に追い切りを行うこと。最終追い切りではないが、ある程度の負荷をかけて時計をとる。
■当日追い
レース当日の朝、脚ならし程度に軽く走らせること。競馬新聞で確認することはできない。
~気をつけたい調教パターン~
〇中1週で出走するために時計を出していない
前走との間隔が2週間、つまり中1週のローテーションなら、レース間隔が詰まっているので、中間に時計を1本も出していなくても間題はない。
△中2週で出走するのに時計を出していない
前走から3週間開けてレースに臨むには、最低でも1 本は時計を出す必要がある。それ以上間隔があく場合は2~3本は出すのが普通。間隔があいているわりに時計の本数が少ない場合は、時計を出したくても出せない理由があると疑うべき。たとえば”前走の疲れが抜けない、飼い葉を食べない、レース後に体調を崩した”などが考えられる。
〇前走から1週間後に時計を出した
レースに出走することは競走馬にとって大きな負担となるため、レース後にガクッと体調を崩す馬もいる。しかし、”体調がよければ疲労は速やかに回復し、レースの1週間後には時計が出せる状態になる”。つまり、次のレースに向けて臨戦態勢に入ったことがわかる。
〇調教に騎手が騎乗する
騎手でも助手でも調教内容に差はないが、レースで騎乗する騎手が調教をつけることには陣営の意気込みが感じられる。”乗り替わる騎手が、馬のクセなどを知るために騎乗することもある”。ただし、現役騎手は体重が軽いので、体格のいい助手が騎乗したときよりも速い時計が出る傾向がある。最終追い切りに騎手が騎乗するとレースが近いと察知してテンションが上がる馬は、助手が騎乗して追い切る。
以上、前回に続き「調教」の基本となる項目について紹介した。次回は「調教時計の見方・坂路調教のツボ」といった重要なポイントを解説する。
なお鈴木和幸氏の最新予想はこちらのサイトで見ることができるのでぜひ参考にしてもらいたい。また今回このサイトに無料登録すると抽選で鈴木氏の直筆サイン入り著書「競馬の教科書」をプレゼントされるキャンペーンもあるとのこと。もっと競馬を深く知りたいという方にオススメのこの本。こちらもぜひチェックしていただきたい。
●競馬評論家・鈴木和幸
競馬記者歴45年、競馬評論家。ダービーニュース時代には、TBSのテレビ番組「銀座ナイトナイト」にダービー仮面として出演。メインレース予想7週連続的中の記録を作った。日刊現代では、本紙予想を20余年にわたって担当。58年にその日の全レースを的中させるパーフェクト予想を本誌予想として初めて達成。日刊・夕刊紙の本紙予想では初の快挙。
著書に「競馬ハンドブック」「競馬・勝つ考え方」「競馬新聞の見方がわかる本」「まるごとわかる 競馬の事典」「勝ち馬がわかる競馬の教科書」(共に池田書店刊)「競馬◎はこう打つ」(日本文芸社刊)「距離別・コース別・競馬場別 勝ち馬徹底研究」(ぱる出版刊)「図解競馬の参考書」(宝島)など多数。「勝ち馬がわかる競馬の教科書」は競馬書籍としては快挙とも呼べる、約7万部を発行している。
※この記事はPR記事です。
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