ちょっとした珍名馬ブームが到来!? ウナギノボリ小田切オーナーも顔負けの馬名からアナウンサー泣かせの馬名、捻りを加えた「意味深」ネームまで盛りだくさん

1戦1勝のウナギノボリが9日(土)、東京競馬場で行われるサウジアラビアRC(G3)に出走する。2歳戦屈指の“出世レース”を勝てば、その評価は馬名の通り“鰻上り”になることはまず間違いないだろう。
一風変わったこの馬名。オーナーは「珍名馬」で有名な小田切有一氏だ。ウナギノボリの半兄も同じく珍名で知られたビックリシタナモー。兄の方はダート路線でオープンクラスまで上り詰めた実力馬で、たびたび人気薄で馬券に絡み、その都度ファンを驚かせた。
小田切オーナーは、他にも粘り強さが持ち味だったモチや、逃走劇で初勝利を挙げたオマワリサンなど、長きにわたって多くの“ネタ”を提供してくれている。そんな小田切オーナーに代表される珍名馬。引退した馬も含めて、文字数が許す限り紹介していこう。
「アイアム」の冠名でおなじみの堀紘一オーナーも最近は珍名馬の比率が増えている。堀氏の代表所有馬は、アグネスタキオン産駒のアイアムカミノマゴだろう。名前にもインパクトがあったが、10年の阪神牝馬S(G2)を制するなど、実力も伴っていた。現役ではアイアムピッカピカやアイアムスゴスギルなど“クセの強い”馬名が目立つ。
今年9月の初風S(3勝クラス)に出走したアイアムハヤスギル。そのスピードを如何なく発揮して勝利。見事にオープン入りを決めた。この時、接戦を演じて2着だったのがオヌシナニモノだ。珍名2頭の馬名が連呼されたゴール前の実況には、「会話が成立していたよね」とファンの間で話題となった。
ここまで挙がった馬名はパッと見て「珍名」とわかるものがほとんど。しかし、最近の珍名馬の命名パターンは多様化しているようだ。
地方で目立つのがアナウンサー泣かせの馬名である。大井競馬で昨年末にデビューしたスモモモモモモモモ。実況アナが「モ」を正しく8回言えているかどうか確認するファンも登場するなど話題を振りまいた。
他には、ナナナナナイロとママママカロニも大井競馬に所属する現役馬。どちらもオーナーはPerfumeのファンという山口裕介氏である。ママママカロニはその馬名だけでなく、デビューから3連勝中と、その実力も確か。今後さらにその名を広めていくだろう。
珍名以上に実況で注目を浴びたのがナオミニデレデレヤだ。妻の名「ナオミ」を冠名にしている塩澤正樹オーナーが愛情を込めて名付けたという。そのユニークな馬名もさることながら、先月の新馬戦でラジオNIKKEIの山本直アナが発した関西弁のアクセントは大きな反響を呼んだ。
また、昨今のペットブームに乗じてか、ネコ絡みの馬名も増えている。かつては桐谷茂オーナーのネコパンチやネコキックが有名だったが……。
先週末の2歳新馬戦に登場したのがネコニャンニャン。こちらはオーナーの加藤正二郎氏が鞍上にC.ルメール騎手を確保し、1番人気に支持されたが、残念ながら4着に敗れた。
一方、先月の2歳新馬戦でデビューVを飾ったのがオニャンコポンという馬。ただし馬名の由来はネコではなく、アカン語で「偉大な者」という意味。ペルシャ語で「偉大な王」という意味を持つシャフリヤールのように名前負けしない活躍が期待される。
他には、現在、南関東の川崎に所属するニャンニャンも愛猫家にはたまらない愛らしい馬名だ。オーナーの大田恭充氏は、所有馬にひと捻り加えた馬名を名付けることでも知られている。
先月話題になったのが、ゴルフ用語が由来というロストボール。「ラフなどに打ち込まれ見当たらなくなったボール」を意味するのだが、デビュー前の2歳馬としては珍しいセン馬ということもあって、一部のファンからある種の“憶測”を呼んだ。
大田氏は、他にも名古屋弁で「とても美人」という意味のデラベッピン、「魔法の鏡」という意味のマジックミラーという姉弟を所有。本来の意味通りなら、響きはいいのだが……。気になる人にはハッとするネーミングセンスかもしれない。
そんな大田オーナーの2歳馬で気になるのがデビュー前のメッチャサス。昨年の凱旋門賞勝ち馬ソットサスが由来とみられるが、すごい末脚の持ち主なのは間違いないはずだ。
今回採り上げた馬以外にも、まだまだ変わった馬名の馬はいるのだが、それはまた次回の機会にでも……。かつてはその意味通り“レア”な存在だった珍名馬。今後も増加傾向が続けば、近い将来とんでもない馬名の名馬が誕生する日が来るかもしれない。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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