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JRA「爆穴ジョッキー」三浦皇成の同期が半年ぶりにカムバック!

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 16日の東京開催で、半年ぶりにターフに帰ってくるジョッキーがいる。今年4月の中山での障害戦で落馬負傷後、首の骨を折るなどの大怪我を乗り越えてカムバックする伊藤工真騎手だ。

 伊藤騎手は同日5Rの新馬戦に騎乗するほか、6Rではティケイプルメリアに騎乗。同馬は昨年の神戸新聞杯(G2)で14番人気ながら3着に入り、菊花賞(G1)の優先出走権を獲得して話題を集めたロバートソンキーを管理する林徹厩舎の馬。復帰を心待ちにしていた林師からの騎乗機会を得てリスタートする。

 騎手生活14年目で一番の大怪我を負った伊藤騎手は、あの三浦皇成騎手と同期の間柄。2008年デビュー以来の年間勝利数を振り返れば、その「苦労人」ぶりが垣間見える。

 ルーキーイヤーは三浦騎手が勝ち星を量産するなか、伊藤騎手は1勝止まり。しかし2年目の09年は23勝と頭角を現し、10年に出場機会を得た第24回全日本新人王争覇戦で優勝。同時出場した三浦騎手を退けて「新人王」の称号を手にした。

 ところが翌11年は5勝止まり。12年から15年は2桁勝利をマークするも、16年以降は再び勝利数は1桁となり、通算100勝を達成したのはデビュー11年目の18年。その勝利も、通算99勝から実に9ヶ月ぶりとなる白星だった。ちなみに三浦騎手のデビュー100勝到達は、09年の2月。武豊騎手が持っていた従来の最速記録から、約2ヶ月早い記録達成だった。

 勝利には恵まれないものの、伊藤騎手の騎乗はその「爆穴男」ぶりで注目を集めるケースも多い。

 騎乗数が少ないことで、それほど知られていない面があるものの、人気薄の馬を馬券圏内に持ってくる傾向が目立つ同騎手は、今年1月のカーバンクルSで15番人気エレナアヴァンティを3着に導き、複勝2570円の高配当を演出。

 特に昨年は5月に14番人気ウラワザテクニックに騎乗して3着。続く6月も13番人気ラッキービープランで2着、さらに7月には15番人気パリテソーロを2着に導くなど、3ヶ月連続で10番人気以下の「穴馬」を馬券圏内に導く騎乗を披露。

 これらの隠れた活躍は、同年9月27日、冒頭のロバートソンキーで穴をあけた神戸新聞杯の”予兆”だったのかもしれない。

 一部の競馬ファンからは「伊藤工務店」などという愛称で呼ばれている伊藤騎手。半年ぶりに復帰を果たす勇気を讃えるのはもちろん、まずは当日無事に騎乗を終えることを願いながら応援したい。

(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

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