
JRA 武豊、平地G1「完全制覇」は今年か!? 「今後が楽しみ」ブログでも絶賛した“将来有望”2歳馬がスタンバイ!
先月25日に行われた野路菊S(OP)を制したロン(牝2歳、栗東・石橋守厩舎)が、12月に阪神競馬場で行われる阪神JF (G1)を次走に予定していることが明らかになった。
新種牡馬シルバーステート産駒でもあるロンは、前走の中京芝2000m戦を、直線で後続を4馬身差突き放して圧勝。勝ち時計も2歳コースレコードの1分59秒8というオマケ付きで、今後の動向が注目されていた。
また、同馬は新馬戦・野路菊Sの2戦を武豊騎手が続けて騎乗したお気に入り。JRA通算4297勝のベテランは「いい競馬でしたよ。今後が楽しみですね」と、レコード勝ちをおさめた前走を振り返っている。
そんなロンの主戦である武騎手だが、本望は阪神JFの翌週に同舞台で行われる朝日杯FS
(G1)またはホープフルS(G1)を次走に選んで欲しかったという気持ちもあったかもしれない。
「武騎手は朝日杯FSとホープフルSを勝利すれば、中央競馬平地G1完全制覇を達成することになります」(競馬ライター)
35年目のベテランである武騎手は、史上初の連覇を含む歴代最多の5勝を挙げている日本ダービー(G1)をはじめ数多くのJRAのG1レースを制してきた。武騎手のJRA・G1計77勝は歴代最多で、これは2位のC.ルメール騎手とはダブルスコアに近い数である。
それほどG1を何度も制してきたが、未だに勝てていないのが朝日杯FSとホープフルSの2つだ。ホープフルSは4年前の17年にG1へ昇格したばかりで過去2回しか騎乗していないが、朝日杯FSは過去20回騎乗し未だに勝利がない。そのため、「武騎手は朝日杯FSを勝てない」は競馬界の七不思議に挙げられるほどのジンクスとして有名だ。
当の本人も「そろそろ朝日杯初勝利を挙げたいね」と、スポーツニッポンの取材で答えている。ロンの馬主は武騎手が凱旋門賞で騎乗できるよう欧州の一流馬の権利を買うほど“武豊愛”が強いキーファーズだけに、武騎手の「ジンクス打破」のために一役買ってくれそうだ。ただ、朝日杯FSにはもう1つジンクスが存在する。
「近年、評判の高い牝馬が朝日杯FSに挑むことが多くなってきています。しかし、牡馬の壁に阻まれており、グランアレグリアの3着が最高です。あのグランアレグリアでさえ、朝日杯を勝てませんでした」(同)
残念ながらロンの次走予定が阪神JFということで、朝日杯FS勝利は持ち越しとなりそうだが、武騎手にはロンの他に出走すれば有力候補になり得るドーブネ(牡2歳、栗東・武幸四郎厩舎)がいる。
ドーブネはディープインパクト産駒の2歳馬。今年の千葉サラブレッドセールにて5億1,711万円(税込)の同セール歴代最高価格で『株式会社Cyber Agent』代表取締役社長の藤田晋氏に落札された高額馬だ。
「新馬戦は後方から追い込み、メンバー上がり最速の脚を繰り出して快勝。対して2戦目ききょうS(OP)では、吉田隼人騎手に乗り替わりましたが逃げ切りと自在性が魅力の馬です。
次走は上位3着馬までに朝日杯FSの優先出走権が与えられる、デイリー杯2歳S(G2)の予定です。順調にいけば武豊騎手を鞍上に朝日杯FSへ臨む可能性が高いでしょう」(同)
朝日杯FSは乗り馬が決まっている一方、ホープフルSの乗り馬はどうなるのか。競馬ライターは「面白そうなのが1頭」と、切り出して話を続けた。
「先月19日の中京5R・新馬戦(芝2000m)を武騎手で制したトゥデイイズザデイは、順調なら京都2歳S(G3)を経てホープフルSへ向かうことになるかもしれません。武騎手は同馬について『乗り味のいい馬なので、どんな競馬でもできそうです。今後がますます楽しみになりました』と、自身のブログで振り返っています。
2着に下したジャスティンロックは既に未勝利を突破していることから、新馬戦のレベルも決して低くないです。次走で、いきなりの重賞挑戦ですが、武騎手のコメント通りなら通過点ではないでしょうか」(同)
コロナ禍の状況でも自身の夢である「凱旋門賞優勝」を叶えるため、フランスへ渡るなど精力的に騎乗を続ける武豊騎手。残念ながら来年以降に夢は持ち越しとなってしまったが、将来有望な2歳馬がスタンバイということで52歳の胸は高鳴りつつあるのではないだろうか。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
PICK UP
Ranking
5:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
宝塚記念(G1)団野大成「謎降板」に関西若手のエースが関係!? 武豊の不可解な登場と突然のフリー発表…関係者を激怒させた「素行不良」の舞台裏
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 未勝利ルーキーが「深刻理由」で乗鞍激減!?度重なる失態に師匠からはお灸、エージェントも契約解除の大ピンチ
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 【阪神C(G2)展望】武豊“マジック”でナムラクレア、ママコチャを破った重賞馬が待望の復帰戦! 短距離界の有馬記念に豪華メンバーが集結
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 天才の息子・福永祐一は何故「天才」と呼ばれないのか? 「漁夫の利」に集約されたシュヴァルグランでの「決意」に落胆
関連記事
JRA岩田望来「武豊超え」でも勝てない重賞の壁! リーディングトップ10入りでも「平場専用」なのはなぜなのか
JRA アナザーリリックに「絶好」チャンス!? 秋華賞(G1) カレンブーケドール降板の屈辱も味わった苦労人が「過小評価」を覆す?
JRA クリソベリル、ゴールドアリュールの「後継」確定か!? 調教師だけではない!関係者も期待する理由と苦い「後継選び失敗」の過去
JRA金子真人オーナー「三本の矢」でも狙い目は最低人気!? 今度はマカヒキではなくワグネリアン、秋華賞激走を予感させる「意味深」な背景
JRA週末は「傘マーク」で秋華賞(G1)は道悪が濃厚!? 元世界ランキング1位の「逃亡者」を父に持つアノ馬に「追い風」がビュンビュン!