JRA【みやこS(G3)展望】武豊×クリンチャー「18年凱旋門賞以来」のコンビ復活!当該コースで帝王賞勝ち馬を負かしたアノ馬にもチャンスあり
11月7日、阪神競馬場ではチャンピオンズC(G1)の前哨戦・みやこS(G3)が開催される。過去2年の覇者を含む多数の重賞ウイナーが出走を予定している。
連覇を狙うのはクリンチャー(牡7歳、栗東・宮本博厩舎)だ。3歳時には牡馬クラシック三冠を皆勤し、4歳秋には凱旋門賞(G1)にも挑戦するなど、芝の中長距離路線で活躍していた。
しかし、フランスから帰国後は成績が頭打ちとなり、6歳となった昨年にダート路線に転向。安定した末脚でほぼ毎回上位争いに加わっていた。ダートで初勝利を挙げたのは1年前の当レース。その後は4戦して、チャンピオンズC(G1)こそ11着に敗れたが、交流G3を2勝、さらに今夏の帝王賞(G1)は6番人気で3着に健闘している。
ダート転向後は後方待機からマクる競馬が多かった。しかし、今年に入ってからは逃げ、先行で結果を残しており、自在性も増した印象だ。
鞍上は凱旋門賞以来、3年1か月ぶりとなる武豊騎手が務める。芝を走っていたころから本馬のダート適性をいち早く見抜いていたという武騎手。ダートではもちろん初コンビとなるが、どんな戦法で臨むのだろうか。
オーヴェルニュ(牡5歳、栗東・西村真幸厩舎)も芝でデビューしたが、3戦目の2歳11月にダート路線に転向。以後、1800m前後の中距離を中心に走ってきた。
本格化したのはちょうど1年ほど前。昨年11月からリステッド競走を連勝すると、今年1月の東海S(G2)も勝って、連勝を「3」に伸ばした。
続くフェブラリーS(G1)は大幅な馬体減も響いたのか13着に惨敗。しかし、3か月の間隔をあけて臨んだ平安S(G3)で馬体重をしっかり戻し、立て直しに成功。アメリカンシード以下に6馬身差をつけ圧勝した。
しかし、続く帝王賞では7着に敗退。またしてもG1の壁に跳ね返された。ただし、G2以下では力上位。ここでも好勝負必至とみていいだろう。今回の阪神1800mは、昨年12月のベテルギウスS(L)を制した舞台。後に帝王賞を勝ったテーオーケインズに競り勝っている。ここではクリンチャーと並び主役候補の1頭だ。
オーヴェルニュと同じダート重賞2勝の実績を誇るスワーヴアラミス(牡6歳、栗東・須貝尚介厩舎)も侮れない。
昨年3月に重賞初挑戦でマーチS(G3)を制覇。ダート路線を盛り上げる存在になると思われたが、その後は一転スランプに陥った。
1年以上にわたる不振(5戦連続5着以下)から復活を遂げたのは今夏の北海道シリーズ。6月の大沼S(L)で59kgを背負って2着に入ると、続くマリーンS(OP)で1年3か月ぶりの勝利を飾った。
さらに、函館開催のエルムS(G3)も勝って重賞2勝目。前走・白山大賞典(G3)でも3着に好走し、完全にスランプを脱したといっていいだろう。
エルムS後には、松田大作騎手が「6歳でピークを迎えたくらい」と語っており、勢いは本物。得意のスタミナ勝負に持ち込んで、重賞3つ目のタイトルを狙う。
前走レパードS(G3)を勝ったメイショウムラクモ(牡3歳、美浦・和田勇介厩舎)は、柴田善臣騎手とのコンビで歴戦の古馬相手に挑む。再びこの馬で自身が持つJRA最年長重賞V記録を更新できるか。
ロードブレス(牡5歳、栗東・奥村豊厩舎)は、昨年の日本テレビ盃(G2)が最後の勝利。ただし、今年は中央・地方のG3で3着が3度ある。ここでも上位争いに加わってくる可能性は高いだろう。
19年の当レース覇者ヴェンジェンス(牡8歳、栗東・大根田裕之厩舎)は、3走前に今回と同舞台の三宮S(OP)でクリンチャーに快勝しており、2年ぶりのリピートを狙う。キャリア29戦目で初ダートとなるダンビュライト(セ7歳、栗東・音無秀孝厩舎)もダート適性があれば、大駆けがあっても驚けない。
例年以上に好メンバーが集まった印象の今年のみやこS。ここを勝ってチャンピオンズCに進むのは果たしてどの馬になるか。発走は15時45分を予定している。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
JRA【京王杯2歳S(G2)展望】「4戦4勝」C.ルメール&「距離延長はプラス」コラリンが中心!逆転視野は新種牡馬の産駒たち
JRA【ファンタジーS(G3)展望】武豊騎手×武幸四郎調教師タッグが2度目の重賞挑戦! 2連勝中の逸材VSソダシ妹! ドレフォン産駒の良血馬にも要注目
JRAアルテミスS(G3)「人気の盲点」福永期待のシゲルイワイザケが3着激走! 「ぼくが乗って勝って重賞にチャレンジする馬は、期待していると思って大丈夫です」
「川田節」でスワンS(G2)優勝ダノンファンタジー、マイルCS回避か。増設からわずか7年……早くも形骸化するJRAの優先出走権制度
JRA 武豊、凱旋門賞(G1)パートナーと「3年1ヶ月ぶり」再タッグ! 大復活のきっかけをいち早く見抜いたレジェンドの慧眼