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JRA メロディーレーン有馬記念挑戦の立役者! 岩田望来「76連敗」初重賞へ、川田・福永不在で大チャンス到来か⁉

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岩田望来騎手 撮影:Ruriko.I

 先週、阪神競馬場・芝3000mで行われた古都S(3勝クラス)。スタミナ自慢の並み居る馬達を撃破し、晴れてオープン入りを飾ったのは、354kgの小さな牝馬メロディーレーン(牝5歳、栗東・森田直行厩舎)である。

 ここのところ自己条件・格上挑戦ともに2桁着順が続いていた同馬だが、約1年半ぶりのコンビ再結成で勝利へと導いたのが岩田望来騎手である。

 近走はテン乗りが続き、後方からの競馬ばかりになっていたメロディーレーンだが、この日は積極的に先行策を打ち3、4番手の好位置でレースを進める。結果的にこの作戦が吉と出た。「斤量が軽いことが終いの伸びにつながりました」と、ゴール寸前鮮やかに差し切り勝ち。スタンドは、重賞レース顔負けの大きな拍手に包まれた。

 陣営は、次走は暮れの有馬記念(G1)の出走を目指すことを表明。ファン投票の結果次第ではあるが、もし出走となれば岩田望騎手の継続騎乗が叶うかも注目である。

 話題沸騰のメロディーレーンに比べて、好騎乗の割に今ひとつ影が薄いことが否めない岩田望騎手。しかし、着実に勝ち星を積み上げており現在のリーディングは7位に浮上。このまま行けば昨年の9位を上回る自己の過去最高順位でゴールすることになる。

 先週は天皇賞・秋(G1)での横山親子3人の共演が大きな話題となった。その裏で、実は阪神競馬場でも、岩田康誠騎手・岩田望来騎手の親子コンビが1日で1、2着フィニッシュを3回も決めていたのである。

 そんな勢いそのままに勝ちたいのが、現在76連敗と嬉しくない記録を更新中の重賞レースだ。今週6日に阪神競馬場で行われるファンタジーS(G3)は、岩田望騎手にとって重賞初勝利の大チャンスかもしれない。

 まず、今週は川田将雅騎手・福永祐一騎手がアメリカのブリーダーズカップに騎乗するため不在となる。リーディング1位を独走中のC.ルメール騎手や、G1連勝で波に乗る横山武史騎手も東京競馬場での騎乗のため直接対決はない。

 加えて、ファンタジーSの登録頭数は10頭と、比較的小頭数でのレースとなることもライバルが少ないという点で好材料だ。

 今回騎乗するスリーパーダ(牝2歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は岩田望騎手とは初めてのコンビとなる。新馬戦で1着、続く小倉2歳S(G3)では惜しくも2着であったが、重賞連対経験があることは頼もしい。かつてJRA最優秀3歳牝馬に輝いたシンハライトの半妹と、血統的にも期待したくなるところだ。

 一方で、懸念点もいくつかある。

 前走は1200mながら道中行きたがる仕草が見られ、福永騎手がなんとかなだめるシーンがあった。距離延長となる今回、もし本番でかかってしまえば、勝つことはおろか3着以内さえ危うくなる。テン乗りの岩田望騎手がうまくコントロールできるかがポイントとなるだろう。

 400㎏の小柄な馬体も少し気になるところだ。ファンタジーSの過去10年の勝ち馬は10頭中8頭が出走時450㎏以上と、牝馬2歳ながら平均以上に馬格のある馬が多かった。昨年から京都競馬場の改修により阪神競馬場開催となっているが、直線の急坂をこなす意味でも、ある程度の馬格はあった方が有利かもしれない。

 水曜日現在、『netkeiba.com』で想定断然1番人気となっているのはナムラクレア。スリーパーダにとっては前走0.4秒差を付けられ、重賞勝ちを逃した因縁の相手だ。注目の新種牡馬シルバーステート産駒のウォーターナビレラ、ソダシの全妹ママコチャなども想定オッズではスリーパーダより上の人気となっている。

 岩田望騎手とスリーパーダ、人馬ともに念願の初重賞制覇なるか、それともまたまたお預けか。6日のファンタジーSは必見だ。

(文=鹿取文)

<著者プロフィール>

平日は会社員、土日はグリーンチャンネル三昧の日々を送る。幼少期にグラスワンダーが勝った宝塚記念を生観戦、絶叫する親族にドン引きするも二十年経ち気づけば自分も同じ道へ。逃げ馬の粘りこみが好き。

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