
元JRA安藤勝己氏「スタート後に動かしたのが勿体なかった」松山弘平の騎乗に“苦言”!? JBCクラシック(G1)テーオーケインズの惨敗理由
3日、金沢競馬場で行われたJBCクラシック(G1)は、吉原寛人騎手の6番人気ミューチャリーが勝利。創設21年目で初めて地方馬が勝利する歴史的な一戦となった。
快挙の立役となった吉原騎手は「こんな日が来るなんて……。本当にビックリ、信じられないです」と、感無量の様子だった。
一方、勝った吉原騎手とは対照的にショックで胸が詰まるような思いになったのが、単勝オッズ2.2倍の1番人気で4着に終わった、テーオーケインズ(牡4歳、栗東・高柳大輔厩舎)騎乗の松山弘平騎手だろう。
「スタートを上手く出れなくて……」
これまで好位からのレースで連勝街道を歩んでテーオーケインズにとって、思いがけないアクシデントだった。ゲート内で立ち上がるような仕草を見せていた今年の帝王賞馬は、ゲートが開いた瞬間も若干立ち上がり、隣のオメガパフュームと共に出遅れる。
出負けした分を取り戻そうと松山騎手の手が盛んに動き、テーオーケインズは前目の位置を取りに行った。何とか先頭を射程圏に入れる5、6番手といつもの位置を取ることには成功したが、勝負所では連勝時に見られた前を飲み込むような勢いが見られず。
結果的に直線では、先に抜け出したミューチャリーを後目に、器用に立ち回ったチュウワウィザードと、出遅れたが終いに懸けたオメガパフュームとの追い比べに負けて4着。3連勝がストップすると共にG1・2勝目のタイトルは持ち越しとなった。
「スタートで遅れたことがすべてですね。松山騎手がレース後に『そこからちょっとリズムが悪かったかな』と振り返っているように、いつも先行している馬ですから、出遅れたにも関わらず無理に前目のポジションを取りに行ったことが仇になったと思います。
あれほどの出遅れですから1着までは難しいにしろ、その後のリカバリー次第で3着以内は十分あったかと。実際、同じく出遅れたオメガパフュームはいつも後方から運ぶタイプとはいえ、最後に懸けるレースで2着にきています」(競馬記者)
記者が指摘する「出遅れた後のポジション取り」について、元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のTwitterアカウントにて「あのスタート後に動かしたのが勿体なかった」と、ツイート。
またレース当日に出演していたYouTubeチャンネル『rakutenkeiba』の『楽天競馬LIVE:馬券対決(JBC2021)』でも、安藤氏は「位置取りにいっちゃった。そこで脚使っているからね。それで最後脚使えなかったね」と、解説している。
この後、ダート路線はチャンピオンズC(G1)・東京大賞典(G1)と大きなレースが控えている。どちらもテーオーケインズが得意としているコースで行われるため、是非とも巻き返しに期待したい。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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