GJ > 競馬ニュース > レコード決着の「ツケ」がカレンブーケドール、ウインマリリンを破壊!? ジャパンC回避にエリザベス女王杯惨敗、強力牝馬2頭を襲った勇気ある挑戦の功罪
NEW

JRAレコード決着の「ツケ」がカレンブーケドール、ウインマリリンを破壊!? ジャパンC回避にエリザベス女王杯惨敗、強力牝馬2頭を襲った勇気ある挑戦の功罪

JRAレコード決着の「ツケ」がカレンブーケドール、ウインマリリンを破壊!? ジャパンC回避にエリザベス女王杯惨敗、強力牝馬2頭を襲った勇気ある挑戦の功罪の画像1
カレンブーケドール

 28日に東京競馬場で開催されるジャパンC(G1)だが、有力馬の1頭と目されていたカレンブーケドール(牝5、美浦・国枝栄厩舎)は、脚部不安のため回避することが明らかとなった。

 同レースは3歳で出走した一昨年に2着、昨年は4着に敗れたとはいえアーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトといった三冠馬を相手に大健闘を見せた得意舞台。今年こそ三度目の正直を叶えたいところだっただけに、陣営にとっては無念の回避となってしまった。

 その一方で、4番人気に推された前走の天皇賞・秋(G1)で12着と惨敗していたことにも触れなければならない。あと一歩のところで勝利に手が届かず、シルバーコレクターという有難くない称号を手に入れていたカレンブーケドールだが、これまでの最低着順でも5着と掲示板を外すほど大崩れをしたことはなかった馬である。

 そんな安定感に定評のある馬が、キャリア初となる「掲示板外」に沈んだことは、ある意味深刻さを物語る敗戦といえるだろう。

 管理する国枝師は「天皇賞・秋が原因ではないと思う」と話していたように、スローペースからの決め手勝負となった前走は、それほど厳しいレース展開ではなかったとも思える。事実、3着馬のグランアレグリアが、中2週と間隔の詰まったマイルCS(G1)でローテーションを懸念されながらもラストランを勝利で飾ったばかりだ。

 これはあくまで憶測の域を出ないのだが、そこで思い浮かんだのは同じ天皇賞でも春の方である。京都に比してタフな阪神で開催されたこのレースはワールドプレミアがレコード勝ち。同馬もジャパンCを予定していたものの、体調が整わないことを理由に回避が決定した。

 また、2週前のエリザベス女王杯(G1)で騎乗した横山武史騎手が「まるで別の馬のよう」と評したウインマリリンもまた、3番人気で16着という惨敗を喫していた。そしてこちらも天皇賞・春に出走していた馬だった。

「一線級の男馬を相手に春の天皇賞でカレンブーケドールは3着、ウインマリリンは5着と健闘していました。近年は混合G1でも牝馬の活躍が目立っており、昔ほど牡牝の差を感じないケースも増えました。

ただ、長距離戦を目いっぱい走った反動は牡馬も例外ではありません。17年の天皇賞・春でもキタサンブラックとシュヴァルグランがレコードでワンツーしましたが、次走の宝塚記念(G1)で2頭とも惨敗なんてこともありました」(競馬記者)

 カレンブーケドールは次走の宝塚記念で4着、ウインマリリンは秋のオールカマー(G2)を優勝したとはいえ、その後に調子を落としてしまった理由に春の激走の影響が、少なからずあったのではないかとも感じる。

 勿論、同じく出走した組でも元気な馬がいることはいるが、レコード決着だった長距離G1のダメージが全くなかったわけでもないだろう。牡馬の一線級ですら回避することが珍しくなくなったレースに牝馬が出走したことは、「勇気ある挑戦」だったことに変わりはない。

 ただ、結果的にファンの多い2頭が、こうして大舞台を前に不完全燃焼となったことは、残念な限りである。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

JRAレコード決着の「ツケ」がカレンブーケドール、ウインマリリンを破壊!? ジャパンC回避にエリザベス女王杯惨敗、強力牝馬2頭を襲った勇気ある挑戦の功罪のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

23:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 【日本ダービー】武豊「何とか間に合いました」キタサンブラック弟と挑む最多7勝目…乗り替わりでも不気味なエコロヴァルツの底力
  2. 【NHKマイルC】C.ルメール「一鞍入魂」アスコリピチェーノと必勝態勢!オークス、日本ダービーも騎乗馬決定か…シックスペンスとはコンビ解消
  3. 【NHKマイルC】“アスコリピチェーノVSジャンタルマンタル”仁義なき社台グループの頂上決戦に決着をつける不気味な伏兵!
  4. 【宝塚記念】今年のグランプリは「超ハイレベル」の一戦?リバティアイランド、ドウデュースら「最強メンバー」が激突も
  5. 「うまく力を出せた」2年目女性騎手が2ヶ月ぶり白星! 「負担重量の注意義務」を怠り戒告処分も…翌日1Rで名誉挽回の好騎乗
  6. 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
  7. 【日本ダービー】「芝未勝利馬」の参戦視野に懐疑的な声? 無傷の4連勝でダービー挑戦も「シンガリ」に敗れたサクセスブロッケンの記憶
  8. 藤田菜七子「日本ダービー騎乗」は幻に!? 武豊シュガークン×エコロヴァルツ「究極の二者択一」ダービー鞍上問題はスピード決着
  9. 【天皇賞・春】「横山典弘マジック」に翻弄された敗戦の弁?大敗でも爪痕残した名手の存在感…テーオーロイヤル、ディープボンドの好走にヒント
  10. 「信じた俺がアホ」天皇賞・春(G1)大本命テーオーロイヤル優勝も「自信の1点勝負」は空振り…藤田伸二氏が前夜に感じ取っていたドゥレッツァの危険な前兆