JRA 三浦皇成「100連敗」も納得の選択ミス!? 武豊2世と呼ばれた“元天才”が思い出のレースで面目丸潰れ
15日、川崎競馬場で行われた全日本2歳優駿(G1)は、単勝オッズ1.8倍の大本命に推された戸崎圭太騎手の1番人気ドライスタウト(牡2歳、栗東・牧浦充徳厩舎)が優勝。戸崎騎手が「2番手からスムーズな競馬ができたし強い勝ち方。今後が楽しみ」と、話す理想的なレースで2歳ダート王に輝いた。
一方、勝ち馬と異なりスムーズな競馬が叶わず、不本意な結果に終わってしまったのが、2番人気で9着に敗れたアイスジャイアントと三浦皇成騎手のコンビだ。
アイスジャイアントは9月中京のダート1800mでデビュー。そこで新馬勝ちを収めると、2戦目でJBC2歳優駿(G3)へ挑戦。スタートで後手を踏むも、直線ではメンバー断トツの上がり最速の末脚で差し切り勝ち。デビュー2連勝が評価されて、ファンから打倒ドライスタウトの1番手と期待された。
対する三浦騎手はアイスジャイアントの他に、自身が主戦を務めていたコンバスチョン(牡2歳、美浦・伊藤圭三厩舎)も同レースに出走。騎乗馬の選択を迫られた三浦騎手はJBC2歳優駿で「2戦目で重賞を獲らせていただくということは、この馬が持っている潜在能力、素質があるからこそだと思っています」と、高く評価していた重賞勝ち実績のある馬を選んだ。
稍重で行われた14頭立てのダート1600m戦。6枠9番から発走したアイスジャイアントは、スタートからよもやのアクシデントに見舞われる。前走同様スタートはひと息で、行き脚をつけようと三浦騎手が手綱を動かすも、他馬に接触するなどして好位は取れず。結局前走と似た後方2番手からの追走をせざるを得なかった。
さらに、向こう正面半ばから三浦騎手は手綱を盛んに動かしたが、アイスジャイアントは徐々にペースアップするレースの流れについていけず。直線に入っても自慢の末脚は不発のまま、レースを終えてしまった。
三浦騎手は「終始追っ付け気味で小回りの分、推進も外へ逃げて終始脚が溜まらない展開でした。しっかり脚が溜まらなかった分、同じ脚色になりました。追走が前回よりしんどかったです。ついて回ってきた感じになりました」と、コース相性について言及。デビューから2戦続けて広いコースを走ってきたことが、今回裏目に出てしまったのだろう。
三浦騎手の不運はまだ終わらない。今回泣く泣く騎乗を見送ったコンバスチョンが、アイスジャイアントと正反対のスムーズなレース運びから、2着に食い込んだのだ。
「三浦騎手はツキも無かったですね。アイスジャイアントは終始忙しく、一方のコンバスチョンは初のマイル戦も、1400m戦で培ったスピードを生かして2着になりました。
こちらは新馬戦から三浦騎手が乗っていた馬ですが、反対にアイスジャイアントは新馬戦でC.ルメール騎手が騎乗していました。今回の結果を受けて陣営が三浦騎手の騎乗に不満を持っていたら、ルメール騎手に戻る可能性も十分考えられます」(競馬誌ライター)
デビュー当初は武豊二世とまでいわれていた騎手が、まさか今年のジャパンC(G1)でJRA・G1 100連敗の不名誉な記録を達成してしまったが、実は地方のG1は勝利済み。そのレースが何と今回の全日本2歳優駿だった。
満を持して思い出のレース2勝目を目論んだ三浦騎手だったが、カペラS(G3)を勝った勢いは長続きしなかったようだ。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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