JRA 「単勝1.5倍」断トツ1番人気馬の敗退にアニメファンも悲鳴!? 名刀から名付けられた「重賞勝ち馬弟」がまさかの急上昇トレンド入り
18日、中京競馬場で行われた5R・2歳新馬戦(ダート1800m)は、藤岡康太騎手の5番人気フロンタルジェダイが勝利。2着に3番人気ラピドゥス、3着には9頭立て最低人気のシゲルオトヒメが入り、三連単は35万円を超える高配当となった。
そんな中、1番人気で6着に敗れ波乱を演出してしまったのが、柴山雄一騎手が騎乗したイチゴヒトフリ(牡2歳、栗東・昆貢厩舎)だ。
同馬は先月の武蔵野S(G3)を勝ったソリストサンダーの半弟。調教では2歳1勝クラスの馬に先着を果たしており、鞍上の柴山騎手も『競馬ラボ』で連載している自身のコラム『柴山雄一のStarting Over』にて、「いいモノを持っていますし、仕上がっています」と話していたことから、単勝1.5倍のダントツの人気に支持されていた。
ゲート入りを嫌がる仕草を見せていたイチゴヒトフリだったが、6枠6番からポンと好スタートを決めると、道中は3番手の外目を追走。前半1000m通過は63秒フラットの緩い流れ。3コーナーでは馬群がひと塊となって、レースは後半戦へと突入した。
だが、イチゴヒトフリの手応えは1000mを通過した付近から早くも怪しいものとなる。4コーナーでは柴山騎手のステッキが入れられたが、5番手まで後退。直線でもほとんど伸びる気配が見られず、まさかの馬券圏外に敗退した。
圧倒的人気を裏切ってしまったことで、SNSやネットの掲示板などにはレース後、「柴山なにやっているんだ」「道中で外を回しすぎ」「そもそも何故こんなに人気だった」といった、悲鳴のようなコメントが多く付く事態となった。
だが、人気の同馬が敗れたことで悲鳴を上げたのは、なにも競馬ファンだけではなかったようだ。
“イチゴヒトフリ”という馬名は、果物のイチゴではなく、鎌倉時代の中期に作られたとされる日本刀「一期一振」から取られたようである。短刀作りの名手である粟田口吉光が、一生に一振りしか作らなかったということから、そのように命名されたのだという。
そんな一期一振(イチゴヒトフリ)であるが、実は人気ゲーム『刀剣乱舞』にも同名のキャラクターが登場しているのである。
『刀剣乱舞』は2015年にパソコン版のブラウザゲームとして登場。同年にミュージカル化、そして翌16年にはアニメ化も果たしている人気作品だ。美男子のキャラクターが多数登場するため、主に女性を中心に高い人気を誇っているようである。
馬のイチゴヒトフリが敗れた後、同作品のファンであると思われるアカウントからは「家族にイチゴヒトフリという馬がいると言われて見ました」「イチゴヒトフリ負けちゃった涙」「いち兄、お疲れ」といった、悲しみの声やねぎらいのコメントが多数投稿された。
その結果、レースでは掲示板に載ることが叶わなかったイチゴヒトフリだったが、SNSでは見事に急上昇トレンドワード入りを果たした。
なお、今回が初出走だったイチゴヒトフリの馬体重は542キロ。530キロ台で重賞を勝っている父アジアエクスプレス譲りの雄大な馬体とはいえ、多少の余裕残しでもあったか。おそらく絞れるであろう次走、馬名のごとく鋭い切れ味の末脚を、ファンに披露してほしい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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