
JRA 横山典弘「ポツン」大成功は有馬記念(G1)への布石!? 「父親参観にはならない」調教師も期待する「マジック」騎乗

「これが横山典弘マジックなのか」
25日、阪神競馬場で行われた万両賞(1勝クラス)は、横山典弘騎手の6番人気マテンロウオリオン(牡2歳、栗東・昆貢厩舎)が、外から追い込み勝ちを決めた。
1勝クラスのレースだったが、マテンロウオリオンは何と未勝利馬。格上挑戦の馬が単勝オッズ8.1倍なのも驚きだが、更に驚くべきは横山典騎手の騎乗だろう。
太宰啓介騎手が騎乗した前走の新馬戦は、好位2、3番手から押し切りを図るもゴール前で差される惜敗だった。中1週で相手が大幅に強化された今回、横山典騎手が採った作戦はお馴染みの“ポツン”騎乗だ。
唯一スタートで遅れたことも影響したと思われるが、1つの馬群に他馬が密集するなか、大きく離れた最後方を追走。それでも4コーナーで馬群へ取り付くと、大外から猛スパートをかけて、ゴール前で一気に突き抜けた。
陣営は「能力はここでも通用すると思っての出走」と話すが、条件は1勝クラスの特別戦だ。急激な相手強化という酷な条件を真逆の脚質に転換して勝ってみせるのだから、まさに「横典マジック」の神髄といえるだろう。

そんな好騎乗を決めた横山典騎手は翌日の有馬記念(G1)に、シャドウディーヴァ(牝5歳、美浦・斎藤誠厩舎)で参戦する。同馬は25日18時の時点でブービー人気。流石に万両賞のように上手くはいかないと考えるのが普通だが、「マジック」炸裂の匂いがプンプン漂うのだ。
横山典騎手は本日も阪神競馬場で騎乗しているように、今秋は栗東に滞在している。時折美浦へ帰ってきてはいるが、目的はただ1つ。シャドウディーヴァのためである。美浦でシャドウディーヴァの稽古をつけては、また栗東に戻るのを繰り返している。そのくらい本馬への思い入れが強い。
実際、レースでも思いの強さが見られている。前走のジャパンC(G1)では、これまで無かった先行策を披露。残念ながら7着と「マジック成功」には至らなかったが、斎藤師は「いい作戦だと思いました」と、好意的に捉えているようだ。
斎藤師も称賛する大胆な騎乗があって今回継続騎乗に至ったわけだが、横山典騎手の続投を歓迎しているのが、元JRA騎手の安藤勝己氏だ。
2008年の有馬記念優勝騎手は『競馬ラボ』にて、自身の有馬記念の予想を発表。そこでは「3着争いって意味では馬のリズムに合わせてこすく立ち回れるノリのシャドウディーヴァ」と、15番人気の5歳牝馬に一定の評価を与えている。
一部ファンの間では、息子の和生騎手と武史騎手がそれぞれ有力馬に騎乗することから「また『父親参観』するんじゃないの」と囁かれている。だが、斎藤師は「『父親参観』にはならないと思います」と、『デイリースポーツ』の取材でハッキリ答えており、何かしら策を練ってレースに挑んできそう。
果たして2日連続のマジック炸裂となり、息子2人へ父親の威厳を示すことができるだろうか。まさかの「横山は横山でも典弘」に期待してもいいかもしれない。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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