
JRA池添謙一にも「世知辛い時代」が直撃!? 後輩と揃って天敵から返り討ち、阪神C(G2)惨敗ソングラインに「敗因は分かりません」
25日、阪神競馬場で開催された阪神C(G2)は、C.デムーロ騎手のグレナディアガーズ(牡3、栗東・中内田充正厩舎)が、直線外から鮮やかな差し切り勝ち。昨年の朝日杯FS(G1)を制した実力馬が、約1年ぶりの勝利で復活をアピールした。
「久しぶりですね。本当に嬉しいです。直線ではすごく良い手応えでした。瞬発力があって、すごく良い走りが出来ました」
レース後のコメントで、会心の勝利をそう振り返ったC.デムーロ騎手にとっても、日本での重賞勝ちは2018年阪神JF(G1)をダノンファンタジーで制して以来。約3年ぶりの美酒は同じく中内田厩舎の管理馬とのコンビだった。
今年、来日してからC.デムーロ騎手が騎乗した重賞は、11月のジャパンC(G1)を8番人気グランドグローリーで5着、12月の阪神JFを1番人気ナミュールで4着、朝日杯FSを1番人気セリフォスで2着と勝ち切れなかったが、4度目の騎乗で初勝利。世界的名手の手腕をようやく見せることが出来た。
そんなC.デムーロ騎手に比して、対照的な結果に終わってしまったのが、藤岡佑介騎手と池添謙一騎手の2人だ。
事の発端は、セリフォスとのコンビで朝日杯FSの騎乗が濃厚と考えられていた藤岡佑騎手からC.デムーロ騎手への乗り替わりが発表されたことだった。初騎乗のデイリー杯2歳S(G2)で勝利を挙げ、「次はもっとうまく乗れると思います。楽しみです」と意気込んでいた藤岡佑騎手としても無念の降板劇にも映った。
これに自身のTwitterで「佑介…俺も条件戦やけど乗り替わり。世知辛い時代に再突入。もっともっと上手くなろう。頑張ろう」と反応したのが先輩である池添騎手だった。
この日の阪神Cを勝ったグレナディアガーズには、前走のマイルCS(G1)で騎乗したものの、折り合いをつけられずに4番人気13着と惨敗し、「力んでいてリラックスさせられませんでした。上手く乗れませんでした」と反省の弁を残していた池添騎手。

阪神Cにはお手馬のソングラインが出走を予定していたこともあり、乗り替わったC.デムーロ騎手がグレナディアガーズを見事に乗りこなして勝利。パートナーのソングラインが、見せ場なく15着に大敗したことも含めて心中複雑だろう。
「ここまで負ける馬ではないだけに、池添騎手も『久々の右回りなのか、敗因は分かりません。いつもの感じと違いました』と首をかしげていましたが、好走しているのはすべて左回りでしたから、もしかしたら典型的なサウスポーなのかもしれませんね。
少し気になったのは『3コーナーで一気に手応えがなくなりました。外を回す余裕もなかったです』というコメントです。距離は1ハロン違いますが、桜花賞(G1)の惨敗も不利を受けて気持ちが切れたと振り返っていたように、ソングラインに精神面の脆さもあったのかなと」(競馬記者)
3コーナー手前、内から斜行したメイケイエールに馬体をぶつけられて不完全燃焼に終わった今年の桜花賞と同じ阪神競馬場でのレース。トラウマが再発したと考えるのは、勘繰り過ぎだろうか。
早め抜け出しを図るも差し切られて3着に敗れたダノンファンタジーの藤岡佑騎手ともども、因縁の相手C.デムーロ騎手に意地を見せたいところだったが、揃って返り討ちに遭うという残念な結果となってしまった。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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