JRAソダシからの「負の連鎖」止まった!? メイケイエール復活Vで今週末は “白毛祭り”に期待大
先週末に行われたシルクロードS(G3)で、昨年3月のチューリップ賞(G2)以来となる復活勝利を飾ったメイケイエール。池添謙一騎手とのコンビ継続で、来月27日に行われる高松宮記念(G1)に向かうことが分かった。
復権を懸けた今回は、前向き過ぎるゆえの暴走も露呈せず、初の左回りも難なくクリア。本番と同コースの前哨戦を制した価値は高い。G1ともなれば、ペースも上がりやすく、さらに折り合いもつきやすくなるはずだ。「まともに走ればG1級」と言われ続けてきた馬が結果を出しただけに、高松宮記念でも上位人気に推されることは間違いないだろう。
そんなメイケイエールの勝利は、白毛一族にとっても朗報かもしれない。メイケイエールは毛色が鹿毛ということもあって忘れられがちだが、シラユキヒメを祖とするいわゆる“白毛一族”の一員だ。メイケイエールの3代母がシラユキヒメ、祖母がユキチャン。そして母はシロインジャーである。
白毛一族は昨年、ソダシが桜花賞(G1)を制するなど、一大旋風を巻き起こした。もちろんソダシの活躍が最も目立ったが、昨年は他にも7頭が勝利を挙げ、8頭が21年の1年間で合計12勝した。つまり、1か月に1勝のペースで白毛一族の馬が勝っていたことになる。
勢いのあった一族だが、11月27日にダノンハーロックが茨木S(3勝クラス)を勝ったのを最後に急ブレーキ。ソダシが敗れた12月のチャンピオンズC(G1)から約2か月間にわたって8連敗を喫した。
つまりソダシから始まった“負の連鎖”をメイケイエールが止めたということになる。今週末はこれを“正の連鎖”とすべく、白毛一族が大挙出走を予定している。
5日の東京9Rの春菜賞(3歳1勝クラス)にはハイアムズビーチ(牝3歳、美浦・萩原清厩舎)、同日中京10RのエルフィンS(L)にはママコチャ(牝3歳、栗東・池江泰寿厩舎)と3歳牝馬2頭が特別登録している。2頭ともに勝利を狙える素質馬で、勝てば桜花賞出走が見えてくるだろう。
他にも中京11RのアルデバランS(OP)にダノンハーロック(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)、そして6日には、東京10Rの銀蹄S(3勝クラス)にブッチーニ(牝6歳、栗東・中内田充正厩舎)が特別登録している。
4頭の中でも特に注目の存在が3連勝中の逸材・ダノンハーロックだろう。昇級初戦となるが、これまでのパフォーマンスからここはあくまでも通過点と捉えてよさそう。
白毛一族が同じ週に2勝したことはこれまで3度あるが、3勝以上ならもちろん初めてだ。先週末のメイケイエールの復活劇に続き、今週末は“白毛祭り”を目撃することになるのだろうか。
ソダシ世代を中心に一大勢力を築きつつある白毛一族。今週の大暴れに期待したい。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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