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JRA今年未勝利でリーディング「13位→160位」に急降下、厩舎のピンチはオーナーが「10億まで降りない」と豪語した超期待馬が救う?

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 今週末の中央競馬は東京、阪神、小倉の3場開催。この2日間で総勢8頭の大攻勢をかけるのは、開業12年目の高野友和厩舎だ。

 これまでG1・3勝を含め重賞16勝という、栗東でも期待が大きい中堅厩舎は、昨年レイパパレで大阪杯(G1)を制覇。年間合計36勝を挙げ、全国リーディング13位に食い込んだ。

 そんな高野厩舎だが、今年に入って一向に調子が上がってこない。先週末までのべ27頭を出走させるも、「0-1-2-24」と未勝利。まだ2月中旬を迎えたところとはいえ、全国リーディングは昨年の13位から160位に急降下している。

 先週土曜には、もう少しで今年初勝利という場面もあった。中京の3歳未勝利戦で2番人気ハギノモーリスが1位に入線したが、最後の直線で外に大きく斜行。他馬の進路を妨害したため、3着に降着となってしまった。

 幻となった初勝利を挙げるべく、今週末のラインアップは層が厚い。土曜の阪神メイン、洛陽S(L)にはファルコニア、日曜阪神のこぶし賞(3歳1勝クラス)にはスタニングローズと、いずれも重賞レースで好走歴がある有力馬をスタンバイさせている。

 そんな2頭を差し置いて、最も勝利に近いのは、日曜阪神6Rの3歳未勝利戦に出走予定のショウナンアデイブかもしれない。同馬は、2年前の1歳セレクトセールで、「ショウナン」の冠名でお馴染みの国本哲秀氏が5億6100万円(税込)という高値で落札したディープインパクト産駒だ。

「10億までは(セリから)降りるつもりはなかった」と、国本オーナーに言わしめた期待馬だが、昨年10月のデビューから4戦して未勝利。落札額ほどの活躍はできていないものの、4戦すべてで2着しているように、初勝利を挙げるのは時間の問題だろう。

「五度目の正直」で待望の初勝利を狙うショウナンアデイブだが、今回はライバル勢も強力だ。10頭立てと頭数は落ち着いたが、無敗の三冠馬コントレイルの弟、サンセットクラウドや、デビュー戦で2着のジャスタウェイ産駒、クレエンシアなど骨っぽいメンバーが揃った。

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池添謙一騎手

 鞍上を務めるのは前走に続いて2度目の騎乗となる池添謙一騎手。奇しくも先週のハギノモーリスにも騎乗しており、その鬱憤を晴らしたいところだろう。

 また、「国本オーナー×高野厩舎×ディープインパクト産駒」といえば、ショウナンパンドラを思い出すファンも多いのではないだろうか。

 同馬もやや晩成タイプで3歳春の牝馬クラシックには間に合わず、2勝目を挙げたのが3歳夏だった。その後、急激に力をつけ、3歳秋に秋華賞(G1)を制覇、翌年にはジャパンC(G1)で強豪牡馬を蹴散らした。

 “5億円ホース”ショウナンアデイブは苦戦が続く高野厩舎に勝利を届けられるか。そして偉大な名牝と同じような成長カーブを描いていくことができるだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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