JRA「サイボーグみたい」あの競馬評論家も筋肉を称賛!? サトノレイナス無念引退の国枝栄厩舎、次世代の大物候補が武豊騎手を背にデビュー!
昨年の桜花賞(G1)2着、牝馬ながら挑戦した日本ダービー(G1)では5着に入ったサトノレイナス。その後、故障が判明したため休養に入っていたが、9日付けで競走馬登録を抹消されたことが分かった。
管理した国枝栄調教師は「復帰を果たせなかったのは残念。無事に繁殖に上がって子供が活躍してほしい」とコメント。無事であれば同厩の大先輩アーモンドアイに迫る活躍も期待された存在だっただけに、わずかキャリア5戦でターフを後にしてしまうのは残念な限りだ。
そんな国枝厩舎だが、今週はまた新たな大物候補がデビューを控えている。13日、東京競馬場の4R・3歳新馬戦(ダート1600m)に出走予定のキングスウェイ(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。
同馬は父キングカメハメハ、母はスピナウェイS(米G1)勝ち馬のソーメニーウェイズという良血。2019年のセレクトセール当歳セッションにて、1億8360万円(税込)で取引された期待馬だ。半兄には20年の菊花賞(G1)に出走した現3勝クラスのダノングロワールなどがいる。
もともと先週5日にデビューを予定していたが、抽選で除外に。だが『スポーツ報知』の取材によると、キングスウェイは1月下旬の時点で「良くなってきたけど、もう少し力強さがほしい」とのことであった。除外で1週延びた分、調教を積むことができたのは、むしろプラスと働くかもしれない。
なお、鞍上には武豊騎手が予定されている。先週5日のキングスウェイには横山武史騎手が想定されており、また同日、武豊騎手は中京で騎乗していた。
今回、武豊騎手に手綱が回ってきた理由の1つに、同騎手がキングスウェイの江馬由将オーナーが所有するフォーグッドに騎乗し、先月29日の未勝利戦で2着に好走したこともあるかもしれない。
そんなキングスウェイだがやや気になる部分を挙げとすれば、これまでデビューした3頭の兄弟たちが、そこまで目立つ活躍をできていない点だろうか。
ディープインパクト産駒で長男のサトノエターナルは、7戦0勝で引退。ハーツクライ産駒のダノングロワールは現3勝クラスだが、2億円を超える価格で取引されていることを考えると、その期待に応える活躍をしているとはやや言い難い。父ディープの姉ジュニーアムレットも現在1勝クラスで苦戦が続いている。
しかし、競馬評論家の丹下日出夫氏は、JRA-VANのサイト内にある『丹下日出夫のセレクトセール日記』にて、当歳時のキングスウェイを「サイボーグみたいな、筋肉のメリハリが目をひく造り」と称賛している。POG大魔王の異名を取る同氏のお眼鏡にかなったキングスウェイには、ぜひとも期待したいところである。
「これまでデビューしたソーメニーウェイズの仔は、すべてサンデーサイレンス系でした。それほど結果を残せていない部分を見ると、配合的にはあまり相性が良くなかったという可能性もあります。
キングスウェイは初のキングカメハメハ産駒、およびミスタープロスペクター系になります。これまでの産駒たちとは、また一味違った活躍が期待できるかもしれませんね」(競馬誌ライター)
現時点で芝ダートの適性は不明だが、今回ダートの初戦で快勝を収めるようなことがあれば、今後はキングカメハメハの代表産駒でもあるチュウワウィザードやホッコータルマエのような、ダート王に育つ可能性もあるかもしれない。
サトノレイナス引退の無念を吹き飛ばすような快走に期待したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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