JRA【チューリップ賞(G2)予想】ナミュールは「危険な人気馬」として断然の切り! 阪神JF組以外から発見した「穴馬2頭」で好配当を狙う
今回は桜花賞(G1)に直結するトライアル・チューリップ賞(G2)を予想していきたい。
先週の阪急杯(G3)は1着2着こそ予想通りだったが、3着がまたもノーマークの馬。戦前そこそこ話題に上がっていた馬ではあったが、ローテーションからは買えず。仕方ないとしか言えない。
中山記念(G2)は◎→△→○で的中。久しぶりの的中をお届けできたが、いかんせん人気サイドで決まってしまったが故に配当もそこそこ。個人的には切ったダノンザキッドが予想通り馬券外に飛んでくれたのが何よりだった。
さて、予想に戻ろう。
例によって過去10年馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていきたい。
阪神JF 16頭
エルフィンS(L) 3頭
クイーンC 2頭
シンザン記念、フェアリーS、紅梅S(OP)、菜の花賞(1勝クラス)、こうやまき賞(1勝クラス)、赤松賞(1勝クラス)、条件戦(1勝クラス)、未勝利戦、新馬戦 各1頭
となっている。阪神JF(G1)に出走した馬が、桜花賞までの叩き一戦目にここを選ぶケースが多い。もちろん阪神JFに出走した馬も含めて、桜花賞の権利取りを懸けて出てきている馬も多いはずだ。
次に人気順の成績を見てみよう。
1番人気 5-1-2-2
2番人気 1-1-3-5
3番人気 1-3-0-6
4~6番人気 3-2-3-22
7~9番人気 0-3-1-26
10番人気以下 0-0-1-45
となっている。1番人気の成績が抜けている。2番人気、3番人気は今ひとつ信用できる数字ではないが、ここでも4~6番人気くらいの中穴馬が活躍している感がある。近5年に絞っても1番人気は必ず来ている。一方、上位人気以外だと偶然だろうが4番人気が3回、7番人気が2回馬券に絡んでいることにも注目したい。
これを踏まえて「◎」はサークルオブライフとする。
前走は阪神JF。中団より後ろの競馬だったが、外から一気に差し切っての勝利。上がりタイムこそ2番手であったが、よーいドンの競馬で前の馬をまとめて切り捨てた実力はやはり評価できる。
勝ちタイムも良く、例年のチューリップ賞の勝ちタイムに近い。2歳時にここまでのタイムを叩きだして勝てるのは大器の証拠ではなかろうか。また、阪神JFの勝ち馬はこのレースとも相性が良く、出走してくれば好走率は高い。
強いて不安点を挙げるのであれば、強さを見せつけたこの脚質だろうか。チューリップ賞は前残り傾向が強く、後ろからだと届かず2着以下というケースが多い。過去10年で後方からの競馬で勝ち負けしたケースは4頭しかおらず、うち3頭は後に桜花賞かオークス(G1)を勝った馬だ。
そこまでの器かどうかを見極めるのは困難だが、やってのける程度のポテンシャルはあると見ている。
続く「○」はルージュスティリアを指名する。
前走は新馬戦。そもそも時計のかかる馬場ではあった上、1000m通過65.9秒と超スローペースの流れ。にも関わらず前は残れず、中団から差し切って後続を完封。タイムは褒められたものではないが、勝ち方は強かった。
注目したいのは、このレースで2着に入ったのがスターズオンアースということ。今年に入ってフェアリーS(G3)とクイーンC(G3)でそれぞれ2着になるなど、王道路線ではないが能力は一線級の馬。重賞で勝ち負けできる馬を負かしているのは、やはりポテンシャルがあってのことと言えるだろう。今なら絶好の狙い目だ。
「▲」は10番ラリュエルとする。
前走はクイーンC。緩いペースで流れたレースで、直線でよーいドンとなってしまったが、その中でも終始3番手で粘って4着を確保。
ローテーション的には前例があり、また新馬戦で負かした相手に重賞で掲示板を確保する馬がいるなど、こちらもそういう物差しから考えると十分好走の目はある。前目で競馬することもこのレースの傾向を考えると有利だろう。
陣営からも、前走でマイナス10kgと大幅に減らした馬体が戻ってきていることと、重賞で好勝負できたことに自信を覗かせており、鞍上に川田騎手を確保したことで権利取りに万全の態勢を敷いて臨んでいる。
半兄ステイフーリッシュがサウジで久しぶりの勝利を挙げたこともあり、一族の血がここでも騒ぐ可能性もあると考え押さえてみたい。
「△」だが8番サウンドビバーチェと9番ウォーターナビレラの2頭を挙げる。
サウンドビバーチェの前走は菜の花賞(1勝クラス)。終始3、4番手を進んで直線でも危なげなく抜け出して勝利した。
昨夏にデビューして7着、未勝利戦6着と並みの馬だったのだが、秋に入って未勝利戦を勝ち上がると続く白菊賞(1勝クラス)をタイム差なしの2着と好走。そこからの前走で、別の馬になったかのような快進撃を見せている。
安定して前で競馬するようになってから戦績が良くなっているので、前残りしやすいこのレースでも自分の競馬ができれば侮れない1頭だろう。勢いがある割に人気がないので、こういう馬は押さえるに限る。
ウォーターナビレラは前走・阪神JFで3着。先行馬総崩れの流れで唯一粘り込んだ実力と、まがりなりにも重賞ウィナーであることは無視できない。
今回も人気の一角を担うであろうが、前走と違って鞍上込みで人気するのではなく、きちんと実力を評価されてのものだと言えそうなので、ここは素直に乗っておきたい。
人気どころだと6番ナミュールと14番ステルナティーアは切り。
ナミュールは前走・阪神JFで名手C.デムーロ騎手が騎乗しながらも、スタートで痛恨の出遅れ。差しが決まる展開になりながらも、後ろ過ぎて届かずの4着だった。
この馬が一番致命的なのはキャリア3戦すべてで出遅れていること。新馬戦、条件特別であれば能力でカバーできたのだが、さすがにG1となると通用しなかったのが前走の結果と言える。能力値を高く買われての人気だろうが、この出遅れグセが矯正できていない限りは重賞で好走することは厳しいと言わざるを得ない。
ステルナティーアは重賞での連対実績があり、そこを買われて前走の阪神JFでも人気した。だが阪神JFの予想でも触れた通り、その重賞のレースレベルに疑問があり、勝ったコマンドラインはホープフルS(G1)で1番人気を背負いながら12着と大敗している。
というところから考えても、いくら重賞の連対実績があったとしても、中身は評価できるような内容ではない。現に阪神JFで大敗しているわけで、ナミュールと同じく阪神JFが「たまたま」と見るのは危険だろう。あれが現時点の能力値と見て、ここは切りたい。
ということで、今回は3番、8番、9番、10番、11番の5頭で3連複BOX10点勝負としたい。サウンドビバーチェやラリュエルの激走で好配当も期待できそうだ。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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