JRA「単勝229倍」ピンハイ激走は当然!? 昨年フィリーズレビュー(G2)も11番人気3着好走…驚異的「阪神キラー」あの種牡馬に要注意!
3月13日(日)、阪神競馬場ではフィリーズレビュー(G2)が行われる。先週のチューリップ賞(G2)に引き続き、上位3頭に桜花賞(G1)への優先出走権が与えられるトライアル競走である。しかし、こちらは内回り1400mで施行されることから、よりスプリント色の濃いメンバーが集まっている。
フィリーズレビューは前述した出走メンバーの性質やコース形態から、ハイペースの高速決着となることが多い。予想においても、スプリント実績を持つ馬やスピード能力を強調した血統背景を持つ馬を積極的に狙いたい。
特に今年はミッキーアイル産駒の2頭に注目である。
20年に産駒がデビューし、現3歳世代が2世代目にあたるが、実は阪神コースが相性抜群。産駒の全61勝のうち約1/3にあたる19勝が阪神競馬場に集中している。特に内回りコースでの成績が良く、代表産駒であるメイケイエールは2、3歳時に阪神コースで重賞2勝を挙げ、現在もスプリント戦線で活躍している。
同産駒は昨年のフィリーズレビューでも、11番人気ミニーアイルが3着に好走し波乱を演出。先週のチューリップ賞でも、単勝229.8倍の13番人気ピンハイが2着に好走。阪神の、特に牝馬限定戦・世代限定戦では驚異的なパフォーマンスを見せている。
ナムラクレア(牝3歳、栗東・長谷川浩大厩舎)は、今回のメンバーでは唯一の重賞勝ち馬。阪神JF(G1)でも5着に善戦しており、実績面では頭一つ抜けた存在である。
新馬戦は3着に敗れたが、その後に飛び級で挑んだフェニックス賞(OP)で初勝利。勢いそのままに、次走の小倉2歳S(G3)で重賞初勝利を挙げた。勝った2走はどちらも1200m戦でのもの。主戦を務める浜中俊騎手が「マイルもこなせるけど、体形的には短距離馬っぽい」と話すように、スピード能力の高さが最大の武器だ。ここで重賞2勝目を挙げ、最高の形で桜花賞に向かいたい。
もう1頭のミッキーアイル産駒、スリーパーダ(牝3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)も侮れない存在だ。
6戦5勝、オークス(G1)を含む重賞3勝を挙げた名牝シンハライトの半妹にあたる良血馬。その他の兄弟にも世代限定戦での良績が多くみられ、仕上がりの早さが特徴の牝系である。実際にスリーパーダも、7月の早い時期に新馬戦を勝利。その後に挑んだ小倉2歳Sでは、前述のナムラクレアに次ぐ2着に好走している。
しかし1400mへの距離延長で挑んだ前走のファンタジーS(G3)では、道中で行きたがる面を見せて7着に惨敗。今回は再びの1400mへの挑戦、当然折り合いが課題になるが陣営は「じっくり走ることをメインにやってきた、精神的に大人になった」と自信のコメント。距離の壁を克服し、桜花賞への切符を掴みたい。
阪神1400mは非根幹距離かつコース形態も特殊で、能力以上に独特な適性が要求される舞台。「阪神キラー」の素質を秘めたミッキーアイル産駒2頭の好走に期待したい。
(文=エビせんべい佐藤)
<著者プロフィール>
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。
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