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JRA武豊“超抜時計”で追い切りも「あれから依頼がありません」、高松宮記念(G1)サンライズオネストに「もう頼まないでしょうね」の自虐コメント

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武豊騎手

 27日、中京競馬場では春のスプリント王を決める高松宮記念(G1)が行われる。

 昨年はレシステンシアに騎乗予定も、前週に右足を骨折し、無念の乗り替わりとなっていた武豊騎手。今年は、サンライズオネスト(牡5歳、栗東・河内洋厩舎)とのコンビで2年ぶりの参戦を予定している。53歳を迎えた最初のG1で目指すのは、2007年スズカフェニックス以来の高松宮記念制覇だ。

 ただし、1番人気だった昨年のレシステンシアに対し、今年の相棒となるサンライズオネストの下馬評は決して高くない。『netkeiba.com』の予想オッズでは、14番人気、単勝オッズは100倍超という大穴扱いとなっている。

 G1常連馬が多数を占める中、サンライズオネストは今回が初G1。重賞レースの出走もこれが3度目なのだから、人気がないのも仕方がないだろう。

 武騎手とは前走の阪急杯(G3)に続き通算4度目のコンビとなるが、当時の追い切りでちょっとした出来事があったという。

「武騎手を背に栗東坂路で1週前追い切りを行ったサンライズオネストは、48秒2という破格の時計を叩き出していました。ただし、ハロンごとのラップを見ると12.4-11.4-11.8-12.6。ラスト1ハロンで失速するという、お世辞にも良いとは言い難い追い切り内容でした」(競馬記者)

 また、その時の心境を武騎手は、公式サイトの日記で次のように明かしている。

「先週の坂路の追い切りに乗せてもらって、一気に持って行かれた数字が4ハロン48秒2。流行りの言い方をすればボクのパーソナルベストですが、うれしさはありません」(2月23日付)

 バタバタになってしまった最後のラップは、武騎手が「一気に持って行かれた」という言葉通り、サンライズオネストを制御できなかったことがわかる。

 それでも肝心のレースでは、好位3番手でしっかり折り合い、大健闘といえる3着に好走。しかも「+10㎏」というやや太目残りをひと叩きされたことで、前走からの良化が見込まれる。

 ただし、今回は“兄弟子”の河内調教師から調教での騎乗依頼はなかったようだ。武騎手が最新の日記で自虐的にこう綴っている。

「前走は1週前の坂路の追い切りに騎乗して48秒台の凄い時計。完全に持って行かれた内容で、あれからは追い切りの依頼がありません。ボクが河内調教師の立場でも、もう頼まないでしょうね(苦笑)」(3月24日付)

 いかにも武騎手らしいユーモアで前回の“失敗”を笑い飛ばした。それでも同じエントリーで、「距離が短くなるのは歓迎ですし、専門誌のシルシの薄さほど可能性のない馬とは思いません」とピシャリ。2桁人気濃厚の低評価には、心に期するところがあるはずだ。

 これまでJRAのG1を通算78勝している武騎手は、そのすべてを1~4番人気の馬で挙げている。騎手生活36年目にして自身初めての“大穴”をここであけることはできるだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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