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JRAジオグリフ皐月賞(G1)制覇に「笑い止まらん」福永祐一と「我慢」のC.ルメール。「明暗」を分けた交代劇、繰り返された“棚ボタ劇場”は「泥沼」の入り口か

JRAジオグリフ皐月賞(G1)制覇に「笑い止まらん」福永祐一と「我慢」のC.ルメール。「明暗」を分けた交代劇、繰り返された棚ボタ劇場は「泥沼」の入り口かの画像1
ジオグリフ 撮影:Ruriko.I

「トンネル」は想像以上に長く、そして深いのかもしれない。

 17日、中山競馬場で行われた牡馬クラシック開幕戦・皐月賞(G1)は、5番人気のジオグリフ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)が勝利。史上稀に見る混戦を断ち、まずは世代の中心に躍り出た。

 これが三冠ジョッキーの貫禄か。混戦だからこそ、鞍上・福永祐一騎手の好プレーが光った。

 勝利騎手インタビューで「数々のG1を勝っていますが、今日の点数をつけるとかなり上の方のランクになりますか?」という質問に対して、「上の方です(笑)」と笑顔の福永騎手。綿密にシミュレーションされたプラン通りの騎乗に「思い描いていたレースができた」と大きな手応えを感じた勝利だった。

 一方、そんな福永騎手に勝るとも劣らない完璧な競馬を見せながら、惜しくも2着に敗れたのがイクイノックス(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)とC.ルメール騎手だ。

 

イクイノックスの敗戦は、ただの1敗ではない

 

 勝った、はずだった。

 迎えた最後の直線、残り200mを切ったところで最初に先頭に立ったのはイクイノックスだった。すぐ後ろをジオグリフが追走していたが、脚色はほぼ互角。昨年11月の東京スポーツ杯2歳S(G2)以来のレースという常識を覆し、「規格外の怪物」が世代の中心に躍り出ると思われた。

 しかし、残り50mといったところでまさかの失速……。ルメール騎手が懸命にムチを入れたもののあっさりとジオグリフに交わされ、最後は1馬身差つけられた。

「勝ったと思ったのですが、先に抜け出したところで馬が止まってしまいましたね。最後はルメール騎手のムチに対してヨレていましたし、脚が上がってしまったのは、やはり休み明けの影響かもしれません。ただ、これで実戦感覚も戻ったでしょうし、次は重賞勝ちのある東京で行われる日本ダービー(G1)。ルメール騎手も『休み明けでもいい競馬だった』と話していましたし、逆転は十分に期待できると思います。

その一方で、ルメール騎手はなかなか重賞連敗のトンネルから抜け出せませんね。唯一、後塵を拝してしまったジオグリフは前走まで自身が主戦を務めた馬。イクイノックスとの兼ね合いで鞍上を福永騎手に譲りましたが、まさか“昨日の友”にやられてしまうとは……。ルメール騎手にとっては悔しい結果だったと言わざるを得ません」(競馬記者)

 ちなみに福永騎手のG1制覇は、これで2月のフェブラリーS(G1)に次いで2勝目。勝ったカフェファラオもまた、前走までルメール騎手が主戦を務めていた馬だけに、まんまと「二匹目のどじょう」をゲットした形だ。終始笑顔の勝利騎手インタビューは、まさに笑いが止まらないといった印象だった。

 一方のルメール騎手にとっては、昨年から続く「負の連鎖」をここでも止めることができなかった。

JRAジオグリフ皐月賞(G1)制覇に「笑い止まらん」福永祐一と「我慢」のC.ルメール。「明暗」を分けた交代劇、繰り返された棚ボタ劇場は「泥沼」の入り口かの画像2
C.ルメール騎手

 昨年12月から続く重賞連敗は、これで「25」。2015年のJRA移籍から順風満帆のキャリアを築いてきたフランス人騎手だが、ここまで長く苦しんだ姿はファンにとっても記憶にないはずだ。

「これまでさすがのルメール騎手でも、一時的に重賞勝ちから遠ざかる期間が何度かありました。ただ、それでも大事なレースではしっかり結果を残してきたからこそ今の立場があります。そういった経緯からも、今回のスランプも『その内、勝つでしょ』というのが大方の意見ではないでしょうか。

ですが『じゃあ、どの馬で勝つの?』と問われたときに、かつてのアーモンドアイやグランアレグリアのように、誰もが納得する絶対的存在を挙げることできないところが現在の深刻さを物語っていると思います。だからこそ今回のイクイノックスで、負の連鎖を止めておきたかったのですが……。この“トンネル”は、意外に長いかもしれませんよ」(同)

 気になるのは、ルメール騎手の騎乗馬の質だ。

 この週末も騎乗馬の大半が1、2番人気だったように、平場では相変わらず5年連続リーディングジョッキーの貫禄を見せているルメール騎手。

 しかし、こと「重賞」においては昨年、12月のチャレンジC(G3)で最後の重賞勝ちを収めるまでが【35.17.9.9】と、約半数が1番人気だったことに対して、それ以降から現在までは【7.7.0.11】と明らかに騎乗馬の質が落ちている。

 実際に先週の桜花賞(G1)では、12番人気のフォラブリューテ(14着)に騎乗とルメール騎手らしからぬ人気薄。また、翌々週に控える天皇賞・春(G1)でも、前走3勝クラスをクビ差で勝ち上がったハーツイストワールの騎乗が想定されており、とても主役級とはいえない。

「全部勝ちたいですけど、競馬で勝つことは難しいです。だから我慢しないといけないです」

 皐月賞前の共同会見で、自身の重賞連敗についてそう語っていたルメール騎手だが、今回も「勝つことの難しさ」を改めて実感したに違いない。果たして「我慢」の時はいつまで続くのか。

 イクイノックスと逆転を期す日本ダービーでは「チャンスがある」と期待を込めているだけに、本番を迎えるまでに“雑音”を封じておきたいところだ。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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