キタサンブラック×武豊コンビにも不可能な「珍記録」? 1984年グレード制導入以来「史上初」の快挙へ向けてアンビシャスが大阪杯連覇に挑む!
仮にこの馬が優勝すれば、日本競馬の長い歴史のなかでも初の快挙が達成されることになる。
今週末に開催予定の新G1・大阪杯。キタサンブラックをはじめ中距離路線の猛者が揃ったなかに、昨年の覇者アンビシャス(牡5、栗東・音無秀孝厩舎)もしっかりと出走登録を済ませている。
重賞初制覇となった一昨年のラジオNIKKEI賞以来、2年の間1800~2000mを主戦場に活躍してきた同馬。だが未だにG1タイトルはゼロのままだ。掲示板には2度載った経験があるものの、なかなか勝ち切るまでいかないのが歯がゆいところである。
しかし今回は、昨年にキタサンブラックを制した絶好の舞台。加えて阪神内回り芝2000mは牡馬の出走可能な重賞が年に2度しかないため、コース適性が保証されているアンビシャスは相対的に有利な立場にある。初のG1制覇にはまさにおあつらえ向きだろう。
さらにアンビシャスが優勝すれば、1984年のグレード制導入以来「史上初」となる快挙達成のおまけがついてくることも、ささやかながら見逃せないポイントだ。
快挙の内容は「G2→G1昇格前後での連覇達成」という珍記録。要するに、今日本に存在するG1のうち、G2から昇格したレースのなかで、昇格前後の連覇を成し遂げた馬は過去に1頭たりともいなかったということなのだ。
少しわかりにくい話なので、実際の例を出して説明していこう。まず日本競馬の歴史を振り返ると、グレード制導入の際にG1競走に指定されたのは、格式が高いとされたいわゆる8大競走(東京優駿、皐月賞、菊花賞、桜花賞、優駿牝馬、天皇賞・春、天皇賞・秋、有馬記念)。それにジャパンC、宝塚記念、エリザベス女王杯、安田記念、マイルCS、さらに現代でいう2歳G1の朝日杯3歳S&阪神3歳Sを加えた15レースだ。
その後、1990年にはそれまでG2だったスプリンターズSがG1に昇格。番組改編のあった1996年には高松宮記念(当時の名称は『高松宮杯』)が格上げされ、以降は紆余曲折を経て、現在のG1の総数は24まで増加している。
過去に下の格付けからG1に昇格したのは、前述のスプリンターズS、高松宮記念、そしてダートグレード競走発足の際に昇格を果たしたフェブラリーSの計3レース※。それぞれの昇格前後の優勝馬を並べると、以下のようになる。
PICK UP
Ranking
11:30更新- 【日本ダービー】武豊「何とか間に合いました」キタサンブラック弟と挑む最多7勝目…乗り替わりでも不気味なエコロヴァルツの底力
- 【NHKマイルC】C.ルメール「一鞍入魂」アスコリピチェーノと必勝態勢!オークス、日本ダービーも騎乗馬決定か…シックスペンスとはコンビ解消
- 三浦皇成「これはモノが違う」悲願のG1初制覇が目前で霧散…「今後、ダート界を引っ張る馬になってほしい」宿敵レモンポップへ1年越しの挑戦状
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
- 【天皇賞・春】「横山典弘マジック」に翻弄された敗戦の弁?大敗でも爪痕残した名手の存在感…テーオーロイヤル、ディープボンドの好走にヒント
- 藤田菜七子「日本ダービー騎乗」は幻に!? 武豊シュガークン×エコロヴァルツ「究極の二者択一」ダービー鞍上問題はスピード決着
- 【オークス】石川裕紀人が滑り込みでラストチャンスをゲット!?血統的に距離延長歓迎の穴候補に浮上…カワカミプリンセス、カレンブーケドールに続けるか
- 「うまく力を出せた」2年目女性騎手が2ヶ月ぶり白星! 「負担重量の注意義務」を怠り戒告処分も…翌日1Rで名誉挽回の好騎乗
- 「信じた俺がアホ」天皇賞・春(G1)大本命テーオーロイヤル優勝も「自信の1点勝負」は空振り…藤田伸二氏が前夜に感じ取っていたドゥレッツァの危険な前兆
- 【NHKマイルC】“アスコリピチェーノVSジャンタルマンタル”仁義なき社台グループの頂上決戦に決着をつける不気味な伏兵!
関連記事
大阪杯の有力馬マカヒキとサトノクラウンが”水面下”で激しく激突!? お互いの生き残りをかけ、二転三転する「天の意志」を掴むのは……
大阪杯(G1)マルターズアポジーの前走がヤバイ……「サイレンススズカ級」の”暴走”押し切りに「有馬とは別馬」
大阪杯G1昇格がステファノスにとって「ありがたすぎる」? 真意を物語るパートナーの発言と、昨年の鳴尾記念&宝塚記念から垣間見える「地の利」とは……
大阪杯ヤマカツエースに宿る池添親子の”野望”。父が導き出した「至高の馬体」と息子が編み出した「究極の競馬」が”鬼門”の仁川で開花する
【データが示す】キタサンブラック大阪杯ぶっつけローテの「危険度」参考になるのは「あのレース」だ