JRA【函館SS(G3)展望】電撃6ハロン戦で「サクラバクシンオー」の血が騒ぐ!? 「快速逃げ馬」ビアンフェVS「278万馬券使者」キルロード!
安田記念(G1)が終わると、サマースプリントシリーズが開幕。中央競馬に本格的な夏シーズンが到来する。その先陣を切るのが、12日に行われる函館スプリントS(G3)だ。
北の大地で行われる電撃の6ハロン戦には、毎年のように短距離血統の快速馬がそろう。もちろん今年も例外ではない。特に注目したいのが現役時代に名スプリンターとして鳴らし、種牡馬としても数々のスピード馬を輩出したサクラバクシンオーの血を持つ馬たちだ。
1月にJRA現役最後のサクラバクシンオー産駒ダイシンバルカンが抹消され、直仔は中央のターフを去ったが、父の父や母の父として今も存在感を放っている。今年の函館SSにはそんなサクラバクシンオーの血を持つ馬も何頭か出走を予定している。
サクラバクシンオー産駒のルシュクルを母に持つビアンフェ(セ5歳、栗東・中竹和也厩舎)は、距離万能のキズナ産駒で、スプリント重賞3勝の実績を持つ快速逃げ馬。函館2歳S(G3)と札幌開催の昨年の当レースを逃げ切っており、洋芝では無類の強さを誇る。オーシャンS(G3)3着からの参戦は、昨年と同じ臨戦過程。今回も藤岡佑介騎手を背にテンから飛ばしていくだけだ。
そのビアンフェの最大のライバルになり得るのは同じく母の父がサクラバクシンオーというキルロード(セ7歳、美浦・田村康仁厩舎)である。
前走の高松宮記念(G1)では17番人気の低評価を覆し、「クビ+ハナ」差の3着に激走。三連単配当は278万円超という大波乱の立役者となった。
デビュー当初は芝2000m前後の中距離でも好走していたが、ダート中距離を経て、5歳春に芝スプリントに転向。するとそれまで1勝クラスを勝ち切れなかった馬が1年4か月ほどの間に5勝を挙げ、完全に本格化した。
前走後は放牧に出ていたが、5年ぶりとなる北海道で実戦復帰。前走がフロックではなかったことを証明するためにも、そしてスプリンターズS(G1)への挑戦権を得るためにもここでの賞金加算は至上命題だ。
もちろんサクラバクシンオーの血を持たない馬にもチャンスがある。
プルパレイ(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、2走前のファルコンS(G3)を制し、前走NHKマイルC(G1)でも穴人気した。ところが、中団からいいところなく15着に大敗。今回は距離を400m短縮し、自身初のスプリント戦で巻き返しを図る。
2017年ジューヌエコール以来となる牝馬Vへ、今年は牝馬の層も厚い。
重賞勝ち馬だが、50kgの軽量で走ることができるナムラクレア(牝3歳、栗東・長谷川浩大厩舎)。昨夏の小倉2歳S(G3)を最後に勝利こそないが、前走の桜花賞(G1)では3着に食い込むなど7戦して掲示板を外したことがない。2戦2勝のスプリント戦なら、古馬・牡馬をまとめて負かしてもおかしくない。
昨年のフィリーズレビュー(G2)覇者、シゲルピンクルビー(牝4歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)は前走の鞍馬S(OP)で1年2か月ぶり勝利を飾った。昨年の当レースでは2番人気に推されたが9着に敗退。1年前の借りを返せるか。
昨年8月のキーンランドC(G3)を4連勝で制したレイハリア(牝4歳、美浦・田島俊明厩舎)は、その後が振るわない。昨年11月の京阪杯(G3)で最下位16着に敗れると、前走の高松宮記念ではブービー17着といいところなし。1戦1勝の洋芝で復活の勝利を目指す。
この他には、4月の春雷S(L)を制したヴェントヴォーチェ(牡5歳、栗東・牧浦充徳厩舎)、洋芝経験豊富なアスタールビー(牝6歳、栗東・南井克巳厩舎)、ライトオンキュー(牡7歳、栗東・昆貢厩舎)などもスタンバイ。母にシーザリオを持つファーストフォリオ(牝5歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、出走がかなえば武豊騎手と2度目のコンビで臨む。
スプリンターズSへ向けて、夏競馬で幸先よくスタートダッシュを決めるのは果たしてどの馬になるのか。函館SSは12日、15時25分に発走予定だ。
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