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JRA宝塚記念(G1)「負けるわけがない」究極仕上げに応えた佐藤哲三の満点騎乗!名牝ブエナビスタを完封した衝撃のレコード

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撮影:Ruriko.I

 26日、阪神競馬場では春のグランプリ・宝塚記念(G1)が行われる。

 これまで数々の名勝負を生んできたこのレース。なかでも2011年の覇者アーネストリーがマークした勝ち時計2分10秒1は、いまだに破られていないレコードタイムとなっている。

 好タイムだった翌2012年の勝ち馬オルフェーヴル(2分10秒9)や2019年に圧勝したリスグラシュー(2分10秒8)らのそれと比較すると、如何に破格であったかよくわかる。それほどハイレベルな一戦でもあったということだ。

 ドバイ帰りの初戦となったヴィクトリアマイル(G1)で三冠牝馬アパパネと激闘を演じた名牝ブエナビスタ、金鯱賞(G2)で最後方から豪快な差し切り勝ちを決めた無冠の大器ルーラーシップ、天皇賞・春(G1)で2着に好走した前年のダービー馬エイシンフラッシュらが3強を形成した。

 アーネストリーは前年の宝塚記念で3着に好走していたものの、2走前の天皇賞・秋(G1)でブエナビスタに、前走の金鯱賞でルーラーシップにいずれも完敗していたことから、あくまで6番人気の伏兵に過ぎなかった。

「負けるわけがない」究極仕上げに応えた佐藤哲三の満点騎乗!

 G1馬5頭が集まった一戦のゲートが開くと、アーネストリーは1枠2番の絶好枠から同枠のナムラクレセントを前に行かせて2番手を追走。前半1000m通過タイム58秒7とやや速めのペースでも、「無理に控えたら持ち味が出ませんから」と主戦の佐藤哲三騎手は道中も緩めることなく強気な姿勢を崩さない。

 後方にいた有力馬たちを尻目に楽な手応えで最後の直線に入ると、早々に先頭へ立ち渾身のラストスパートを開始。後ろからエイシンフラッシュとローズキングダム、外からブエナビスタが猛追するもセーフティーリードを保ったまま1着でゴールを駆け抜けた。

 アーネストリーにとっては3度目の挑戦にして初のG1制覇。また同じ佐々木晶三厩舎の先輩でもあるタップダンスシチーが2004年にマークしたレースレコードを1秒も更新する衝撃のレコード決着となった。

 同馬を管理していた佐々木師は後の『スポーツナビ』の取材に「この馬が100%の状態だったら、絶対にG1を勝てる馬だと思っていた。今日は本当に具合が良かったから、タップダンスシチーが勝ったジャパンカップ前と同じ心境でしたね。負けるわけがない」と語ったほどの究極の仕上げ。

「本当に疲れました」

 レース後には思わずそんな言葉も飛び出した鞍上だったが、陣営の想いを背負い見ていた誰もが感じた“職人”たる一鞍入魂に多くの競馬ファンが心奪われたはずだ。どんな有力馬がいようと、馬自身の能力を最大限に引き出すことに集中した陣営の執念が実った会心のレースでもあった。

 あれから11年。当時と似て下馬評では黄金世代との呼び声も高い現4歳世代のタイトルホルダーとエフフォーリア、三冠牝馬デアリングタクトらが上位人気の構図となりそうだが、他の馬にチャンスがないかといえばそんな事はない。あの時のように、渾身の仕上げを施した思わぬ伏兵が金星を掴む可能性だって十分にある。

 果たして今年はどんなドラマが待っているだろうか。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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