勝ち上がり率92.3%!「武豊×藤田晋」ヒラリは確勝級!?

17日、函館5R・2歳新馬(芝1800m)で、ヒラリ(牝2歳、栗東・武幸四郎厩舎)がデビュー予定だ。
同馬を所有するのは『ウマ娘オーナー』ことサイバーエージェント社長の藤田晋氏、鞍上を務めるのは武豊騎手なので、現3歳のドーブネと全く同じ。しかも千葉サラブレッドセール出身というところまで共通している。
性別以外はほぼ同じプロフィールを持つ2頭だが、セリでの落札価格だけは大きく違う。同セール史上最高となる5億1711万円(税込、以下同)で落札されたドーブネに対し、ヒラリは約8分の1の6424万円。それでもヒラリのそれは今年の同セールにおける最高額だった。
競走馬のセリ市で最も有名なのが今週月曜と火曜に行われたセレクトセールだろう。ご存じのように今年も当歳馬と1歳馬が億単位で次々と競り落とされていった。片や千葉サラブレッドセールは2歳馬が対象。しかもデビューを間近に控えた5月に行われる。
そしてセレクトセールなどと大きく違うのが、その名の通りトレーニング形式で行われることだ。上場馬はセリの前に実戦形式の走りを披露する。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、セリの数日前に調教映像とタイムが公開されたが、19年までは船橋の1400m外回りダートコースにて2ハロンのタイムが計測され、その直後にセリが行われる形式が取られていた。
「千葉サラブレッドセールでは、セレクトセールに多数いる“金の卵”はほとんどいないかもしれませんが、いわゆる即戦力候補が目白押し。セリの数週間後には賞金を稼いでくれる可能性もあります。生まれて数か月の当歳馬に数億円をつぎ込むのに比べればリスクもかなり低いといえるでしょう。
即戦力という点では、今年の2歳馬も早くから結果を残しています。これまで8頭がデビューし、勝ち上がったのは2頭。そのうちの1頭、アスクドリームモアは今週の土曜に行われる函館2歳S(G3)で有力馬の1頭に数えられています」(競馬誌ライター)
13頭中12頭がJRAで勝ち上がりの即戦力
競走馬としてのトレーニングをすでに積んだ2歳馬のセリ市ということもあって、落札価格と競走馬としての活躍がある程度比例しているのも同セールの特徴である。
2016年から昨年までの5年間(20年はコロナ禍で中止)で、5000万円以上の高額で落札された2歳馬は合計13頭いた。驚くことにこのうち12頭がJRAで勝ち上がっており、勝ち上がり率は92.3%にも上る。
ちなみに昨年5000万円以上で落札された4頭は先週までにそろって2勝を挙げ、ドーブネとアスクワイルドモアの2頭は2歳G1にも出走。文字通り、即戦力として活躍している。
さて、今年の同セール最高額で落札されたヒラリだが、セール前に社台ファームの坂路で行われた調教で2ハロン11秒1-10秒5の好タイムをマーク。併せ馬で一杯に追われたラストの伸びはデビュー前の2歳馬とは思えないほどの力強さがあった。
実際にヒラリへの応札件数は全体で2番目に多い112件に上り、資金力豊富な藤田オーナーが落札するに至った。
武幸厩舎に預託されたヒラリは、入厩後も即戦力にふさわしい動きで調教をこなし、武幸調教師からも「トレーニングセール出身だけあって、以前から動けることは動けていたし、乗り込み量も十分すぎるほど」と初戦に向けて自信のコメントが出ている。
ただ、追い切りに跨った武騎手は「まずまず動くね。気性的に難しいので冷静に走ってくれれば」と、気性面を課題に挙げるなど、トーンはやや控えめか。
昨年はドーブネがデビューから2連勝を飾ったが、ヒラリも同様のロケットスタートを切るのか。気性的な難しさを出さなければドーブネ以上の活躍も期待できそうだ。まずは日曜のデビュー戦を楽しみに待ちたい。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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