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絶体絶命から神回避!?ファインプレーに賞賛の声

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 17日、函館競馬場で行われた7Rの1勝クラスは4番人気のメイショウホマレが優勝。前走は初の芝挑戦が裏目となるシンガリ負けを喫したが、初勝利を飾ったダートに戻して見事な変わり身をみせた。

 また、初めて同馬の手綱を取った鷲頭虎太騎手の迷いのない好騎乗も光った。

 レースでは好スタートを決めると、序盤から軽快に逃げて後続を突き放す。その勢いは最後まで止まることなく、2着に2馬身差をつける鮮やかな逃げ切り勝ち。生まれ故郷の北海道で見事な5勝目を挙げた。

 予定していた最後のレースを会心の騎乗で制した鷲頭騎手だが、実は午前中のレースではあわや大惨事の出来事に見舞われていた。

 それは2Rの3歳未勝利でのこと。騎乗したのは、単勝13番人気のリュウノイチモンジ(牡3、栗東・牧田和弥厩舎)だった。

 14頭立てのダート1700mで行われたレース。真ん中8番枠からスタートを決めると、鞍上が積極的に促して先行集団へ取りつく。しかし、その直後だった……。

「おっと、1頭バランスを崩して……」

 実況も思わず声をあげたように、1コーナー手前でリュウノイチモンジが突如躓いてしまう。鞍上の鷲頭騎手は右前方に大きくバランスを崩し、このまま落馬することも十分考えられた。

「しかし、立て直しました!」

 ところが、馬の首にしがみつくようにして必死に堪えていた鞍上は、そこから驚異のリカバリーをみせて再び態勢を整える。

 その後、鐙が外れながらもレースに復帰。残念ながら最後の直線ではすでに余力はなく最下位に終わったものの、無事に完走を果たしたのだから陣営にとってはホッと一息といったところだろう。

 そのまま落馬していれば他馬も巻き込む可能性も十分にあったため、レース後にはネットの掲示板やSNSでも「凄すぎる」「信じられない」「すごい体幹だ」など、あわやの惨事を回避した鞍上に賞賛の声があがっていた。

「パトロール映像をみると、12番のパリヘンジに騎乗していた横山和生騎手が外からリュウノイチモンジの前を横切った際に躓いたようにみえました。

実際、レース後にはJRAから『1コーナー手前で、12番パリヘンジが内側に斜行したため、8番リュウノイチモンジがつまずく事象がありました』として横山和騎手に過怠金10万円の制裁が下っています。

あわや大惨事だっただけにヒヤッとしましたが、鷲頭騎手は半分落馬している状態からよく立て直しましたよ」(競馬誌ライター)

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泉谷楓真騎手

 また、2年前には同じく新人だった泉谷楓真騎手が今回同様に落馬寸前から立て直して完走を果たした事例もあった。

 その際も、騎乗馬がスタート直後に躓いたことで左横に体を投げ出されたものの、10秒近くにも及び必死にしがみついたのち、驚異的なリカバリー能力で立て直しレースに復帰している。まだデビュー間もない新人騎手が自身より遥かに大きい馬を相手に踏ん張る体幹の強さには、改めて驚かされるばかりである。

 同期の今村聖奈騎手が快進撃を続ける陰で、斜行による騎乗停止や過怠金の制裁を受ける場面も多く、度々悪目立ちしていた鷲頭騎手。だが、今回の絶体絶命ともいえる窮地からの神回避は汚名返上といえるファインプレーだった。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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