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「ウマ娘」軍団の新エース?ベールを脱ぐ米国3冠産駒

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 先週からスタートした夏の新潟開催。名物重賞・アイビスサマーダッシュ(G3)も行われたなか、大きなインパクトを残したのが2歳新馬戦だった。

 7月30日の芝1600m戦では、1番人気のリバティアイランドが後続に3馬身差をつける完勝。叩き出した上がり3ハロン「31秒4」という驚異的な数字が大きな話題となった。

 さらに翌31日も、芝1800mのレースで有望株が激突。昨年のセレクトセールで1億8150万円の値が付いたダノントルネードが、同セールにて2億4200万円で落札されたシャザーンとの熾烈な叩き合いに競り勝ち、ハナ差で初勝利を掴んでいる。

ベールを脱ぐ米国3冠産駒

 そして今週も、新潟で行われる2歳新馬戦に注目の若駒がエントリー。7日の芝1600m戦でデビューを迎えるのが、Justify産駒の外国産馬・ワインワインレッド(牡2歳、栗東・森秀行厩舎)だ。

 同馬は人気競馬ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)で有名な株式会社サイバーエージェントの社長・藤田晋氏の所有馬で、昨年のキーンランドセプテンバーセールで森秀行師が65万ドルで落札した。アクシデントなく無事に出走が叶えば、現在のところ計13頭登録されているこの父の産駒の中で一番乗りのJRAデビューとなる。

 父のJustifyは、2018年に無敗で米国三冠を成し遂げた名馬。明け3歳のデビューながらケンタッキーダービー(米G1)を制し、それも136年ぶりという歴史的な偉業だったことで大きな話題となった。

 6月のベルモントS(米G1)を勝って三冠を達成した後は、左前肢の球節に故障が判明したため7月に引退を決断。2018年2月のデビューからわずか5カ月でキャリアに幕を下ろすこととなったが、生涯成績6戦6勝でG1を計4勝という輝かしい功績を残した。

 今年がデビューイヤーとなる産駒の成績も好調で、ここまでの北米新種牡馬リーディングを見ると、15頭が出走してすでに6頭が勝利。Just Cindyという馬が、サラトガで行われたダート1200mのシュイラーヴィルS(米G3)を勝って重賞勝利も挙げている。

 また、活躍はアメリカだけに留まらず、実はこの産駒の初重賞制覇は芝のレースだった。

 アイルランドでデビューしたStatuetteという牝馬が5月に未勝利を勝ち上がると、続戦した芝1200mの重賞・エアリースタッドS(愛G2)を見事に制覇。海の向こうで芝・ダート問わずに活躍馬を輩出しているだけに、日本での活躍も楽しみになってくる。

 もちろん、日本の芝の適性については未知の部分が大きいとはいえ、その中で手がかりを探ってみると、Justifyの父であるScat Daddyの産駒には、2019年に高松宮記念(G1)を制したミスターメロディがいる。

 同馬はダートで新馬戦を勝ち上がりながら、3歳春に初の芝挑戦となったファルコンS(G3)を快勝。NHKマイルC(G1)でも4着に入るなど、持ち前のスピードを武器に芝の大舞台で存在感を発揮した。

 こうした例もあり、アメリカのダート戦線で活躍した父の産駒であっても、初めからダート馬と決めつけるのは早計という見方もできるだろう。

 例えば、ワインワインレッドと同じ藤田オーナー×森厩舎のタッグでは、米国G1馬More Than Ready産駒のジャングロが芝の短距離路線で活躍中。キャリアでダートを走ったのは1度だけで、今年4月には芝1600mの重賞・ニュージーランドT(G2)を制した。

 昨年はそのジャングロの活躍もあり、馬主デビュー初年度から重賞勝利という離れ業をやってのけた藤田氏。デビューした5頭がみな勝ち上がる“持っているオーナー”としても話題になったが、今年デビューの世代はここまで【0-2-0-2/4】と勝利から遠ざかっている。

 とはいえ、ここまでの成績は“黄金コンビ”である森厩舎の管理馬なしでのもの。藤田氏は地方含む通算12勝のうち、実に10勝を森師が手掛けた馬で挙げているだけに、今年もこのタッグは見逃せない。

 注目度で言えば、土曜に新潟でデビューするリアルスティール産駒のフェイトの方が大きくなりそうではあるが、フタを開けてみたら今年も「ウマ娘」軍団のエースは森厩舎から……となる可能性もある。黄金コンビが送り出す、米国3冠馬産駒のJRAデビューから目が離せない。

(文=木場七也)

<著者プロフィール>
 29歳・右投右打。
本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。
ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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