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2戦合わせて「23番人気」の大金星!札幌記念制覇エアグルーヴに続いたのは、レース史上最高配当を生んだお転婆娘

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 今週末の札幌競馬場では、毎年大きな注目を集める札幌記念(G2)が開催される。

 白毛の女王ソダシをはじめ、春には5連勝で金鯱賞(G2)をレコード勝ちしたジャックドール、ドバイターフ(G1)を制したパンサラッサなど錚々たるメンバーが集まった印象だ。

 古くは女帝エアグルーヴが連覇を果たしたこのレース。初制覇後に天皇賞・秋(G1)も連勝したことは、競馬ファンの間では有名だろう。当時はまだ牡馬の壁が厚かった時代。バブルガムフェローとの一騎打ちを制し、天皇賞・秋が距離2000mとなって以来、初の牝馬による優勝を決めたことは、多くのファンの記憶に刻まれた快挙でもあった。

 牡馬と互角に渡り合ったエアグルーヴだけではなく、同じように札幌記念を勝った後に、天皇賞・秋で連勝を飾った牝馬がいることをご存じだろうか。

 それは、2005年の優勝馬ヘヴンリーロマンスである。早くからG1で活躍したエアグルーヴとは対照的に、こちらは初重賞制覇となった阪神牝馬S(G2)まで、実に24戦を要した遅咲きだ。

 この年の札幌記念は、前走の目黒記念(G2)をレコード勝ちしたオペラシチーが1番人気。巴賞(OP)と函館記念(G3)を連勝中のエリモハリアー、桜花賞馬ダンスインザムードがそれに続いた。ヘヴンリーロマンスは前走のクイーンS(G3)で2着していたものの、連闘ということもあってか9番人気と低評価だった。

 しかし、いざレースが始まると、中団よりやや後方にいたヘヴンリーロマンスが人気馬たちを置き去りにする差し切り勝ち。2着に12番人気ファストタテヤマ、3着にも13番人気コイントスが入る大波乱となり、今もなお札幌記念史上最高払戻額である3連単「275万馬券」の立役者となった。

 そして、ヘヴンリーロマンスの大金星はこれだけに留まらなかった。

2戦合わせて「23番人気」の大金星!

 続く天皇賞・秋では、G2の札幌記念を勝利したにもかかわらず、フロック視したファンも多く、14番人気の大穴扱い。前年に秋古馬三冠を達成したゼンノロブロイ、宝塚記念(G1)で2着のハーツクライ、京都大賞典(G2)を勝ったリンカーンなどの強豪が揃っていたこともあり、世間からの評価は高くなかった。

 ところがレースでは、先に抜け出したダンスインザムードとゼンノロブロイの間を縫うように交わして勝利。9番人気だった前走に続き、14番人気でも波乱を演出したのである。2戦合わせて23番人気だったのだから、1番人気→2番人気で連勝のエアグルーヴとは、立場やファンの評価でいかに大きな違いがあったかが、伝わるだろう。

 さらにこの日は、106年ぶりに天皇・皇后両陛下を迎える「天覧競馬」となった天皇賞・秋でもあった。勝利後、主戦の松永幹夫騎手(現調教師)が両陛下に向かい馬上で最敬礼したシーンは、今もなお競馬ファンの間で語り継がれる名場面となっている。

「ヘヴンリーロマンスは気性が非常に激しい馬で、止まるどころか、普通に歩かせることさえも難しかった。スタンド前で止まり、馬上で頭を下げるなんて、とてもじゃないけど無理…と思った」

『東京スポーツ』の記事によると、現在は調教師となった松永師も当時のパートナーのことをそう振り返っているが、何故かその日は大人しく静寂を保っていたそうだ。「特別な勝利」だったことを密かに感じ取っていたのかもしれない。

 あれから17年。今年の札幌記念にもソダシ、ユーバーレーベン、ウインマリリン、フィオリキアリなど4頭の牝馬がエントリー。もしかしたら、この中からもエアグルーヴやヘヴンリーロマンスのように札幌記念から天皇賞・秋を連勝する馬が出るかもしれない。

ハイキック熊田

ハイキック熊田

ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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