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JRA【小倉2歳S(G3)展望】過去5年で3勝武豊のクリダームに期待大!

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 夏の小倉開催を締めくくる小倉2歳S(G3)が9月4日に行われる。このレースを通算4勝、過去5年で3勝しているのが武豊騎手だ。

 53歳にして日本ダービー(G1)を制するなど、“レジェンド”として存在感を発揮する武騎手。今年はクリダーム(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)とのコンビで当レース通算5勝目を狙いにきた。

 前日に行われる札幌2歳S(G3)でもアンテロースでタッグを組む武豊騎手とインゼルレーシング。よりチャンスがあるのは函館2歳S(G3)で2着しているクリダームの方か。

 その前走はスプレモフレイバーとのハナ争いを制して先頭に立つと、ゴール寸前まで粘り込んでの2着。最後は大外から追い込んできたブトンドールに差し切られたが、先行馬がそろって下位に沈んだ結果を考えれば、着差(1.1/4馬身)以上に濃い内容だったともいえる。

 武騎手も「1頭強い馬がいましたね」と勝ち馬を称えた上で、「この馬もいいスピードがありますよ」と、その能力に期待をかけている。

 ただし、最終週の小倉芝は逃げ・先行馬には不利になることが多く、過去10年で初角を1番手で通過した馬は「0-1-0-9」、同2番手だった馬も「2-1-0-12」とさえない。能力は間違いなくあるだけに、当日の馬場もカギとなりそう。

 昨年設立されたばかりのインゼルレーシングの初年度募集馬は、デビューした5頭中2頭がすでに勝ち上がる好スタートを切っている。重賞勝利でさらに勢いを加速させることはできるか。

 新種牡馬サトノクラウンの初年度産駒、メイショウコギク(牝2歳、栗東・南井克巳厩舎)は、当レースを過去3勝している和田竜二騎手とのコンビで臨む。

 今月13日の小倉2歳新馬(芝1200m)でデビュー勝ちしたが、その内容が圧巻だった。外目の枠から積極策で先手を奪ったメイショウコギク。楽な手応えで直線を迎えると、後続との差は離れる一方だった。逃げ・先行馬有利の高速馬場も味方に最後は2着馬に6馬身差をつけた。

 レース後、和田竜騎手は「(今後は)どんどん良くなると思いますし、まだまだ楽しめそうな馬」と将来性に太鼓判を押しており、今回もスピードの違いですんなりハナを奪うことができれば、押し切る可能性もあるだろう。ただし、先述した通り、過去10年は逃げ馬が苦戦しており、その傾向を覆せるかどうか。

 和田竜騎手は13年ホウライアキコ以来、9年ぶり4度目の小倉2歳S勝利を狙う。

 クリダームとメイショウコギクに次ぐ3番手に名前を挙げたいのは、デビュー戦で道中3番手から勝利しているプロトポロス(牡2歳、栗東・西村真幸厩舎)だ。

 6月の中京2歳新馬(芝1200m)で福永祐一騎手を背にデビューしたプロトポロス。単勝1.4倍の1番人気に支持され、道中好位から直線では前にいた2頭を楽々と捉えて初陣を飾った。

 福永騎手は「レースは非常にスムーズで期待通りの走り」と本馬の能力の高さを称え、「次は重賞にチャレンジしてもいい」と語っていた。その言葉通り、約3か月ぶりとなる一戦で重賞勝利を見据える。

 中間の動きも上々で、1週前追い切りは栗東CWで一杯に追われ、6ハロン84秒1をマーク。特に目立ったのがラスト1ハロン10秒9という切れ味。3頭併せでしっかり最先着も果たしている。

 右回りへのコース替わりが数少ない課題の一つとなるが、それさえクリアできれば前を行くであろう2頭を直線で差し切るシーンもありそう。福永騎手は勝てば、03年メイショウボーラー以来、19年ぶり2勝目となる。

 20年ぶりに当レースに騎乗するのは37年目の大ベテラン・横山典弘騎手だ。その時は1番人気チャニングガールに騎乗し、4着に敗れており、20年越しのリベンジを狙う。

 今回コンビを組むのは「短距離王国」の安田隆行厩舎が送り込むアウクソー(牝2歳、栗東・安田隆行厩舎)。7月の福島で戸崎圭太騎手を背にデビューし、5馬身差の圧勝を飾ったが、今回は横山典騎手に乗り替わる。

 今夏は小倉に滞在し、40戦2勝と不本意な成績に終わった横山典騎手。フィナーレで存在感を放つことはできるか。

 ニシノトキメキ(牝2歳、栗東・北出成人厩舎)は、初戦3着の後、2戦目で逃げて勝ち上がった。今回は同型馬がそろっており、ハナ争いは激化しそうだが、なんとかマイペースの逃げに持ち込みたい。

 鞍上を務めるのは21歳の亀田温心騎手。重賞2勝を含む38勝を挙げた昨年から一転、今年はまだ3勝と苦しんでいる(27日現在)。師匠の北出調教師に恩返しするためにも気合が入る一戦となりそうだ。

 この他には、重賞騎乗が板に付いてきた今村聖奈騎手とのコンビで臨むミカッテヨンデイイ(牝2歳、美浦・堀内岳志厩舎)、小倉芝1200mのデビュー戦でマークした勝ちタイム1分8秒2はメイショウコギクのそれより0秒4速かったロンドンプラン(牡2歳、栗東・宮本博厩舎)、それよりさらに速い1分8秒1の持ち時計があるクインズエルサ(牝2歳、栗東・西村真幸厩舎)なども上位進出をうかがう。

 武騎手、和田竜騎手、福永騎手、横山典騎手などベテラン勢が熟練の技を見せるのか。それとも亀田騎手、今村騎手などの若手がそれに抗うのか。注目の小倉2歳Sは9月4日、15時35分に発走を予定している。

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