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JRAサトノダイヤモンドが早くも「種牡馬大失敗」の危機!? 格下ライバルと立場逆転…「虎の子」クラシック候補に痛恨アクシデント

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 先週3日に行われた札幌2歳S(G3)は、ドゥラメンテ産駒のドゥーラが1番人気に応えて勝利。鞍上の斎藤新騎手にとっても、嬉しい重賞3勝目となった。

 他にもシャンドゥレールやブラストウェーブなど、多数の素質馬が揃っていた今年の札幌2歳S。中でも新種牡馬サトノダイヤモンド産駒として期待されたのが、3着に敗れたダイヤモンドハンズ(牡2、栗東・池江泰寿厩舎)だ。

 14頭立ての芝1800m戦。スタートで後手を踏んだダイヤモンドハンズは、道中を後方2番手で追走する苦しい展開となったが、福永祐一騎手は末脚の爆発に望みを懸ける。距離のロスは避けられなかったものの、3~4コーナーから大外を捲くり気味に上がって末脚を引き出して3着に好走した。粗削りなところもあるが、素質の片鱗を感じられる一戦でもあった。

 その一方、新種牡馬として初年度産駒がデビューした父のサトノダイヤモンドにとっては、是が非でも重賞タイトルの欲しい大一番だったかもしれない。

 ディーマジェスティ、マカヒキと激戦を繰り広げた2016年のクラシックで菊花賞(G1)を制し、3歳で挑んだ暮れの有馬記念(G1)では、武豊騎手とキタサンブラックのコンビを撃破したサトノダイヤモンド。翌17年には凱旋門賞(仏G1)に挑戦したほど期待の大きな馬だった。

 しかし、海外遠征による精神的、肉体的ダメージが尾を引いたのだろうか。同レースを15着に惨敗して以降は、別馬のような不振が続いた。

 現役引退後に種牡馬入りしたサトノダイヤモンドだったが、現時点で産駒のJRA勝利はダイヤモンドハンズの1勝のみ。6月に産駒がデビューして22戦1勝と振るわず、早くも一部では“大失敗”という声も出ていただけに、起死回生の初重賞勝ちとならなかったのは残念である。

「虎の子」クラシック候補に痛恨アクシデント

 だが、札幌2歳Sの惜敗にショックを受ける間もなく、さらなる追い打ちとなる知らせが舞い込んだ。

 なんとダイヤモンドハンズに右前脚の剝離骨折が判明したのだ。苦戦する父にとって虎の子ともいえる存在だったクラシック候補が、全治6か月以上の戦線離脱を余儀なくされてしまった。ダイヤモンドハンズを管理している池江厩舎としても、白熱するリーディング争いに欠かせない期待馬のアクシデントは痛恨だったに違いない。

 同じく「サトノ」の冠名を持つサトノクラウンと共に新種牡馬としてデビューしたサトノダイヤモンド。現役時代の実績では格下と見られていたライバルの産駒が、既に6勝していることを思えば、立場が逆転している状況となる。

 とはいえ6月から始まった2歳戦はまだ3ヶ月ほどでもあり、巻き返しのチャンスは残されているはず。このまま鳴かず飛ばずで終わってしまうのか、それとも父の窮地を救う新たなヒーローヒロインが現れるだろうか。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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