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武豊が手助けした今村聖奈以上のフィーバー!? ジャパンラブからのJRA所属は断念も…競馬ファンを虜にした美し過ぎる騎手の現在地

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 あの人は今――

 過去の有名人の現在を伝えるTV番組などでよく使われるフレーズだが、こういったことは競馬においても同様だ。

 様々な憶測を呼んだ噂の元大物騎手がメディアに登場することもあれば、過去に活躍した競走馬がゲームのキャラクターとして再ブレイクを果たすなど、競走馬や人物が話題となることもある。

 冒頭のように「あの人は今」と表現してしまうには少々心苦しくもあるが、8月27日と28日に札幌競馬場で行われた「2022ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」でも、一部の競馬ファンから「あの騎手」の不在を心配する声があった。

「美し過ぎる騎手」としてもファンから圧倒的な支持

 コロナ禍の影響もあり、3年ぶりの開催となった今年のWASJだが、前回の2019年で3位に入賞し、フィーバーを巻き起こしたミカエル・ミシェル騎手の存在を思い起こした競馬ファンも少なくなかったのではないだろうか。

 WASJ参戦で初来日したミシェル騎手は、その美貌も相まって「美し過ぎる騎手」としてもファンから圧倒的な支持を受けた。

 翌2020年には短期免許を取得した南関東(川崎)で通算30勝を挙げ、JRAの通年騎手免許の受験も視野に入れたものの、コロナ禍による入国制限により来日が叶わず断念。C.ルメール騎手やM.デムーロ騎手に続くJRA所属騎手の誕生は実現しなかった。

 その後の同年12月末には、申請中だったJRA短期免許の審査を通過したことを自身のSNSで報告したミシェル騎手。だが、やはりコロナの影響でその後も来日する機会を得られぬまま。

 再来日を待ちわびるファンの声も根強いだけに、近況が気になるところである。

 2021年の年明けには、自身の専属エージェントと結婚したことをSNSを通じてファンに報告。今年5月に再び南関東での騎乗を目標にしていたが、またしてもコロナ禍により断念。

 中間にはフランス競馬で落馬により重傷を負うアクシデントにも見舞われたが、無事に復帰。その後、キャリアの当初から計画していた選択肢の一つだったという米国を拠点にして騎乗する予定であることを、フランス競馬メディア「エキディア」電子版が報じた。

 既に自身のSNSで、5月から拠点を移したアメリカでレースに騎乗している姿も見られた。初勝利も記録し、活躍しているようだ。その一方で今年のWASJについても、前回の来日に感謝の意を伝えているように、日本に恋する“ジャパンラブ”ぶりも以前と変わらず健在だ。

 我々日本のファンからすれば、相思相愛ともいえるミシェル騎手の再来日が待ち遠しいのも事実。今年は快進撃を続ける今村聖奈騎手の話題に事欠かないが、かつての“ミシェルフィーバー”も、これに引けを取らない熱があった。近い将来、日本の競馬でレースに騎乗する美し過ぎる騎手の姿を楽しみに待ちたいところである。

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武豊騎手

 そんなミシェル騎手だが、日本が誇るレジェンド武豊騎手の存在が、来日の手助けとなったことは、意外と知られていないかもしれない。

 平松さとし氏のコラムによると2019年当時、まだ無名に近い存在だったミシェル騎手は日本での騎乗を全く想定さえしていなかったものの、来日を手助けしたのが武豊騎手だったという。

 ちょうど凱旋門賞(仏G1)に騎乗するためにフランスにいたこともあり、ミシェル騎手のエージェントであるフレデリック・スパヌ氏にWASJの存在を教えたとのこと。そしてこれがきっかけとなり、スパヌ氏がJRAに連絡を取って、翌年の来日が決定したらしい。

 武豊騎手のアドバイスがなければ、おそらく見られなかったであろうミシェルフィーバー。30年ぶりとなるWASJ優勝を決め、凱旋門賞にもドウデュースで挑むレジェンドのJRAへの貢献は枚挙に暇がない。

 母国フランスで今週末の現地時間11日に行われるニエル賞(G2)に参戦する恩人の騎乗を、アメリカにいるミシェル騎手も大いに注目しているはずだ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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