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新潟記念(G3)“冬将軍”が有言実行「ど真ん中を正拳突き」で天皇賞・秋に名乗り

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新潟記念(G3)冬将軍が有言実行「ど真ん中を正拳突き」で天皇賞・秋に名乗りの画像1
カラテ 撮影:Ruriko.I

 4日、新潟競馬場で行われた新潟記念(G3)は、菅原明良騎手が騎乗した10番人気カラテ(牡6歳、栗東・辻野泰之厩舎)が優勝。57.5kgのトップハンデをものともせず、昨年2月の東京新聞杯(G3)以来となる重賞2勝目を挙げた。

 レースは明確な逃げ馬が不在で、序盤は各馬互いに相手の出方をうかがいながらの競馬。前半600m通過が36秒6のゆったりとした流れの中、3角手前で人気の一角、カイザーバローズがハナに立つ展開となった。

 そんな中、カラテは中団前目を追走。馬群の中でじっくり脚を溜めると、直線に入って馬場の3~4分どころを突き、残り400m地点で早くも先頭に躍り出た。

 開催最終日の新潟だけあって予想通り、直線は内外に大きくばらける展開。早めに仕掛けたカラテは馬場のど真ん中を突き抜けると、最後は大外から追い込んだユーキャンスマイルに1.3/4馬身差をつけての快勝だった。

 レース後、菅原明騎手は「初めて重賞を勝った思い出の馬です。この馬で結果を出せてとても嬉しいです」と満面の笑みで振り返ったが、4歳夏以降はほぼマイルだけを使われてきただけに、このタイミングでの距離延長には疑問の声も少なからずあったのも事実だ。

「3歳2月に2000mで未勝利戦を勝ち上がっていますが、本格化したのはマイル路線に専念した後でした。確かに3走前の中山記念(G2、芝1800m)でパンサラッサの2着に好走はしていたものの距離不安とトップハンデが重なり、人気をかなり下げていましたね」(競馬誌ライター)

 そんな低評価を覆したカラテに、現地で最も大きな声援を送っていたのは他ならぬ馬主の小田切光氏だったのではないだろうか。

 小田切氏は愛馬の勝利を見届けた直後、自身のTwitterに「カラテくん勝ったーー!!強すぎて泣ける!みんなありがとう」と興奮気味に感謝の言葉を綴った。

 また小田切氏はレース2日前に、こんなツイートも投稿していた。

「ど真ん中を正拳突き」で天皇賞・秋に名乗り

「新潟記念のカラテくん、トップハンデとは…」と、課せられた斤量を嘆く一方で「でもそれだけ実力を認められたって事だし」「外枠有利だけど、ど真ん中を正拳突きで決める」と、内目の枠(3枠6番)に入ったことは受け流し、空手の突き技を用いて、直線は馬場のど真ん中を突くことを宣言していた。

「オーナーの“指示?”通り、まさに有言実行といえる競馬で突き抜けたカラテですが、実は以前からファンには『冬将軍』と呼ばれるほど、暖かい時期が苦手。なんでも春先以降は爪が伸びるスピードが早くなって痛がるという持病があるらしく、小田切氏も以前Twitterでそのことを明かしていました」(別のライター)

 そんな“冬将軍”が夏の新潟でトップハンデをはねのけての完勝劇。今後については「秋は中長距離路線に」と、小田切氏がツイートしているように、同じ距離の天皇賞・秋(G1)が目標となるのではないだろうか。

 過去2度のG1挑戦はいずれも安田記念で、13着と16着に大敗しているカラテ。それだけに今回の勝利をもってしても、強豪が集う天皇賞・秋では穴人気する程度だろう。

 ただし今から約2か月後なら、気温も下がり、カラテが今回以上のパフォーマンスを発揮する可能性も高い。“冬将軍”が秋の大舞台で穴をあけるシーンがあってもおかしくないだろう。天皇賞・秋の穴馬として、備忘録には「カラテ」の名を書き留めておきたい。

中川大河

中川大河

競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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