【秋華賞(G1)予想】スターズオンアース「三冠阻止」のシナリオ完成!? ナミュールとアートハウス切りで万馬券狙い!
今回は牝馬3冠のラスト、秋華賞(G1)を予想していく。
まずはいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
ローズS 14頭
紫苑S 7頭
オークス 4頭
夕月特別(2勝クラス) 2頭
ムーンライトH(3勝クラス)、藻岩山特別(2勝クラス)、甲武特別(1勝クラス) 各1頭
となっている。やはり2つのトライアルを経由してきた組が大半。4年連続でオークス直行組が勝利しているが、うち2頭はアーモンドアイ、デアリングタクトの3冠牝馬で残りもオークス(G1)で馬券に絡む好走をした馬なので、直行組は相応以上の実力がなければ疑った方がいいだろう。前走条件戦も少なからずいるが、人気薄で好走しているので当てはまる馬は前走の内容を精査すべきだ。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 4-1-0-5
2番人気 0-4-0-6
3番人気 4-0-2-4
4~6番人気 2-4-3-21
7~9番人気 0-0-3-27
10番人気以下 0-1-2-82
となっている。上位人気が好走している。とは言え、近5年に絞ると1番人気はアーモンドアイとデアリングタクトだけ馬券に絡んでおり、ほかはすべて馬券圏外。抜けた実力の1番人気なら信用できそうだが、そうでなければ用心した方が良さそうだ。過去10年で上位人気だけで決まった年はないので、中穴クラスの人気馬は押さえが必須。
これを踏まえて「◎」は、いきなり穴っぽいところで11番エグランタインとする。
前走はローズS(G2)。中団から競馬をすすめ、早めに動いたアートハウスを直線で追いかける形になるも届かず3着に終わった。
昨年10月にデビューしているが、14番人気10着と並みの馬以下だった。この後の未勝利戦も11着、12着、8着と勝ち上がれずに消えていく馬のような成績だったが、5戦目の未勝利戦をブービー人気で勝利。ここから怒濤の好走が始まり、2走前で1勝クラス脱出、前走で重賞3着と春先からまるで別馬のように覚醒している。
前走も素質馬2頭を相手に善戦したと言え、上がりタイムは勝ち馬を上回っている。陣営もこの部分を評価しており、気性面に問題があるとしながらも色気十分のコメントを残しているようだ。
実績馬が実績通り勝つレースではあるが、同時に荒れる要素も含んだ1戦。こういった超のつく上がり馬を無視するわけにはいかない。勢い任せで勝ち負けの可能性も十分あると見て本命とする。
「○」も人気薄の実績馬、15番サウンドビバーチェを推す。
前走は紫苑S(G3)。キャリア初の逃げを打って直線に入っても粘るものの、後ろから来た馬にゴール前交わされて2着に終わった。
未勝利勝ち上がりに多少時間がかかったせいもあって、クラシックに間に合うかというチューリップ賞(G2)で痛恨の4着。桜花賞(G1)には出走できず、オークスには出走が叶ったが、出走前のアクシデントであえなく競走除外の憂き目に遭っている。ここは三度目の正直ということで、トライアルで出走権をもぎ取った。
陣営も春に比べて安定感が出てきたことや、チューリップ賞で差のない競馬をしてきたことで「ここに入ってもヒケを取らない」と自信ありげなコメントを出している。
前走逃げて好走できたことで好位差し以外の競馬もできることがわかり、展開に左右されにくくなったのは強みとも言える。このレースは逃げ粘れない差し馬天国の傾向だが、それでも前で残ったことがないわけではない。逃げても前目でも走れるこの馬のポテンシャルを買ってみたい。
「▲」も人気薄だが、5番のストーリアを挙げる。
前走は三面川特別(2勝クラス)。好位につける競馬で、直線馬群の内から割って抜け出し勝利した。
3勝クラスの条件馬で、4/8の抽選をかいくぐって出走に漕ぎ着けた。このメンバーの中では格下なのだが、デビュー戦から6戦を消化してすべて馬券に絡む堅実な走りをしている上、ここには3連勝で臨んできている上がり馬。
だが、その割に陣営は弱気で「相手が強すぎる」「ここまですべて左回りしか経験してこなかったので、右回りになってどうか」とコメント。その通りではあるが、たびたび予想でも主張してきたように、勢いのある馬はそういう懸念も一掃してしまうことが往々にしてある。
G1なので壁が高いのはわかっているが、その可能性に懸けてこそ面白いのが競馬。凡走する可能性が高いかもしれないが、ここぞの一発大駆けに期待したい。
「△」は主役を担う7番スタニングローズと9番スターズオンアースの2頭とする。
スタニングローズの前走は紫苑Sで、前目3番手から直線で前に粘るサウンドビバーチェを交わして勝利している。
紫苑Sの予想でも書いたが、とにかく堅実な走りをする馬。2歳重賞で2度掲示板止まりがあったものの、それ以外ではすべて馬券に絡む走りを見せており、重賞2勝とオークス2着の実績もトップクラス。陣営もこの堅実さと阪神2000mのコースが合っているとして、最後の1冠奪取に力が入っているようだ。
十分高評価に値する馬ではあるが、今回重い印を打った馬に比べると良くも悪くも強調して推したいところがない。馬券を的中させるという意味で押さえるが、その分だけ印は軽くした。
スターズオンアースの前走はオークスで、中団から競馬を進め、直線では大外枠を逆に活かして、スタニングローズのさらに外を通って上がり最速で勝利している。
この馬はスタニングローズよりさらに堅実。キャリア7戦のすべてで馬券圏内という成績を残しており、2冠を含む重賞4戦にすべて連対している。
オークス後一頓挫あって休養していたものの、陣営は「夏を越して成長が見られる」と太鼓判。本サイトの記事でもいくつか取り上げられているが、春2冠を達成した牝馬はブエナビスタを除いてすべて3冠を獲っているという強力なデータもある。
だが、そのデータも裏を返すとブエナビスタという例外はある。後の活躍を考えると、あれほどの名牝でも最後の1冠を獲り逃している。加えて仕上がりに問題はなさそうであるが、軽度であっても骨折を経験している。故障の影響がまったくないとは言い切れず、飛んでしまってもおかしくはない。
桜花賞ではノーマーク、オークスでも押さえまでであっさり2冠を達成されてしまった身としては素直に「◎」でもいいのかもしれないが、春2冠よりリスクがある分、やはり押さえまでとしたい。
人気どころでは8番ナミュールと10番アートハウスを切り。
ナミュールの前走はオークスで、スターズオンアースと同じような位置取りで競馬を進め、直線では内から伸びてきたものの、外ほど勢いはなく3着に終わった。
上で触れたローテーションの部分でわかる通り、前走オークス組は4頭好走している。2頭はアーモンドアイとデアリングタクトの3冠牝馬だが、残りはクロノジェネシスと昨年のアカイトリノムスメ。オークスで好走し、最後の1冠で戴冠しているわけだが、どちらも春2冠の両方で好走している。対してナミュールは桜花賞で1番人気を裏切って大敗。この差は大きい。
加えて、鞍上・横山武史騎手が重賞で今ひとつというところも気になる。この秋はオールカマー(G2)でジェラルディーナを初重賞勝利に導いているが、今年はまだこれとナミュールのチューリップ賞の2勝しかしていない。春シーズンに比べると馬質もやや劣っている感はあるが、それでも人気の馬には乗っている。それにもかかわらず勝ち星がないのは気にかかるところ。すでにスプリンターズS(G1)でも3番人気シュネルマイスターを9着に飛ばしており、ここでも人気に乗って安心して買うのは危険と見ている。
アートハウスの前走はローズSで好位から早めに抜け出し、そのまま押し切って勝利している。
オークスではそもそも馬が本調子でなかったという事情もあって7着に敗れているが、秋初戦はきっちり勝って臨んでおり、調子のいいことはうかがい知れる。
この馬も馬に問題があるのではなく、鞍上の川田将雅騎手が懸念材料となる。
今年はリーディングを独走している川田騎手。G1も通算で20勝を数えているが、3歳G1に弱い。牡馬3冠はそれぞれ1勝、牝馬3冠は桜花賞を2勝しているが、オークス1勝、そして秋華賞は勝ち星がない。NHKマイルC(G1)にも1勝しているが、G1勝ちの約半分は古馬G1で挙げたもの。
秋華賞だけに限って言えば、勝ち星がないだけでなく13回騎乗して2着が2回のみ。ほかは4着も2回あるが、二ケタ着順が8回と散々な成績に終わっている。もちろん、人気薄に騎乗する機会が多かったせいもあろうが、19年のダノンファンタジーは1番人気で8着、一昨年のリアアメリアは2番人気で13着と人気馬でさえ飛ばしている。
今回のアートハウスに比べるとダノンファンタジーはG1馬であり、前哨戦のローズSも勝っていた馬。それにもかかわらず着外に飛ばしているのは相性が悪いとしかいいようがない。人気していてもスターズオンアースほど安定したデータもなく、むしろまた飛ばされる危険の方が高いと見ている。
ということで、今回は5番、7番、9番、11番、15番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。スターズオンアースやスタニングローズが人気通り走ったとしても、残りはすべて人気薄。よくすれば万馬券すら視界に入る。
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