
C.ルメール「天才の妹」にG1級好感触、スターズオンアース秋華賞敗戦も反撃の兆し

16日、牝馬三冠の最終関門となる秋華賞(G1)はスタニングローズが優勝。坂井瑠星騎手が念願の初G1を獲得した一方で、史上7頭目の偉業を目指したスターズオンアースは出遅れが響き3着に敗れた。
同馬に騎乗したC.ルメール騎手は「ゲートの一歩目が遅くて後ろからになってしまった。普通のペースなら良かったのですが、前には届きませんでした。スタートだけが残念でした」と不完全燃焼な結果に肩を落とした。
メインレースはまさかの結末に終わったが、転んでもただでは起きないのがルメール騎手といったところか。
この日は2頭の2歳馬で勝利を挙げ、来年に向けて収穫を得た1日にもなった。特に目立ったのは、阪神9RもみじS(OP)を制したウンブライル(牝2歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。同馬は6月東京のデビュー戦でもルメール騎手とコンビを組み、2着に3馬身半差をつけて快勝。キャリア2戦目も悠々クリアした。
前走は出負けしながらも鋭い二の脚で好位につけたウンブライルだが、今回は促しながら7頭中5番手を追走する。4角の手応えは決して良いようには見えなかったものの、エンジンがかかると抜群の伸び脚を披露。ラスト200mで先頭に立ち、後は追われる度に後続を突き放して2着馬の3馬身前でゴールした。
勝ち時計はもみじSが1400mで施行されるようになった2014年以降で2位の1分21秒5という好タイム。上がり3ハロンも33秒5と、内回りコースをものともしない末脚で無傷の2連勝を決めた。
「天才の妹」にG1級好感触
ウンブライルはマイルCS(G1)を制したステルヴィオの全妹にあたる良血馬。その兄もデビューからルメール騎手が手綱を取り、同騎手とクラシックレースに挑んだ間柄だ。ウンブライルがデビュー勝ちした際にはルメール騎手も「(兄の)ステルヴィオに似ています」と話しており、今後も楽しみなコンビになっていきそうだ。
今回のレースを受けてルメール騎手は「遊びながらも冷静に走ってくれました。楽に先頭に立って押し切ってくれました」とパートナーを称賛。一方でウンブライルを管理する木村調教師は「(レースに)集中できていない。兄は天才だったけど、この馬は粗削り。修正していきたい」と振り返ったように、勝って兜の緒を締めた。
思い返すとルメール騎手は、昨年の阪神JF(G1)ではウンブライルの姉・ステルナティーアに、桜花賞(G1)ではフォラブリューテに、優駿牝馬(G1)と秋華賞ではスターズオンアースに騎乗。同世代の牝馬限定G1・4レースに3頭の馬で参戦している。馬を選べる立場のルメール騎手だけに、有力馬の出現は喜ばしいことだが、厩舎サイドにとっては彼を確保するためにも結果と内容の両方が求められる戦いが続くだろう。
課題を見せながらも初戦から着実にパフォーマンスを上げて連勝を飾ったウンブライル。ルメール騎手のクラシックお手馬になりうる“天才の妹”から今後も目が離せない。
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