【エリザベス女王杯(G1)予想】三冠馬デアリングタクトは「状態不安」で消し!
今回は秋の牝馬頂上決戦、エリザベス女王杯(G1)を予想していく。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
府中牝馬S 13頭
秋華賞 6頭
オールカマー 3頭
札幌記念 2頭
オークス、宝塚記念、ヴィクトリアマイル、新潟記念 各1頭
鳴滝特別(2勝クラス)、条件戦(2勝クラス) 各1頭
となっている。大きく偏りがあり、半数近い馬が府中牝馬S(G2)経由で参戦している。ついで秋華賞組になるが、数を見る限り3歳馬は苦戦傾向にある。前走条件戦もいるにはいるが、G1なので大きく割り引く必要はあるだろう。
続いて人気順の成績を見ていこう。
1番人気 1-3-2-4
2番人気 1-0-1-8
3番人気 4-0-2-4
4~6番人気 2-2-4-22
7~9番人気 1-4-1-24
10番人気以下 1-1-0-81
となっている。1番人気、2番人気がアテにできない。近5年だと1番人気は3頭馬券に絡んでおり、それなりに成績を残しているが、2番人気は17年以降1頭も馬券に絡んでいない。3番人気は4勝を挙げているものの、馬券圏内に走った数は1番人気と同じ。主役は中穴以下、特に近5年は7番人気や9番人気の好走が目立つ。人気薄でも吟味すべきだろう。
ちなみに阪神競馬場の日曜の天候は朝から夕方にかけて1日雨予報となっている。降雨量は大したことなさそうだが、馬場が渋ってくるのは間違いない。そこで今回は重馬場適性も含めて予想を立てていく。
まず「◎」だが連覇を狙う14番アカイイトとする。
前走は府中牝馬S。出遅れもあって後方待機策を採って進めたが、直線で伸びきれず10着に敗れている。
今年は金鯱賞(G2)から始動して3着を確保したものの、その後が続かず大敗続き。ただ、昨年も同じローテーションで府中牝馬Sを7着に敗れたところからいきなり初重賞・初G1勝利を飾っている。
陣営からは昨年同様のローテーションを使ったことで型どおりに進んでおり、状態は上向きとのコメントが出ている。「持ち味を活かした乗り方をすれば」という話であるが、昨年は3コーナー13番手から、4コーナーではもう7番手に進出していた。早めに動いて直線勝負という型にハマれば一発は十分あり得る。
加えて、今回は悪天候の予報。この馬は重巧者というほどではないが、不良馬場での勝ち鞍もあり、馬場が渋るのは歓迎なはず。過去データを見ると、馬場が渋ったレースでは後ろからの差しが決まる傾向にあった。この馬の脚質とも合致しており、ここでG1馬の意地を見せるのではないか。
「○」も穴馬から17番ウインマイティーを挙げる。
前走は京都大賞典(G2)。中団に控える競馬で澱みのないペースを走り、直線で間を割って伸び3着を確保した。
一昨年のオークス(G1)3着で脚光を浴びた本馬だが、その後がさっぱりで紫苑S(G3)や秋華賞(G1)でも人気したものの凡走。今年4月まで掲示板にすら載れない有様だったが、3走前のリステッドで4着。そして2走前のマーメイドS(G3)で2年2カ月ぶりの勝利を挙げて復活。そこからの前走好走というわけだ。
陣営からは「調教法を変えた」「2走前から結果がついてきた」ということで、今回も牝馬同士ならと色気のあるコメントが出ている。実際、前走は強豪揃いというわけではなかったが、それでも骨のあるメンバーがそろい、そこで3着できている。地力は確実に上がっていると見ていい。
重馬場適性についても巧者というほどではないが、前走も稍重で好走しており極端な悪化がなければ好走の材料になるはず。実績では残りのウイン2騎より劣るが、馬場状態を考慮するとこちらが筆頭と考え、対抗としたい。
「▲」は本命サイドだが10番スタニングローズを推す。
前走は秋華賞。平均ペースで流れる中、終始前目で競馬を進め、直線で抜け出すと後ろから追い上げる2頭をものともせず勝利している。
2歳時はポカもあったが、明け3歳からの5走は4勝2着1回とパーフェクトな成績。2着はオークスのものだけに、ただの敗戦ではない。秋華賞のほか重賞を2勝しており、実績は三冠馬デアリングタクトに次ぐ存在だ。
3歳馬でキャリアが浅いこともあって、渋った馬場では1走しかしていないが、それでもきっちり勝利しているので、稍重程度なら問題なくこなせるはずだ。
陣営も「中間は馬体の維持に努めてきた」とのことだが、調整は順調に進んだようで「舞台設定も悪くない、好レースを期待している」とコメントしている。3歳馬に決して有利なレースではないが、秋華賞から連勝した馬も存在しているのは確か。同世代のライバル・スターズオンアースの評価を超えるチャンスと見ている。
「△」だが人気薄から5番マジカルラグーン、6番ホウオウエミーズ、9番ウインキートスの3頭を挙げる。
マジカルラグーンの前走はヨークシャーオークス(英G1)で、このときは先だって引退が発表された後の凱旋門賞馬アルピニスタに完敗の4着だった。
海外馬なので日本馬と比較できる要素が少ない。日本独特のパンパンに硬い馬場ではなく、ヨーロッパ特有のクッションの効いた馬場で走ってきたことは確か。陣営からは「硬くて時計の速い馬場が向いている」「状態は100%に近い」というコメントが出ているが、本質的に日本の馬場には完全に適合していないはずで、半兄で日本に繋養されているノヴェリストも重馬場を得意にしていた。
良馬場確定であればむしろ押さえるのは危険に感じるが、多少なりとも馬場が渋るのであれば出番もあろう。ヨーロッパで言う「硬い馬場」くらいになると思われるので、良血馬の一発は警戒すべきと考え、押さえておく。
ホウオウエミーズの前走は新潟牝馬S(OP)。悪化した馬場の中、好位を進んで4コーナーから進出を始めて直線で抜け出し、追い込んでくる後続をシャットアウトして勝利した。
実績なら、この馬がメンバー中もっとも格下と言えよう。ピンハイも似たようなものだが、あちらはチューリップ賞(G2)2着があるのに対して、こちらは重賞を5走して5着がやっと。普通なら切ってしまうところだが、敢えて押さえるのは重馬場適性故だ。
挙げた5勝がすべて稍重か重という典型的な重馬場巧者。もちろん、渋った馬場のすべてで好成績を挙げているというわけではないが、馬場が渋るのはこの馬にとっては願ったり叶ったり。陣営も前走は「恵みの雨」と評しているだけに、馬場が渋る可能性が高い今回は格下でも大駆けする可能性はある。警戒する意味で押さえておきたい。
ウインキートスの前走はオールカマー(G2)で、3番手からの積極的な競馬を進め、直線でもよく粘って3着に入った。
この馬は2走前の目黒記念(G2)で逃げを打って3着に粘り込んでいるなど、牡馬相手のG2でも自分の型にハマれば強さを発揮できることを改めて証明している。
2走前の目黒記念で調子を掴んだと思われ、昨年のこのレースに参戦したときとは状態が違うことが考えられる。陣営も「先行力を活かせれば面白い」と期待込みのコメントを出している。馬場が渋ってもある程度までならこなせる実績も残しており、その点で可能性に懸けてもいいと考えている。
人気どころでは三冠牝馬4番デアリングタクトと11番ナミュール、18番ジェラルディーナを切り。
デアリングタクトに関しては桜花賞(G1)が重馬場、秋華賞が稍重馬場で、4歳初戦の金鯱賞も重馬場で2着するなど重馬場大歓迎な1頭。脚元のことを考えると、渋った馬場の方が馬も楽に走れるかもしれない。
だが、関係者のコメントが冴えない。オールカマーではいつもの伸びがなく「気持ちが切り替わっていない」として、調整段階で試行錯誤しているようだ。能力値ではメンバー中トップなのは間違いなく、上記の通り馬場が渋れば8割の力でも来てしまう可能性は十分ある。だが、馬に走る気がないとそれも怪しい。人気しているからこそ、そういう状況であれば切るのが正解だろう。
ナミュールとジェラルディーナに関しては実績十分で気配も良さそうなのだが、いかんせん重馬場を経験していないため、多少でも馬場が渋れば本来の力を発揮できない可能性がある。こちらも人気しているのであれば、リスクがある以上押さえるのは危険と見て切っておく。
ということで、今回は5番、6番、9番、10番、14番、17番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。人気しそうなのはスタニングローズだけで、ほかは軒並み穴馬。降雨そのものがない、あるいは雨は降っているが馬場に影響が出ない程度となると予想の前提が崩れるので役に立たなくなるが、それなりに渋れば特大の万馬券にありつける可能性すらある。
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