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マジカルラグーンって買いなの? エリザベス女王杯連覇のスノーフェアリーと同じ愛オークス馬が11年ぶりに来日

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 凱旋門賞(G1)優勝馬アルピニスタのジャパンC(G1)回避は残念なニュース。しかし、今週末に行われる秋の女王決定戦エリザベス女王杯(G1)は、11年ぶりに外国馬が参戦することで話題となっている。

 その馬は、アイルランドからやってきたマジカルラグーンだ。

 エリザベス女王杯が国際競走となったのは1999年。それ以降、出走頭数は多くないものの、これまで11頭の外国馬が走って2010年と2011年にスノーフェアリーが連覇、2003年にはタイガーテイルが3着と馬券圏内に好走したのは3回のみ。遠征馬の多くがヨーロッパ勢だが、欧州から日本は輸送時間が長く、牝馬には過酷な面もある。マジカルラグーンも、自国の厩舎から兵庫にある国際厩舎(三木ホースランドパーク)まで約43時間かかったという。

 そこまでしての遠征は勝負の表れか、それともただの“観光”か。その見極めは馬券の取捨においても重要。今回はマジカルラグーンとはどんな馬か、そして過去に勝利したスノーフェアリーとの共通点や異なる点は何か。さらにエリザベス女王杯の勝算について検証してみた。

 

■血統

 マジカルラグーンはアイルランドの名門クールモアで生産された3歳牝馬。父ガリレオはフランスのダービーなどG1を3勝し、種牡馬としても日本で産駒が大活躍のフランケルなどを輩出。直系の産駒は日本で活躍していないが、世界中のG1を勝利しており、近年を代表する偉大な種牡馬の一頭だ。

 なお、2017年のジャパンCに産駒アイダホが出走し、シュヴァルグランの5着に敗退。また母の父としてキングオブコージが目黒記念(G2)を勝利。さらにマジカルラグーンは現在日本で繋養されている、種牡馬ノヴェリストの半妹という血統。ノヴェリスト産駒といえば、アルゼンチン共和国杯(G2)を制したブレークアップ。このタイミングで重賞制覇は、何かを暗示しているのだろうか。

 

■戦績

 マジカルラグーンはここまで7戦して3勝の実績があり、勝利はすべて重賞。初勝利がG3というのは日本では考えにくいが、重賞の出走頭数が少ない海外では、重賞が初勝利は決して珍しくない。ゆえにそのG3の価値はさておき、もっとも注目すべきはアイリッシュオークス(G1)を勝利したことだろう。スノーフェアリーも愛オークスの勝ち馬だからだ。

 ただし同じ勝利でも、その内容は少々異なる。マジカルラグーンの愛オークスは、クラシック戦線で活躍した強敵が不在の7頭立てと、相手に恵まれた。着差も2着と半馬身差の辛勝。一方、スノーフェアリーはイギリスオークス(G1)と愛オークス(G1)を連勝してのもので、愛オークスはフィリーズマイル(G1)を制したHibaayebなどが揃う15頭立て。レース内容も2着に8馬身差を付けての圧勝だった。

 さらにスノーフェアリーは、日本では菊花賞(G1)に該当する牡馬相手のセントレジャー(G1)で4着に好走しているように、実績も経験も豊富であった。

 マジカルラグーンのG1勝利は愛オークスのみ。続くヨークシャーオークス(G1)は、後の凱旋門賞馬アルピニスタが勝利し、マジカルラグーンは4番人気で5着に完敗。そして今回は8月の前走から休み明けでの挑戦となっている。ここまでG1を3戦しているが、すべて牝馬限定戦であり、強豪に揉まれてきたとは言い難い。実績的にスノーフェアリーと比較して、大きくスケールダウンするのは否めない。

 

■調教師

 マジカルラグーンを管理するのは、昨年のアイルランド調教師リーディングで3位だったジョン・ハリントン夫人(今年は10月31日現在4位)。1位があのA・オブライエン調教師、2位がJ・オブライエン調教師で、それに次ぐ87勝を挙げての3位だから、超一流といって間違いない。今年は9月までに重賞を6勝しているが、そのうち5勝をマジカルラグーンの主戦騎手であるS.フォーリー騎手があげている。管理馬による日本への遠征は初めてで、手探りな部分も多いだろう。

 

■騎手

 S・フォーリー騎手はアイルランド出身。デビュー2年目にはアイルランドでトップジョッキーとなり、10月31日現在アイルランドリーディングで3位。日本へは過去に3度短期免許で来日しており、2016年にはプロフェットに騎乗してJRAの重賞を勝利。JRAでは通算19勝しているが、ファインニードルやマジックキャッスルに騎乗した経験がある。今回は2020年以来の来日となるが、阪神競馬場は騎乗経験があるものの勝利はない。

 

■馬主

 オーナーは中国人実業家の張月勝氏で、同氏は世界中のセリでサラブレッドを購入。かつて日本のHBAオータムセールで1歳馬18頭、総額4735万円分を購入したことがある。また2019年のセレクトセールでは、ロードカナロア産駒を4500万円で落札し、安田翔伍厩舎からユイロンクラウンでJRA馬主デビューも果たしている。中国に競馬場も所有するなど資金力はかなりのもので、今後も何かと目にしそうだ。

■馬場適性

 外国馬の日本遠征で常に焦点となるのが、日本の馬場適性だ。マジカルラグーン陣営は日本の硬い馬場が合うとの判断から遠征を決めているが、その根拠の一つが日本の馬場に近いと言われているアイルランドのカラ競馬場での走りだという。

 マジカルラグーンはカラ競馬場で2戦2勝と好成績。阪神と同じ右回りコースというのもプラスだろう。それでも日本とまったく同じ馬場とは考えにくく、良馬場なら上がり34秒台前半の脚が求められるので、その脚が使えるかどうかがポイントだ。

 ただし、日曜のレース当日は降水確率が高く、馬場状態は不透明。場合によってはマジカルラグーン向きの馬場になることもあり得るだろう。

 

■状態

 関係者の話では、初の海外輸送で来日直後は馬体を減らしたものの、現在はベストの体重に戻したとのこと。追い切りに騎乗したフォーリー騎手も、過去に勝利した時と同様の状態にあるとコメント。調教助手は馬の状態を100%に近いとも語っており、仕上がりに不安はなさそう。阪神競馬場でのスクーリングや追い切り後の落ち着き具合を見ても、精神面の強さを感じる。

 

■思惑

 関係者によれば、結果次第では中一週でジャパンCに出走するプランもあるという。これは2003年にエリザベス女王杯で3着、ジャパンCを6着としたタイガーテイルと同じパターン。賞金もエリザベス女王杯が1億500万円でジャパンCは4億円となっており、見返りの大きさは数倍。とはいえ、ある程度の走りを見せることが連戦の条件ともいえるだろう。

 

■結論

 結論から言えば、今回のエリザベス女王杯でマジカルラグーンは、勝つには一歩足りないと判断した。理由としては「長時間となる初の海外遠征」「日本で活躍馬の少ない父ガリレオという欧州血統」「これまでの対戦実績」「休み明けのローテーション」。

 さらに日本馬に関してもスタニングローズ、ナミュール、デアリングタクト、ジェラルディーナ、アカイイト、イズジョーノキセキ、ウインマイティー、ウインマリリン、ウインキートス、テルツェット、ピンハイとかなりの好メンバーが揃ったからだ。

 とはいえ、凱旋門賞で日本馬が勝負にならなかったことを考えると、ヨーロッパ勢に未知の魅力があるのは事実。勝つのは難しいにせよ、展開や馬場次第で3着以内に好走する余地は残しており、馬券的には3連単や3連複の押さえ的な判断でいいだろう。

仙谷コウタ

仙谷コウタ

初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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