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セリフォス続投叶わず「使い捨て」の苦しい立場、降板騎手が6年ぶり決断も空回り

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セリフォス続投叶わず「使い捨て」の苦しい立場、降板騎手が6年ぶり決断も空回り 20日、阪神競馬場では秋のマイル王決定戦・マイルCS(G1)が行われる。実績馬に加えてフレッシュな顔ぶれが集まった一戦は、先週のエリザベス女王杯(G1)同様、古馬と3歳馬の力関係が大きな見どころになりそうである。

 前哨戦の富士S(G2)を制して勢いに乗る3歳馬セリフォス(牡3、栗東・中内田充正厩舎)は、先週から短期免許で来日しているD.レーン騎手を新しい鞍上に迎えることになっている。エリザベス女王杯でも初騎乗のウインマリリンを2着に持ってきた名手の力を借り、初のG1タイトルに手が届くか注目だ。

 一方、富士Sでセリフォスを勝利に導いた藤岡佑介騎手は、10歳馬ベステンダンクとともにマイルCSへ参戦予定となっている。結果は出したものの、セリフォスに継続騎乗とはいかなかったようである。

 前走に限らずセリフォスに騎乗した際、藤岡佑騎手は結果を残してきた。初騎乗は当時の主戦・川田将雅騎手の代打を務めたデイリー杯2歳S(G2)。1番人気の評価に違わぬ末脚を引き出して勝利を収めたが、次走の朝日杯フューチュリティS(G1)では、短期免許で来日中のC.デムーロ騎手に鞍上を譲ることになった。

 再びチャンスが巡ってきた安田記念(G1)でも5番人気4着、そして前走富士Sでの勝利と常に人気以上の着順に持ってきているが、この度またしても降板という憂き目に遭ってしまった。

 セリフォスを管理する中内田厩舎は川田騎手が主戦騎手だ。そのため、藤岡佑騎手はセカンドドライバーといったポジションでもあり、あくまで代わりの騎手がいない場合に任されている印象が強い。そういった事情もあって、短期免許の外国人騎手がいる時期は更に序列が下がるという構図が比較的はっきりしている。

 富士Sのレース後に、「GIホースとなる資格がある馬だと思っているので、次は頑張ってほしいです」というコメントを出していたように、今回の乗り替わりはある程度織り込み済みだったのかもしれない。だが、2年連続で“使い捨て”されるような立ち位置では、心中も複雑だろう。

降板騎手が6年ぶり決断も空回り

 そんな藤岡佑騎手が心機一転を図っての決断だったかのかは不明ながら、先週末には6年ぶりの行動に出た。

「福島の出馬表に藤岡佑騎手の名前があってびっくりしました。日曜に福島記念(G3)が行われるとはいえ、G1開催日のローカル裏開催という位置付けです。若手や関東中堅騎手が多い中、関西から乗りに来た彼の名は異質に感じました。

調べてみると、藤岡佑騎手が福島競馬に参戦するのは2016年以来6年ぶりとのこと。関西馬を中心に、2日間で1番人気馬3頭を含む13鞍を確保したのは流石ですが、結果としては1勝もできずに終わってしまいました」(競馬誌ライター)

 未勝利に終わった福島を加え、藤岡佑騎手の連敗は31に到達。奇しくもセリフォスの富士Sが最後の勝ち鞍となっており、同馬の乗り替わりが発表されてからは1勝も挙げられないでいる。この不振が長引くとあの馬との海外遠征にも支障をきたしかねないだけに心配だ。

 藤岡佑騎手のお手馬といえば、ともに天皇賞・秋(G1)を戦ったジャックドール(牡4歳、栗東・藤岡健一厩舎)だ。『ウイニング競馬(テレビ東京)』の取材に「騎手人生をかけて乗るべきレース」と答えたほど力が入ったレースだったが、パンサラッサの大逃げにも翻弄された4着に終わった。

 そのジャックドールは香港C(G1)に出走することが決定しており、鞍上も藤岡佑騎手の続投が発表されている。こちらは父である藤岡健一調教師の管理馬ということも、コンビ継続の心強い援軍となった可能性がある。

 天皇賞・秋の共同会見で父とのG1制覇について問われ「この世界に導いてくれた存在ですし、G1を勝って恩返ししたいという気持ちは強い」と語った藤岡佑騎手。香港での大一番に向けて一刻も早く不調を脱出し、父の想いに応えたいところだ。

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