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武豊も「頭の中を見てみたい」と困惑…エアシャカール世代「屈辱」のジャパンC

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 2019年に生まれた3歳世代のレベルの高さが際立っている。

 特に牡馬の芝路線においてはそれが顕著で、スプリンターズS(G1)でウインマーベルが2着に好走したのを皮切りに、イクイノックスが天皇賞・秋(G1)を制覇、さらに先週末にはセリフォスが圧巻の走りでマイルCS(G1)を制し、次々と古馬の壁を突き破った。

 今週末に行われるジャパンC(G1)も、春のクラシックで馬券に絡めなかったダノンベルーガが上位人気に推されそうな勢い。古馬と初めて相まみえた天皇賞・秋では3着に入っており、世代レベルを考えれば、あっさり勝利しても不思議はないだろう。

 いずれ“史上最強世代”と呼ばれる可能性も秘める今年の3歳世代。これとは対照的だったのが1997年に生まれたいわゆる“エアシャカール世代”だ。

 2000年に皐月賞(G1)と菊花賞(G1)を制し二冠馬に輝いたエアシャカール。日本ダービー(G1)ではハナ差でアグネスフライトに敗れ、“最も三冠馬に近づいた二冠馬”でもある。

 エアシャカールといえばその奔放な性格が有名で、主戦を務めた武豊騎手も手を焼き、「(エアシそャカールの)頭の中を見てみたい」と発言したとか。とにかく気性が激しく、真っすぐ走らせることに苦労したというエピソードもよく知られている。

 そんなエアシャカールの世代だが、人によっては“史上最弱”と呼ばれることも珍しくない。象徴的だったのが、テイエムオペラオーが古馬の中長距離路線を無双した2000年のジャパンCである。

 その年のジャパンCにはクラシックを沸かせた3歳馬(当時の表記は4歳)4頭がストップ・ザ・テイエムオペラオーに挑んだ。

エアシャカール世代「屈辱」のジャパンC

 菊花賞から中4週で臨んだエアシャカールとダービー馬のアグネスフライトがそれぞれ3番人気と4番人気に推され、NHKマイルC(G1)覇者のイーグルカフェとオークス(G1)覇者のシルクプリマドンナもいた。テイエムオペラオーと、同馬に惜敗続きだったメイショウドトウの間に割って入るとすればエアシャカールかアグネスフライトのどちらかだろうと見られていたが……。

 レースは中団好位を進んだテイエムオペラオー、3番手から競馬を進めたメイショウドトウ、そして中団後方から末脚を伸ばした外国馬のファンタスティックライトが直線で激しい攻防を見せた。この3頭がタイム差なしでゴール板を駆け抜けたが、最後に抜け出たのはやはりテイエムオペラオーだった。

 一方で、期待されたエアシャカールら4頭はなんと13~16着の下位を独占。レース前から世代レベルには疑いの目が向けられていたが、まさにそれを表すかのような結果に終わった。

 結局、この世代の牡馬・牝馬クラシックを制した馬は古馬になってから未勝利に終わり、世代全体で見ても低レベルだったことは否めない。エアシャカール自身も菊花賞が最後の勝利となり、いつしか“最弱二冠馬”というレッテルを貼られることに……。

 あれから22年。今年のジャパンCは世代間の争いに注目して見てみるのも面白いかもしれない。

中川大河

中川大河

競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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