
JRA秋の「外国人祭り」まだまだ続く? イーガン、ムルザバエフは買いか消しか
新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響もあり、近2年は短期免許で来日する外国人騎手が激減していたが、今年は3年ぶりに多くの参戦が実現した。
世界を股にかけて活躍する実力の持ち主だけあって秋G1で日本人騎手を凌ぐ活躍を見せたのも当然か。エリザベス女王杯をC.デムーロ、マイルCSをD.レーン、ジャパンCをR.ムーアと3週連続で勝利。今週末の有馬記念でも注目の存在となっている。
また、既に日本のファンにもお馴染みとなった先達に続いたT.マーカンド、H.ドイル夫妻も健闘を見せている中、新たに参入したのがD.イーガンとB.ムルザバエフという2名の外国人騎手である。
今年のJRA開催は残すところあと3日とわずかだが、これまで騎乗した成績を基に彼らの日本競馬に対する適性を確認してみたい。
秋の「外国人祭り」まだまだ続く?
まずイーガン騎手については、クロノジェネシスとラヴズオンリーユーが出走していた昨年のドバイシーマクラシック(G1)をミシュリフとのコンビで優勝したことを覚えているファンも多いだろう。同コンビはインターナショナルS(英G1)も制した。
イギリスを拠点に騎乗しているのは、マーカンド&ドイル夫妻と同じ。リーディングでは彼らより下にいるが、売り出し中の若手といったところか。
8月にスポット参戦を経験し、12月10日から本格的に日本での騎乗を開始して想像を上回る好成績を残している。ここまで【6.4.4.24/38】で勝率15.8%と日本人のトップジョッキーと遜色のない数字をマーク。人気馬だけでなく穴馬でも目を引く騎乗をしており、この調子が続くようなら初重賞制覇も時間の問題かもしれない。
評価したいのは、ダートでも芝と同等の成績を残したことだ。同じダートでもアメリカは土、日本は砂といわれているように、騎乗経験のない外国人騎手にとっては慣れが必要となる。現在はむしろ得意としているM.デムーロ騎手も、かつてはダート競馬を苦手にしていた時期もあった。
今回が初来日だったイーガン騎手が、早い段階から適応してみせたのは、さすがというところ。その手腕を買われてか、来年1月15日の日経新春杯(G2)でヴェルトライゼンデとのコンビが発表された。今後はノーザンファーム系の有力馬が集まりそうだ。
次にムルザバエフ騎手だが、こちらは3年連続でドイツのリーディングジョッキー。今年のジャパンCでテュネスに騎乗して9着に敗れたが、これは日本と欧州の馬場の違いが響いた敗戦と見ていいだろう。
11月26日からの参戦で【2.2.2.14/20】の成績を収め、勝率は10.0%と悪くない。芝は未勝利なものの、騎乗した馬は人気薄も多く、初体験となる日本のダートで早々と2勝を挙げたあたりは問題なく適応できそうな雰囲気がある。
多少アバウトな紹介になってしまったことは認めざるを得ないが、ニューフェイス2人についての見立ては、「買いか消し」でいうと迷わず買いだ。秋G1を席捲したレーン騎手やムーア騎手、C.デムーロ騎手もいなくなる。
対するイーガン、ムルザバエフら2人の騎手は、ともに2月までの滞在予定。商売敵といえる日本人騎手にとって厄介なライバルとなるが、年が明けても外国人騎手祭りは、もう少し続きそうな予感がしている。
PICK UP
Ranking
17:30更新【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは